電話の持つ面白さの一つに、“話す人の声のトーンカーブ”の変化があると思います。

俗に『電話に出ると人は声が高くなる』と云われている現象の事です。

では、それを踏まえた上で先日の話に参りましょう…。

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何気に感じていた事なのですが、ここ数年、電話に出る時の母親の声がどんどん高くなっている気がする…。

それが、先日の夕食時、ついに“来るところまで来てしまった”ようなのです。

食事の最中に掛かって来た電話に出た母親の声は急激なトーンカーブの上昇を描いたせいで、食卓についていた私と父親はビックリして同時に箸を落としそうになりました。

本当にそれは、信じられないぐらいの声の上がり方だったのです。

もしかすると、中間の音域を飛ばして一気に【4オクターブ】ぐらい上がっていたかも知れません。

思わず私は、部屋の中に『天使にラヴソングを』のウーピー・ゴールドバーグを探してしまったくらいです。

声がもう少し若ければ、マライア・キャリーやホイットニー・ヒューストンを探していた事でしょう。

凄まじいのは、途中で一度、声が完全に裏返ってファルセット(裏声…コルセットとは違う)になっているにも関わらず、そのまま強引に突き進んだせいで更にトーンは上昇し、最後の方にはもう“何を言っているのか判らない”ぐらいの高さにまで達していた事です。


恐らくは人間の可聴音域を超え“超音波”の世界に入っていたのだと思います。

しかし、本人も流石に途中で自分の異様な状態に気付いたのでしょう…
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