話題:倦怠期
人間同士が長年寄り添えば、どうしても其処には『倦怠期』が生じて来ます。
これは何も『恋人』と云う関係に限った事ではなく、友人や親子兄弟、先輩後輩と云った間柄の中にも存在すると思われます。
そしてこの時期は、総じて人に疎まれがちな傾向にある訳ですが…
果たしてそれは、そんなにも忌み嫌うべき物なのでしょうか?
話変わって、一般的な演劇の作法において必要とされる『ダレ場』なる存在があります。
これは文字通り“ダレた感じ”でだらだらと話が進んで行く舞台上の場面進行を意味する言葉です。
わざわざ大して面白くもない場面を挿入する…一見、無意味に思えるかも知れません。
しかし、この『ダレ場』があるからこそ、その前後の場面での【喜怒哀楽】や【ストーリー上の面白み】が際立って来るとも云えるのです。
もしもそれが無く、最初から最後までハイテンションな場面が続けば、演じる方も観る方も疲弊してしまいます。
音楽でも、全てのパートをフォルテで演奏してしまえば、それはもうフォルテではありません。
やはり、ある程度の長い時間を快適に過ごす為には、そこに『減り張り』(メリハリ)が必要なのだと思います。
そしてこの『−減り期間』と『+張り期間』を滑らかに繋ぐ『0』、この極めてフラットな潤滑剤的時間こそが倦怠期と呼ばれる『ゼロ時間』なのではないでしょうか?
しかしながら、困った事に此処には一つの大きな問題があるのです…