『あの〜…なんか、ステテコ一枚で豆まきしてる人が居るんですけど…ええ…上半身は完全に裸で靴も履いてなくて…』

派出所に掛かってきた匿名の電話を受け、鬼羽外郎巡査が現場へ駆け付けてみると、

通報通り、そこには1人の老人が“ステテコ一丁”と云う極めてライトカジュアルな格好で、

『鬼は〜そとぉ〜!!鬼はそとぉ〜!!』

と、豪快に豆を撒きながら街を練り歩く姿があった。

鬼羽巡査は(やれやれ)といった表情で老人に近づいて声を掛ける。

鬼羽『お爺ちゃん‥街中でその格好はちょっとマズいから。ここ、色んな人が通るし、ね』

すると、ステテコ爺さんは顔を上げ、巡査に向かってこう言った。

ステ爺『さっき、ボンジョヴィのベースの人とすれ違ったよ』

鬼羽『へぇ〜♪‥って、そうでねくて!ってか、よくボンジョヴィのベースとか知ってるなぁ』

ステ爺『あ、でも‥もしかしたら、ボンジョヴィじゃ無くて森永卓郎さんだったかも知れない』

鬼羽『ああ‥って全然似てないから!どういう見間違い方ですか!?』

ステ爺『鬼は〜そとぉ〜!』

鬼羽『いや‥だから、ステテコ一枚はマズいから』
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