話題:妄想
宇宙は陰と陽で成り立っています。
物質があれば反物質があるように、地球に対しては反地球なるものが存在している可能性があります。
当然、そこには貴方に対する“反貴方”の存在があって、それらはことごとく「正反対」の性質を備えていると言われています。
となれば、地球には【有名人】なる存在がありますから、反地球にも当然【反有名人】が存在するであろうと推測が出来る訳です。
そこで本日は、太陽を軸に地球と点対照で公転し続ける反地球の【反有名人たち】をこっそりと覗いて見る事にしたいと思います…
(以下、敬省略で)
最初は反地球において[KING]の名を欲しいままにする超人気芸人…と言えばもうお分かりですよね?
そうです。
【つぶやきシロー】です。
我々の住む地球で【つぶやきシロー】と言えば、典型的な気の弱いキャラで、自信無さ気にボソボソと呟く芸風ですが…
反地球では、性質が真逆になります。
では、どうなるかと言うと…
【つぶやきシロー】→【絶叫シロー!】となるのであります!己の思想や主調を応援団の団長スタイルで反り返りながら叫び続ける芸人。
【絶叫シロー】の絶叫決め台詞はこうです…
『我々はー!!一致団結してー!!全身全霊で人生に立ち向かわなければならないのであーる!!』
彼がテレビに登場しようものなら、皆、慌ててテレビの音量を下げる事は言うまでもありません…。
次は、アニマル浜口です。
地球の彼はとにかく“気合い”が入っている事で有名ですが、勿論、反地球では性質が真逆となります。
【アニマル浜口】→【ベジタブル浜口】。
イタリア製のスーツを優美に着こなす華奢な体格のやさ男。
決め台詞はこうです。
「ゆったり…まったり…のんびり」
さて、お次は文学界から登場の【太宰治】。
地球での彼は、極めて内向的な作風で知られていますが、反地球では180℃変わってきます。
【太宰治】→【細宰治】。
ひたすら陽気に“萌え”を追及し、趣味はコスプレ。代表的な作品としては『停まれメロス!〜萌え萌えミニパトポリスに御用心♪』や『ゾンビ合格。〜ゾンビパウダーにぱみゅ萌え♪』など。
文章はメチャメチャ下手くそながら、強烈なデフォルメキャラや“スリャッピャ〜!”など意味不明な造語がライトユーザー層の読者のハートをギュッとキャッチして離さないんだピョン♪…みたいな( ~っ~)/
(この妙な疲労感は何なのだろう…)
あ、すみません。今のは独り言です。
★続きは追記にて★
話題:SS
某月某日 某曜日。
晴れ 時々 晴れ。
特売品で安くなっていた“ひとくち餃子”(生タイプ)を買ってきて家で焼いた。表面は飴色で全体はふっくらとした焼き上がり、うむ、我ながら上々の出来映えだ。
ひとくち食べる。
むむっ!この、舌に絡みつくような甘さは…
どうやら私が買って来たのは“ひとくち生餃子”ではなく、“生八ツ橋”だったようだ。ラー油と八ツ橋は合わない。私は改めてそれを知った。
それにしても…
食器棚の中にあった“お皿”が全てなくなっているのは何故だろう?
―――――――
某月某日 クラゲ曜日。
雨 時々 イベリコ豚。
パグみたいな顔をしたオジサンが、福山雅治みたいな顔をした犬を散歩していた。そんな様子を塀の上から、ケビンコスナーのような顔をした猫が見ていた。
う〜む、なかなか上手くマッチしないものだな…。
家へ戻ると、食器棚がなくなっていた。
何故?
―――――――
某月某日 シーモンキー曜日。
曇り 時々 マッチョマン。
押し入れの奥から、30年前のガンプラの箱が出てきたので、久しぶりに作ってみようと箱を開けたら、中に入っていたのはプラモデルではなく、出しそびれたラブレターの山だった。
さらば、ジオング!
そして…
さらば、私の初恋!
因みに、ガンプラとは“ガンダムのプラモデル”の事で、“ガンコ爺のプライベート映像”ではない。
そんな事より…
部屋の中に冷蔵庫が見当たらないのは、明らかにおかしい。
―――――――
某月某日 モンダミン曜日。
晴れ 時々 よろしくメカドック。
ナポリタンの“タン”と牛タンの“タン”は、全くの別物だという事を、恥ずかしながら、つい30秒ほど前に知った。
ところで…
日差しが眩しいのでカーテンを閉めようとした時、昨日まであったはずの“お花畑カーテン”が何時の間にか無くなっていのに気づいた。
いよいよもって、これはおかしい…。
―――――――
★結末は追記にて★
話題:過去
昔こんな事があった。
もう、何十年前も前の話だ…
小学校の運動会の二人三脚競争。クラスの総人数が奇数だったせいで、私だけパートナーが見つからず、仕方なく理科室から連れて来た【人体模型の人形】と脚を結んで参加した事があった。
走っている最中、パートナーは内臓が落っこちたり脳みそが落っこちたりと、それはもう大変だったが、なんとか無事にゴールテープを切る事が出来たのだった。
懐かしい思い出。
彼がまだ現役で頑張っている事に期待して、今度久しぶりに学校に会いに行ってみようと思う。
☆
それから、こんな事もあった…。
大学の授業の帰り、軽く小腹がすいたので駅の立ち食い蕎麦屋に入り、ボケーッとした顔で【とろろ昆布蕎麦】を食べていると、風景がフラッシュして、私の体は【モナコ国王主催の晩餐会】の会場へとテレポーテーション(瞬間移動)してしまった。
そして、並み居る世界各国のVIP達が豪華なフルコースディナーに舌堤みを打つ中、私は一人【とろろ昆布蕎麦】を立ったまま食べ続けたのだった。
幸い、私が蕎麦を食べ終わると同時に再び瞬間移動して、元の立ち食い蕎麦屋に戻ったから良かったようなものの…いま思い出しても、あれは本当にヒヤッとする経験だった。
☆続きは追記ページにて♪
話題:ショートショート
ラーメン屋「嚔嚔軒」は少し前までは、閑古鳥が鳴く店として大評判の不人気店であった。
事実、店の看板に書かれた“ラーメン屋”の文字も長年の風雨でペンキがところどころ剥がれ落ちて“フーノン屋”となっているにも関わらず、一向に書き直される気配もなく、そこには、やる気も活気も全くといって良いほど感じられなかった。
(このままでは、じきに“ノーノノ屋”にまで落ちぶれるに違いない)
店を知る誰もがそう思っていた。
それが…或る日を境に、味がガラッと変わり、瞬く間に超人気店へと変身したのである。
何が変わったのかと言えば、それはズバリ、スープの味だ。
以前のスープは、例えるなら…「長期の旅行から帰って来て、玄関を開けた時にム〜ンと漂ってくる家の中のカビ臭い匂い」…の様な味であったが、新しいスープは、これとは全く異なる絶妙な味であった。
動物系の様でもあり魚介系の様でもあるが、ガチョ―ン!とくるインパクトは【タニ系】にも思える。
こうなると当然、ライバル店の店主達も気が気ではない。こっそりと味の秘密を探りに何度も足を運ぶのだが、一向にして秘密を掴む事は出来なかった。
使用しているガラは豚骨なのか牛骨なのか、或いは象骨(象牙)、ライオン骨、トリケラトプス骨、鉄骨…ライバル店主達が幾ら考えても答えは見つからなかった。
そんな折り、「嚔嚔軒大繁盛」のあおりを受けて極端に経営が悪化した近くのラーメン屋「北斗の軒」の店主【健 四郎】氏がついに掟破りの手段に出たのだった。
深夜、「嚔嚔軒」の厨房に忍び込み、スープの作り方を盗むべく、ビデオを回したのである。
健氏は両手足に吸盤をつけ、ヤモリの様に天井に張り付きながら、ひたすらにビデオキャメラを回し続けた。
時折り、健氏の口から チロチロと舌が出ていたのは、氏が身も心も爬虫類になり切っていたからである。そして、健氏の目論見はまんまと成功を収めたのである。
さて、問題のテープの内容であるが、それは衝撃的、かつ非常にベタなものだった…。
話題:名言
我々は【存在しない物たち】を求めて世界中を旅し続ける妄想の探検隊、その名も《ないない探検隊》である。
しかしながら、“存在しない”という事は、同時に“無存在としての存在証明”である事を忘れてはならない。
それでは此処に、我々が旅路において発見するに至った【存在しない物たち】を《報告書》という形で上げさせて頂く事としよう。
━ないない探検隊━
《第1次報告書》
《報告@》
回転寿司の台頭を腹立たしく思っていた頑固一徹で曲がった事が大嫌いな老舗寿司屋の職人が、寿司ネタを載せたコンベアが一方通行で進む【直進寿司】を立ち上げたが、大赤字に終わった。
《報告A》
廊下を走ってはいけないという校則がある理由は、文字通り、“廊下を走る”行為により“老化が加速される”からだという事が判明した。校則には校則たるべき理由がちゃんとあるのだ。
《報告B》
やけに“二の腕マッチョ”な小学生が多いと思っていたら、案の定、その生徒たちの通う小学校の渡り廊下は“雲梯”になっていた。
《報告C》
入院した時よりも明らかに顔色が悪くなっている患者に半ば無理やり退院許可を与えたのは、その患者が既にゾンビになっていたからである…という院長の主張が裁判で認められた事を不服として【ゾンビ弁護団】は最高裁に上告する考えを示したのである。
《報告D》
ぬか味噌に三日三晩漬け込んだ靴下を履くと、自分の足の臭いが全く気にならなくなる事が、国立衛生研究所の実験により明らかにされた途端、全国でぬか味噌が飛ぶように売れた。
《報告E》
テクマクマヤコン
テクマクマヤコン
血糖値さ〜が〜れ♪
甘い物を食べ続けて熟年の域に達した《ひみつのアッコちゃん》が初めて放った“夢のない魔法”を、我々《ないない探検隊》は確かに聴いた。
《報告F》
地球上の物質で最も硬い物は今まで言われていたダイヤモンドではなく、実は“小倉〇昭さんのヅラ”だという事が【特ダネ!】で明らかにされた。
今回の報告は以上であるが、年明けでもある事だし、最後は実在する名言で締め括りたいと思う…。
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道端の瓦礫の中から 黄金を拾い出すというよりも
むしろ 瓦礫そのものが黄金の仮装であった事を見破る者は詩人である
《高村光太郎》
―――――――
終わり。