話題:SS
町村の去った取調室に一人残った仁来は、【EMMA】のデータチェックと云いながら、肝心のウソ発見器には目もくれずに白衣のポケットから携帯電話を取り出すと、通話ボタンを押した。
『内閣危機管理室の佐々岡さんに繋いで頂きたい…』
その数十秒後。
『佐々岡だが…』
『防衛省特秘1課の仁来と申します』
『ああ、仁来君か。名前は聞いている。で、どうした?』
『はい、ふた月程前に起きた【高尾山中の時空場の歪み】に関する件なのですが…』
『待て。この電話、大丈夫なのか?』
『はい、私の携帯は特殊なスクランブルが掛かっているので傍受される心配はありません』
『…判った、続けてくれ』
『例の時空場の乱れが確認された後、都内で不可解な連続窃盗事件が発生し始めた事は以前ご報告致したかと思います』
『うむ、その話は聞いている』
『それから、うちと科学技術省が共同開発した最新型ウソ発見器【EMMA】の事も…』
『勿論だ。【EMMA】を実践の場で使用出来るよう、警視庁や警察庁、検察庁に働きかけたのは私だからな』
『そうでしたか…感謝致します』
『まあ、それはいい。…それで何か判ったのか?』
『はい。それがどうやら…我々の推測通り、問題の窃盗犯は…』
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