話題:部活

中学の時の部活?

何で突然そんな事お聞きになるんですか?

…えっ、[中学時代の部活と歯周病の関係]を調べてらっしゃる、と。

そんなもの関係あるんですか?

ん?“関係があるかどうか”も含めて調べてらっしゃる…はぁ、何か判るような判らないような…まあ、それはいいです。で、何でしたっけ…ああ、そうだ、部活、部活ね。

ええ、入ってましたよ。一応は。

…ふにゃ?“一応”という言葉が引っ掛かると?

いやいや、大した意味はないんです。“一応”って言ったのは、まあその、何ていうかその、要は活動した記憶が全くないからなんですよ。記憶と同時に記録もないんですがね。「一応、所属はしていた」と、ま、そんなところです。

いやね、本当は野球部に入る予定でね。実際、仮入部までしてヤル気満々だったんですけど…最初の練習中に肩をやっちゃいましてね…。

いえ、腱を切ったとかじゃなくて…ツベルクリン注射の跡が前よりクッキリして来たような気がして…それが気になって思い切り投げられなくなっちゃったんですよ。痛みとかは全く無かったんですがね、あくまで精神的な問題です。まあ、多感な年頃なので…皆そんな感じじゃないですか?

で、そんな感じで不可抗力によって野球に挫折してしまった私は、完全に意気消沈しちゃいましてね、部活はもう出来るだけ目立たない物を選んで中学の3年間はひっそりと過ごそうと…まあ、そんな風に思った訳です。

こうして私の“地味な部活”探しが始まったのですけど…そこで或る部活の存在を知ったのです。

この部、どういう部なのか活動実態がまるで判らない奇妙な部活でしてね…何が奇妙かって、部室に誰も入った事がないという…ね、おかしな話でしょう?何でも創立年から存在する部活らしいのに、歴代の部員で部室に足を踏み入れた者は只の一人も居ない。ええ、そうですよ、顧問の先生もです。

因みにその部室、[開けずの部室]って呼ばれてましてね…いや、違います違います、“開かずの部室”じゃなくて[開けずの部室]です。開けようと思えば何時でも開けられるんです。鍵かかってませんから。

でも、誰も開けない。開けてはいけない。そういう部室なんですね。ああ、勿論、それでも開けて中に入ろうとする奴は何人か居ましたよ。たいていシャバ僧なんですけどね、そういう奴らは。え、シャバ憎を知らない?あちゃー…いや、昔はそう言ったんですよ。すみません、今のは忘れて下さい。

で…そうそう…その入ろうとした奴らなんですけど…結局は全滅でした。しかも、奴らは部室に入れなかった理由を話そうとしないんです。明らかに怯えた口ぶりで『ボブが!』とか『ジョナサンが!』とか訳の判らない事を言うばかりで、それ以上は頑として何も喋ろうとしないんですよ。

部室の中には恐らく外人が居るに違いない。其処までは皆、想像がついてました。しかし…

それ以上の事は結局判らなかった…。多分、今も状況は同じなんじゃないでしょうか。

とまあ、そんな訳で…願い通り、中学の3年間はこれ以上ないくらい静かな部活ライフが送れたと…そういう次第で。

いやいや、お陰様で色々と懐かしく思い出しました。…部室のドアにずーっと掛けられていたお札の事とか。今にして思えばアレ、魔除けのお札だったのかなあ、なんて気もします。

えっ、部活の名前?

あれ、言ってませんでしたっけ?

ああ、私とした事が…いやはや何ともお恥ずかしい限りで…。

部活の名前はですね…



【ドント・ディスタ部】



ですよ。



あ、それから…部室のドアに掛けられてたお札、確か『Don't disturb !!』…そう書かれていたと思います、はい。意味は判りません。古代の象形文字なんじゃないですかね。

私の話はこれで終わりですけど…お役にたてたなら嬉しいです。あ、そうそう…肩のツベルクリン注射の跡はお陰様で卒業と同時に消えました。


〜終わり〜。

【カテゴリ】ダジャレ・ヌーボー。