駄洒落の国。


話題:おやじギャグとか言ってみたら?

「駄洒落の国」

コウチョウ(校長)はいつもコウチョウ(好調)で顔はコウチョウ(紅潮)し、フチョウ(婦長)はフチョウ(不調)、ブチョウ(部長)は常にブッチョウ(仏頂)面で、ソンチョウ(村長)の意見は誰よりもソンチョウ(ソンチョウ)される。そしてチョウチョウ(町長)はチョウチョウ(蝶々)となって旅立った。

サイン‐コサイン‐コイサンマン。

リョウシ(漁師)が語るリョウシ(量子)論。ミルコを見る子はミル貝見るかい?アサリ(浅蜊)の料理はアッサリ味で、シジミ(蜆)見つめてシミジミ(染々)と。ホタテを食うならホッタテ(掘っ立て)小屋で。

サイン‐コサイン‐ゴーサイン。

そのイド(井戸)のイド(緯度)。ナンド(何度)もナンド(何度)もナンド(納戸)を開け閉め。ウチワ(団扇)を巡ってウチワ(内輪)揉め。モメン(木綿)豆腐じゃ誰もモメン(揉めん)。カロウ(家老)がカロウ(過労)でバタンQ。ヒメ(姫)のヒメ(秘め)たるオモイ(想い)はオモイ(重い)。

サイン‐コサイン‐コザカシイ。

出前のザルソバ(ざる蕎麦)サルノソバ(猿の側)。シカイシカイノシカイハイシカイ?(歯科医師会の司会は医師かい?)。アイ・ハブ(have )・ア・ハブ(蛇).アイ・ウォンチュー(want you )オンチュー(御中)見舞い.サッカ(作家)サッカーでサッカ(擦禍)症。

サイン・コサイン・コムサデモード

ケサ(今朝)のケサ(袈裟)。そこのトリニク(鶏肉)トリニクイ(取り難い)けどトリニイク(取りに行く)。
シメジばかりじゃシメシ(示し)が付かぬ。あとはマツタケ(松茸)マツダケ(待つだけ)だ。パーマのトチュウ(途中)でトチュウ(杜仲)茶飲んで、マイタケ(巻いた毛)のままマイタケ(舞茸)食べる。

サイン‐コサイン‐コサカイカズキ氏

ヒトミ(瞳)を伏せるヒトミ(人見)知り。ロクオン(録音)機材にロックオン(Rock on)。オフ会の食事はオフ(お麩)かい?ドラムを叩くドラムスコ(どら息子)。メガ(目が)メガサイズでミミ(耳)はみみっちい。ジュウニシチョウ(十二指腸)をジユウニシチョウ(自由に視聴)。フカ(府下)におけるフカ(鱶)のフカ(孵化)はフカ(負荷)が大きくフカ(不可)とする。もちろん、カ(蚊)はカ(可)。カフカはカ(可)もなくフカ(不可)もなし。

サイン‐コサイン‐コサンシショウ(小さん師匠)。

■■■■■■■

この世の何処かにあるといわれる「駄洒落の国」。世界的名門ダッジ・アレイ高等学院に依ると、三蔵法師一行が目指したのも天竺ではなく「駄洒落の国」であるという。この「駄洒落の国」に関しては今後もダッジ・アレイ高等学院の研究を待ちたいところである。

〜おしまひ〜。

お悩み相談室R部活(学校)さがし編。


話題:おやじギャグとか言ってみたら?



◆◆◆部活さがし編◆◆◆

お悩み相談室に一枚の葉書が届いた。

***

来春、高校生になる中3の男子です。名前は―そうですね、仮にジャスティン・ビーバーエアコンとでもしておきましょうか―で、本題の悩みですが、どこの高校に行くべきか迷っています。中学では部活をやっていなかったので、高校では何かしらやりたいと思っているのですが、メジャーなものではなく出来るだけマイナーな部活に入りたいのです。

宇宙の97%を理解している(という噂の)ムーチョス玉峰さんに相談です。他にはない奇妙珍妙な部活のある高校を教えて頂けないでしょうか。どうか宜しくお願い致します。ムーチョスさんなら当然ご存知ですよね。


◆◆ムーチョスさんの回答◆◆


勿論知ってます。何せ私は、中学高校の6年間で4827回も転校してますからね。中には2秒しか在籍していなかった学校もあるぐらい。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」じゃないけれども、それだけの数をこなしていると風変わりな学校にも当たるわけです。

して、本題の部活。珍妙な部活のある高校と言えば、やっぱり、1506回目の転校で入学した《聖ダッジ・アレイ高等学院》がその筆頭でしょう。

普通、部活の花形と言えば、体育会系ならバスケ、野球、サッカー、ラグビー、陸上部、文化系なら軽音楽、吹奏楽部あたりだと思うけれども、この《聖ダッジ・アレイ高等学院》にはそういう人気のある部活は一つもありませんでした。

と言うより、普通の部活は一切なく、あるのは奇妙奇天烈な部活ばかり。生徒は仕方なくその変な部活の中から選ぶ訳です。勿論、私もその一人。まずは手探りで恐る恐る仮入部から始めるのだけれども、まず最初に覗いた部室は部屋の中から甘辛いような香ばしい匂いが漂って来る部活でした。何部かなと思って聞いたら……

【シシカバ部】でした。部屋の中で鉄串に肉や野菜をグサグサ刺してワイルドにバーベキューをやるのです。悪くない部活でしたが、とにかく煙たくて目が痛くなるし、服に匂いはつくし、毎日シシカバブーばかりで胃もたれがキツくなり、仮入部だけで辞めました。

次に入ったのは【リザー部】。これは色々な店にひたすら予約を入れまくる部活です。で、予約だけ入れて直前にキャンセル、その繰り返し。部費の殆どはキャンセル料に充てられます。何が楽しいのか全く解らない部活でした。

お次は、落下、或いは飛んでくるあらゆる物体を体を回転させながら腕で受け返す【回転レシー部】。主な活動は、例えば、秋から冬などは主に街路樹の下で待ち構えて落ちてくる枯れ葉を回転しながらレシーブで返すとか、そういう感じです。強風の日などは壊れた傘とか看板が飛んでくるので本当に大変でした。中には落雷を回転レシーブで返した猛者もいるとの話。身が持たなそうなのでこれもすぐ辞めました。

そのあと入部したのは【ペッパー警部】という昭和生まれには懐かしい名前の部です。活動内容は主に夕夜の公園でイチャつくカップルの邪魔をして回るというもの。これまた酷い部活でした。

と、ここまで見てきたように《聖ダッジ・アレイ高等学院》の部活は常軌を逸したものばかり。いきなり暗い表情で「どうせ冷やかしでしょ。仮入部だけで辞めるの判ってるんだから」と人のヤル気をなくすような事を言ってきたのは【ネガティ部】で部室の奥の壁には[お先真っ暗]という書が標語のように掲げられていました。

光と陰が一対で存在するように【ネガティ部】の真向かいには【ポジティ部】の部室があって、部員たちの表情は明るいし、これは一見良さそうに見えるのだけれども、部員の平均年齢は驚きの38才。皆ことごとく留年を重ねているそうで、とても高校生の集団とは思えないルックスでした。部長に至っては何と59才との事。それでも、「このつらい経験は必ずや大人になってから活きてくるはず」と前向きな明るさを失う事はない…のはポジティブで良いのだけれども、59才は、もう十分、大人だと思う。

「失礼しまーす!」と勢いよく部室のドアを開けた途端、室内にいる全員が一斉に「シーーーッ」と口に手をあて「ちょっと静かにして下さい!」と怒ってきた部もありました。

【ドントディスタ部】です。

シーーンと静まりかえる室内では誰も一言も口をきかず、物音一つしませんでした。2分で息が苦しくなり、そーっと退室しました。

似たような感じで更にキツかったのが【ドントムー部】です。一歩も動いてはいけないので、部室から出るのにも電話で誰かを呼び出して抱き抱えて運び出して貰わなければならないという、部外者にもはた迷惑な部活でした。

逆にひたすら身体を動かし続けなければならないのが【アクティ部】です。一瞬でも動きが止まれば即退部なので、それはそれで酷しい部活でした。同類のイケイケ系部活として【アグレッシ部】【イニシアチ部】などもありました。

あと、上手く説明出来そうにないのが【
デジャ部】です。どういう活動をしていたかと言うと……あれ、そう言えばこの話前にも何処かでしたような……。

それから、1ヶ月の部費が500万円というとんでもない部活もありました。名前はそのものズバリの【エクスペンシ部】。

その【エクスペンシ部】には姉妹部活があって、兼部している生徒も多いのだけれども、その部だけは建物が別棟、55階建てのヒルズ風マンションになっていました。駐車場にはポルシェにランボルギーニといった高級車がずらり。そこの部員たちはいつ見ても美容院に行きたてのような艶やかな髪で、服装もラフなのに妙に小ざっぱりしていて、何もつけていないのに体からムスクやフローラル、マリーンの香りが漂ってくるような、そんな独特の空気を持っていました。彼らこそは【ヤングエグゼクティ部】なのでした。

【ヤングエグゼクティ部】の駐車場にはスーパーカーたちに混じって、くたびれた古めかしいバイクが十数台ほど並んでいますが、これは【スーパーカ部】の部員たちの物です。

他にも、ひたすら何かを信じ続ける【ビリー部】や、何でも呪文で解決しようとする【ビビデバビデヴ部】、どんなに疲れている時でもシャワーだけで済ますのではなくちゃんと湯船に浸かる事を掟とする【バスタ部】、部室の日めくりカレンダーが常に12月24日を表示している【クリスマスイ部】、思い付きのみで行動する【アドリ部】、ひたすは立方体パズルをガチャガチャ回し続ける【ルービックキュー部】、丸い物に変な回転をかけて喜ぶ【王子サー部】、永遠の愛を追い求める【エンドレスラ部】など、変てこな部活は幾らでもありました。

中でも気味悪かったのは、部室のドアから人の頭が幾つかキノコみたいににょきにょき生え出している部で、「ここ何部ですか」と尋ねたら「見ての通り【ドアノ部】です。入りたい時は誰かの頭をひねって下さい」と。勿論、入りませんでした。

最終的に私が入ったのは、校内でも街角でも、良い仕事や良い働き(道端のゴミを拾ったり、困っている人に手を差しのべたり)をしている人を見かけたら、親指をぐっと突き立てて「よくやった!」と賞賛を贈る【グッ(ド)ジョ部】です。

私が《聖ダッジ・アレイ高等学院》に居たのは僅か2ヶ月足らずでしたが、それでもこれだけの変わった部活を経験する事が出来ました。ジャスティン・ビーバーエアコンさんのご希望に十分添える学校だと思うので願書を取り寄せてみては如何でしょうか。

なお、学院の名前であるダッジ・アレイはダッジアレイ……ダッジァレイ……ダジァレ……ダジャレ!の事で、それで部活が全部駄洒落になっているという事に気が付いたのは、転校して学院を去った後でした。


〜おしまひ〜。


あはれ、球場の秋もいぬめり。


話題:おやじギャグとか言ってみたら?



その瞬間、球場の大歓声は悲鳴へと変わった。

0対0。息詰まる投手戦の続く7回裏、ツーアウト満塁。長崎チャンポンズの主砲の放ったセンターバックスクリーンへの大飛球を中堅手(センター)を守っていた私が、ジャンプ一番、グラブに収めるも、そのままフェンスに激突したのだ。

グラウンドに倒れ込む私の元に右翼手(ライト)と左翼手(レフト)、少し遅れて二塁の塁審が駆けつける。

「おい、大丈夫か?」「ああ」。激突の衝撃は相当なものだったが、意識ははっきりしている。頭は打っていないようだ。これなら大丈夫。私は立ち上がろうとした。が、瞬間、足首に激痛が走り、再びグラウンドに崩れ落ちてしまった。

ジャンプしてフェンスに激突した後、着地する際に足首をひねったに違いない。この痛みからすると最低でも捻挫以上、もしかしたら骨折やアキレス腱の断裂まであるかも知れない。

ベンチまで歩いて帰るのは恐らく無理だ。「どうだ、歩けそうか?」「いや、ちょっと無理っぽい」。私は自分の足首を指差した。「判った」。状態を理解した外野手の二人がベンチに向かって大きく両腕でバツ印を作ってみせた。これは、ダメ(歩いて帰るのは無理)なので救助を要請するという意味のサインだ。

それを受けてベンチから今日が初仕事となる新米トレーナーと数人が飛び出して来る。ユニフォームを着ていないところを見ると、球団あるいは球場付きの救護班だろう。

大観衆の衆目にさらされながらベンチまで担がれるのは非常にカッコ悪いが、無理なものは逆立ちしても無理、背に腹は変えられない。ドームの照明を受けてエメラルド色に輝く人工芝に横たわったまま上体だけを起こした格好で彼らを待った。

程なく到着したトレーナーはすぐさま私の足首の状態を診察……すると思いきや何故か懐からスマホを取り出し、画面を私に向けて見せた。ドームの天井カメラがスマホの画面を捉え、バックスクリーンのオーロラビジョンに大々的に映し出す。

【奥山に もみぢ踏みわけ 啼く鹿の 声きく時ぞ 秋はかなしき】

謎すぎる事態にシーンと静まりかえる2億人(主催者発表の数字)の大観衆。もちろん、私や駆けつけた外野手二人、二塁塁審も訳が判らずポカーンとしていた。

猿丸太夫の歌をスマホで見せながら「大丈夫ですか?」と訊いてくる新米トレーナー。むしろ逆に「貴方こそ大丈夫ですか?」と私は訊きたかった。この状況で百人一首はどう考えてもおかしい。世界感で言うなら野球というよりは蹴鞠だろう。

トレーナーの太い指がスマホの画面をスライドさせると次の一首が現れた。

【契りおきし させもが露を 命みて あはれ今年の 秋もいぬめり】

その様子が再びオーロラビジョンの大スクリーンに映し出される。「おおーーっ!」訳が判らないままどよめく大観衆。

その時、突如として私に来雷が走った。閃き、謎に対する一つ解答。もしかして、もしかすると……

「もしかして、これ、タン……」

「はい。監督さんからタンカ用意して持って行けと言われたので、こうして短歌持って来ましたけど、これで良かったですか?」

「ああ、タンカってそのタンカじゃなくて……」

「あっ、百人一首じゃ古すぎましたか?すみません、僕、今日が初仕事で、もう緊張してわけ判らなくなっちゃって。やっぱり、こういう古いのじゃなくて現代短歌の方が良かったですよね、俵万智さんとか穂村弘くんとか」

いや、そういう問題ではないのだが……。

「橘高さん、判定お願いします」。オーロラビジョンに二塁塁審・橘高さんの姿が大きく映し出される。橘高さんは新米トレーナーに向かって試合では見せないような派手なアクションで言い放った。

「アウトーーーーーっ!!」



〜【定本・ダジャレ三球三振】より抜粋〜。

おしまひ。


夏のピリ辛ダジャレをどうぞ。


話題:おやじギャグとか言ってみたら?



昼下がりの街を歩いていると、不意に突き刺さるような気配を背中に感じた。

(誰かに見られている!)

慌てて振り返ると、街角に佇む女の姿が其処にあった。夏の陽射しを反射して煌めくショーウインドウのガラス窓。もたれ掛かるようにして立つ女は、モデルのような体つきで、大きすぎるサングラスが顔からはみ出していた。そして両手に丼のような形をした物を持っていた。

知らない女だ。が、気配の元が彼女である事は間違いない。私はつかつかと女に歩みよると、何故私の事を凝視するのか、とやんわり問い正した。

私の問いかけに彼女は口許だけで微笑み、「それは貴方の誤解ですわ」と言った。そして手に持っている丼の中を私に見せた。

担々麺だった。それもかなり辛そうな色をしている。少し顔を近づけただけで花椒の強烈な香りが鼻をついてくる。どうやら本場の担々麺であるらしい。と同時に私は事を理解していた。

そう、彼女に言う通り、全ては私の誤解だったのだ。私は確かに背中に突き刺さるような“視線”を感じた。が、それは実は“視線”ではなく“四川”だったというわけだ。本場・四川の担々麺だったからこそ起った誤解と言えるだろう。私は女に非礼を詫びてその場を去ったのだった。

彼女が何故、担々麺を持って夏の街角に佇んでいたのかは判らない。人にはそれぞれ他人には判らぬ事情というものもあるだろう。もしかしたらそれは遠い昔に交わした花椒香る大切な約束なのかも知れない。その答えを知るのは、彼女の手の上、担々麺の海にプンカプンカと浮かんでいる挽き肉とチンゲン菜、ラー油の油だけなのだろう……。



〜《読んだら直ぐに忘れたい・暁のダジャレ大全集》より抜粋〜。

じっくりコトコト煮込まなくとも。


話題:おやじギャグとか言ってみたら?


あまり知られていない日本各地の伝統的な郷土料理を、是非とも皆様のご家庭にお届けしたい。そんな一念で立ち上げた当ブログは、初志貫徹の言葉通り、ひたすらな迄に田舎料理の紹介に徹して参りました。

今回ご紹介しますのは、N県とY県の県境に存在する古(いえしえ)の隠れ里に伝わるちょっと不思議な煮物料理です。こういう古(いえしえ)の土地の伝統料理には総じて古代祭礼の“儀式”の名残が含まれている事が多く、それを私たち郷土料理研究家は《いにしえ〜しょん》と呼んでいるのですが――と言う、如何にも書いている最中に思いつき、慌てて付け足したような駄洒落はさて置きまして――兎にも角にも、今回登場する煮物にも確かにそういう謎めいた部分が含まれいる訳です。

とは言うものの、料理自体は極めてシンプル。いえ、もはやシンプルと呼ぶ事すら烏滸(おこ)がましい程の素朴さ、単純さ、やる気なさ、金鳥サッサ、ホイサッサ、お猿の駕籠屋だ、ホイサッサ、正直、手抜きいとしか思えないぐらいです。どれほどやる気が無いかと言いますと、先ず第一に【具材は何でも構わない】。そして第二に【出汁は何でも構わない。いざとなったら白湯でも良い】。更に三番目として【調味料は何でも構わない。もちろん無くても大丈夫】が続きます。

果たして、このような物が料理と呼べるのでしょうか?

はい、呼べるのです。

そこで注目されるのが、先に述べた“ただ一点のこだわり”です。それはズバリ食材の切り方にあります。鍋の中に入れる食材は肉でも野菜でも練り物でも何でも構いませんが、『必ず三角形に切ってから入れなければならない』、そういう絶対的な掟が存在するのです。正三角形でも二等辺三角形でも大まかな感じで構いませんが、兎に角、具の形は三角形を厳守してあとはそれを煮込むだけ。それが、この郷土料理の謎めいた部分であり、同時に全てでもあるのです。

この料理がいつどのようにして生まれたのかは残念ながら全く判っておりません。ただ、この深山幽谷の隠れ里には古くから謎の〈三角形信仰〉が存在しており、恐らくはそれと密接な関係があるだろうと言われております。この地に今も息づく〈三角形信仰〉。例えば、自転車の乗り方は老若男女問わず三角乗りが一般的ですし、骨折などしていなくとも三角巾で腕を吊るすのは定番のファッションとして推奨されています。里の名産品も三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)と、これまた〈三角形信仰〉に深く繋がるものとなっております。ちなみに男女間の恋愛はことごとく三角関係に発展します。

さて、本来ならば更に詳しく書き連ねたいところですが、残念ながら、この料理は、これ以上説明のしようがありません。という事で、そろそろ〆させて頂こうと存じますが、この料理を作る際の唯一のアドバイスとしては、やはり、三角に切りやすい食材を選ぶ事でしょうか。最初から三角になっているドンタ〇スやポリン〇ーなどがお薦めです。

殆んど魅力を感じない料理ではありますが、この里の子供たちが異様な迄に三角関数に強いのはこの三角尽くしの煮物を食べているからだ、との話もあるなど、多少の御利益が期待出来ますし、何よりも冷蔵庫の残り物で簡単に作れる手軽さがありますので、皆様も是非一度お試しになられてみては如何でしょうか。それでは、いくらか物足りない感じもありますが、本日はこの辺で失礼させて頂きます……。

次回の郷土料理(予定)。

「名古屋コーチャンの老眼鏡日光集め焼き」

〜おわり〜


あ、すみません。肝心な事を言い忘れておりました。この、隠れ里に伝わる煮物料理の名前。それをお伝えしなければなりません。危うくすべてが水の泡と化すところでした。神秘のトライアングル料理。鍋の中、ひたすら三角形が並ぶ謎の煮物の名前は……


【ていへんかけるたかさわる煮】
(底辺×高さ÷煮)

そう呼ばれております。


……ああ、ああ、どうか、そんな風に目を三角にして(怒ったような目で)見つめないで下さいまし。


▲オマケ▲

「わしが歩いといたら、おデブの白鳥が追いかけてきて、たいへんなコトになったべが」

夏の夜空を飾る星座、夏の大三角(星)の語呂合わせ的覚え方です。ワシ座のアルタイル、白鳥座のデネブ、琴座のベガ。皆様も夏の夜空にひときわ強く輝く三つ星の大三角を探してみては如何でしょうか。

歩いといたら→アルタイル、ここが少しキツいところですけど、まあ、そこは、「アルタイルさんに千点!」という事で。あ、アルタイルではなく「ハラタイラさんに千点!」でしたっけ。


〜おしまい〜。

カテゴリ:結果にコミットする【ダジャレヌーヴォー】。

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