未知との遭遇(夏)。


話題:写真日記

夏のとある日、少年の面影を未だ残すパナマ帽の男が川の土手をぶらぶらと散歩していた。

何故、男は誰一人として歩く者がいない、そんな夏草生い茂るような場所を歩いているのか?

そこに答えはない。

強いて云うなら、川の上を歩く事は出来ないから川の横の土手を歩いている、そういったテイストである。

何の目的も無く、ただひたすら歩き続けていた男の足が、ある場所に差しかかったところでピタリと止まった。

男の視線が川の淵の一点を捕らえる。が、そこは周囲と同じくただ夏の草が混沌と生い茂っているだけだった。

にも関わらず、男は視線の先へと歩を進めてゆく。どうやら男は、霊感ヤマ感第六感で其処に何かを感じ取ったらしい。

すると、案の定、其処には妙な穴があったのである。

男が呟く。『ついに、地底王国シャンバラへの入り口を発見してしまった…』

だが、それはとても小さな穴であった。男は膝をついて中を覗き込んだが、暗くて何も見えない。しかし、明らかに何かが居る。そんな気配がする。もしや、シャンバラの王が…

再び中を覗き込むが、やはり暗くてダメだ。男は考えた。この大きさならギリギリ、携帯を差し入れる事は出来そうだ。そこで、携帯のカメラとライトを作動させ、手に持ったまま、穴の中に突っ込み、勘たけでシャッターを切った。

そして、携帯と手を穴から引き抜き画像を確認する。

フッ…。

男の口からペパーミントの吐息が零れる。

どうやら…

ここはシャンバラへの入り口ではなかったようだ。

そして、パナマ帽を少し目深にかぶり直すと再び川のほとりを歩き出したのだった…。



《追記にプチ後書き》。




 



more...

(相田みつを風)真夏の夜の五輪ピック短想。


話題:オリンピック
 



地球から4光年離れた星に居るとして、そこから眺める地球ではロンドンオリンピックじゃあなくて、北京オリンピックの真っ最中なんだよなあ〜。




水泳の自由型って、クロールばっかで、ちっとも自由じゃねぇなあ。足を前にして泳いだって構わねぇんだよ。




【銅メダル】が“金と同じ”メダルって云う人の【胴体】はきっと“月と同じ”なんだろうなあ。



あんまりメダルメダルばかり云うと、名前を呼ばれたと勘違いしてメバルが寄ってくるぞ。





目は口ほどに物を云い、ってね。朝、目を真っ赤にしながら出社してくるやつは、徹夜でオリンピックを観てたってすぐ判るんだなあ。




地味でもいい、微妙でもいい、なんかクネクネしててもいい…

競歩だもの。







《終わりだもの》。





相田さん…

ゴメンちゃい♪(´▽`;)ゞ

 



手動式バリカンによる夏の刈り上げポエム(少しだけダダ)。


話題:髪型
 

刈り上げた襟足の青白さばかりを気にする男がインターネットでトミー・リー・ジョーンズに怒られて始まるマンハッタンの朝。

正しく刈り上げれば、朝顔に水をやりながらラジオ体操を踊る事が可能です。愛をもって刈り上げれば、自ら投げたネズミ花火に追い回されながらタップダンスを踊り続ける事も可能です。

ゼウスの頭をスポーツ刈りにしようとしたアポロンはポセイドンに怒られて、板橋区のスナックで独りイジケながら脂の乗った縞ホッケをつついている。

流しソーメンがあるなら、流しカレーライスがあってもいい。

スポーツ刈りで風を感じよ。

五分刈りで風の歌を聴け。

三分刈りで風の心を知れ。

刈り上げ頭を下から撫で上げる時、人は“刈り上げ”の真の価値を知るだろう。

“刈り上げ”の真の価値を知ったなら、アポロンの哀しみに涙せよ。トミー・リー・ジョーンズの説教に耳を傾けよ。ポセイドンの怒りに身を震わせよ。

お爺さんは山へ芝刈りには断じて行かず、刈り上げに行くのだとしたら…お爺さんは桃太郎をスポーツ刈りに、桃太郎は猿をスポーツ刈りに、猿は犬をスポーツ刈りに、犬はキジをスポーツ刈りに、キジは吉備団子をスポーツ刈りに、吉備団子は鬼をスポーツ刈りに、鬼はお婆さんをスポーツ刈りに…。

刈り上げた頭に真夏の太陽が落下する。

人は皆、心の中に自分だけのバリカンを一台ずつ持っていると云う。

さあ、今すぐにでも刈り上げよう!

魂のバリカンで!

夏を丸ごと刈り上げよう!!


 




★★★★


あ、別に壊れているわけではなくてですね…割りと冷静に書いているので大丈夫です♪どうか、ご心配なきよう♪(*´∇`*)

 

















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