話題:突発的文章・物語・詩
 

渚を駆けるボーダー・コリーの爽やかさで、見知らぬグループのスイカ割りに乱入したくなるような爽やかな夏の日です。

ハハレイシビリ君は、海の家の熊オヤジに『オメェに食わせるピロシキはねぇ!!』と言われ、泣きながらナホトカ漁港へ帰ってしまったけれど、空には綺麗なヘリコプター雲が浮かんでいて、波打ち際にはウガンダから流れ着いたコーラの空き瓶のメッセージボトルが転がっていました。

こんな素敵な夏の日、カキ氷のシロップは四川風麻婆豆腐で決まりです。

麻婆カキ氷を食べたなら、敢えて、お盆過ぎの海にザパァンと飛び込んでクラゲに刺されてみるのも良いでしょう。

砂浜に誰かが書いた【パエリアは夏の黄色い友達です】の指文字をプランクトンに染まる赤緑色の波が静かに洗い流す時分には、モロッコから活きの良い真ダコが空輸で届きます。

誰もいない防波堤の突端に食べかけのイカ焼そばがポツンと残されている…そんな印象派ふうの風景を金太郎飴に閉じ込めて、夏は秋へと駆け足で通り過ぎてゆくのでしょう。



【終わり】。


オマケ写真『見上げる夏の若葉たち』。