どうも先月末から飛鳥ブームみたいです。
また、ふいに思い浮かんだので書いてみました。
ちょっと恋愛風味の太妹をめざしました^^まだくっついてない。
[たのしむ]
「なー、妹子。ちょっと聞いてみたかったんだがな」
「はいはい、なんですか」
呼び出されて、くだらないことに付き合わされて、くだらない話をする。
これでもう何回目になるんだろう…
「妹子は辛いのと甘いの、どっちが好きだ?」
「どっちでも好きですよ」
「じゃあ、めっちゃ辛いのと、めっちゃ甘いのでは?」
「…変なもの食わせるつもりじゃないでしょうね」
「ギ、ギクーッ!そんなことはない、断じてない!」
目が泳いでいる…どうせ太子のことだから、変なものを入れたカレーとか、魚臭いのとか食わせるつもりなんだろうな。
いや、もっと変なものかも。僕の想像を越えたものを。
「…何ニヤニヤしてるんだ、妹子。楽しい?」
「ニ、ニヤニヤしてんのはアンタだろ!」
「そうか?まあいいけど、どっちも好きってことでいいんだな。りょーかい!」
「え!?何も言ってないよ!」
「知らん!摂政にニヤニヤした罰だ!」
「くっそー…」
おかしい。なんでそんなことでニヤニヤするんだ、僕は。
それじゃまるで、太子のおかしな言動を楽しんでるみたいじゃないか。
…ありえない。
「太子はどっちが好きなんですか?」
「ん?何か作ってくれるのか?」
「作るわけないでしょう!アンタが聞いてくるからですよ!まったくもう」
「そうだな…」
楽しんでる…のかな。
こうやって、変なことばかり言う上司とくだらない話をすることを。
「妹子だな!やっぱり!」
……
「どうした、妹子?目と口が面白いほど開いてるけど」
「太子…今言ったのってどういう意味ですか?」
「妹子って言ったの聞いてなかったのか?まったくお前は…」
…えーと。
いや、ないないない!!
「僕が何なんですか?意味によってはぶん殴りますよ」
「めっちゃ辛いのか、めっちゃ甘いのか…考えてみたけどどっちも好きじゃないし、よくわからない…それなら妹子が用意する方がいいな。妹子が食わせるもの次第ってことで…え、ぶん殴る?今物騒な言葉が聞こえたような…」
「…なるほど」
結局僕が食わせるという話になっている。
しかも、紛らわしい返し方までしやがる。
すっごいムカついてきた…
好きって何だよ。
僕が好きとかそんな…いや、太子ならあるいは…ないない!
「というわけで明日、妹子は私に何かとっておきの食べ物を持ってくるように!忘れたら変なもの食わせるぞ!」
「やっぱり変なものだった!」
『楽しんでるのかな』と考えたけど…違う。間違えた。
楽しくなんかない。ただ、騒がしいだけ。
…嫌じゃない、と思ってる自分が嫌になる。
ハァ…僕は今どんな顔してるんだろ。
「なんか最近顔赤いけど、勝手に風邪ひいて休むなよ。バカなんだから」
「それを言うなら『バカは風邪引かない』でしょう、バカ太子」
嘘だと思いたい。
end.
・・・・
素直になれない妹子と気づかない太子の話。