午前三時丑三つ時。
一護はベッドの上で片腕を投げ出し、深い眠りについていた。
一護の[トレードマーク]と言うべき眉間のシワは、平時よりは薄くなっていた。
そんな一護に怪しい影が近寄った。
その影は一護を覗き込むと、ふてぶてしく口角を上げ、一護の名を呼んだ。
「・・・一護!・・・一護。起きろ、一護っ!」
だが、一護は眠りを妨げる声を不快に思ったのか、先ほどまで薄かった眉間のシワがグッと深くなった。
再び「起きろ」という声を怪しい影が放つが、今度は頭上のハエを追い払うように両手を振り回し「うう・・・んっ」と嫌そうな声を上げた。
怪しい影はムッとすると、大きく息を吸い
「たわけっ!起きぬかっ!!」
その声に、眠りを強制的に排除された一護は、半覚醒状態のまま、ゆっくり瞼を開けると、網膜に黒い大きな物体が映った。
「!!」
一護は目を見開いた瞬間
叫びなが
「うおおぉぉっ!!!!」
ズサササッとベッドの隅にまで後退さった。
「・・・る、・・・ルキアッ!!」
目の前には[バイキンマン]宜しく、頭部には二本の触覚が生えている被り物し、全身はこれまた真っ黒に身を包んでいた。
「・・・な、何だ?その"カッコウ"は・・・」
未だに[心臓]のドキドキが止まぬ一護を他所に、ルキアはあっさりと
「[蟻]だ!」
「[蟻]・・・?」
一護はマジマジとルキアを観察した。
ルキアはグロスブラックの[チューブトップ]に、黒い[フィッシュネットトップス]に、グロスブラックの[パルーンパンツ]に、[網タイツ]、同じグロスブラックの[ショートブーツ]で、お尻には黒い楕円形の物体が、腰からぶら下がっていた。
ちなみにルキアの[パンツ]を見た一護は
「[提灯ブルマ]・・・?」
ボソッと思わず呟いた。
「・・・で、何で[蟻]なんだ?」
「うむっ」
ルキアは両手を腰に当て、意気揚々と
「ここの[管理人]曰く、本当は[蜂]にしようと思ったが[蜂]だと"砕蜂隊長"のイメージなので、[蟻]にしたそうだ」
「いや、そうじゃなくて。何で[蟻]の格好?」
「それはだな・・・」
ルキアは突如、真剣な顔になると
「ある意味、私が生まれて[BLEACH]が出来上がったものだ。つまり、全て私から"流出"したようなものだ・・・」
「いや、そうじゃなくて・・・、[蟻]なのって・・・?」
困惑の表情を浮かべる一護に
「[蟻]も[蜂]も、全ては"女王"から生まれてくる。そうゆう意味では、私がこの作品の[母親]ようなものだ・・・」
「ほんで?」
一護は半ば呆れ顔で聞き返すと、ルキアはビシッと一護を指差し
「つまり!貴様は私の[内分泌]から出来たようなものだ」
ルキアは勝ち誇った顔をすると
「言うなれば、"貴様"も"井上"も"藍染"も"ユーハバッハ"も"霊王"も全て私の[うんち]から生まれたものだ!」
「俺等がお前の[うんち]なら、てめーは俺の[前世](失敗作)の[糞]だろか・・・」
(もしくは"久保"の[糞])
一護は冷静に突っ込んだ。
(おしまい)
以下↓あとがき