聖なる夜はロマンチックを千切りで。

話題:夕焼け空

色の褪せてしまったものは、いつか再び色づく時を待っている。

断言してもいい。色は決して無くなったりはしない。

いや、色と云うのはあくまでも喩えであってね…

この世に在る全てのものは、絶対に失われたりなどしないんだ。

質量保存の法則からすればだよ…

今ここに在るものは必ずかつて在ったし、此れからも変わらず在り続ける。そういう事なのさ。

だから、この世に存在する全てのものは決して失われない…

いや、失おうと思っても失なう事など初めから出来はしない。

失われようが無いんだ。

だから大丈夫。

何も問題はない。


そう云いながら彼は、私の【ジャンボ海老フライ】に手を伸ばした。

あっ…

大丈夫。この【ジャンボ海老フライ】は宇宙が始まった瞬間にはもう存在していたし…

カリッ♪

此れからも永遠に在り続ける…

サクッ♪

だから君は安心して…

カリッカリッ♪サクサクッ♪

千切りキャベツを食べればいい。

ご馳走さまでした。




こうして、私の【ジャンボ海老フライ定食】は、永遠と云う名の残り香を仄かに漂わせながら、只の【千切りキャベツ定食】へと流転した。


Merry Christmas♪

愛すべき素敵な人たち
(それは貴方の事)

Merry Merry Christmas♪





 




最後の晩餐は仮想の外食で。


話題:2012年 人類滅亡説

マヤ文明とマッハ文朱。

何処となく似ているような、そうでもないような気がします。

そのせいか何なのか、取り敢えず世界が滅亡するような事は無かったようですが、そんな昨日、私はふと或る事を思いました。

『もしも確実に明日世界が滅びるとしたら、その前夜、つまり最後の晩餐は何を食べたいか?』

ところが、けっこうな時間考え込んだものの…恥ずかしながら、なかなか一つに絞れ切れません。

北島三郎さんなら『ちょいと、すし太郎』で決まりでしょうし、千葉真一さんも迷う事なく『ジャワカレー』と云うでしょう。はだかの大将は『お、おむすび、美味しいんだな♪』で即決ですし、武田鉄也さんも『赤いキツネと緑のタヌキ、デザートに腐ったミカン』と云う献立になる筈です。

正直どれも私にはピンと来ません。そこで、独自のネットワークを駆使して『最後の晩餐にはどんな物を食べたいですか?』と云うアンケート調査を一般市民に対して行ってみたことろ、最も多く寄せられた回答がこれでした…

『Ne znam japanski』

意味は“日本語よく判りません”。どうやら、日本語のアンケート用紙をクロアチア市民に送付したのが間違いだったようです。

そこで気を取り直し、改めて日本人に対して調査を行ってみました。その結果、【人生の最後に食べたい物・ベスト5】は以下の通りです。

第1位―豚足(からし酢味噌)6824人。

第2位―ベルギーワッフル(国産)3457人。

第3位― サスケ(幻の炭酸飲料)2955人。

第4位―コッペパンに付いてくる四角いマーガリン(給食用)1531人。

第5位―や、やっぱり、おむすびが好きなんだな♪(野に咲く花のように)1人。

独自の調査なので多少の偏りが存在する可能性はありますが、まずまず順当な結果だと思います。

ところが、これを受けても、正直まだピンと来るものがない…。要は選択肢が多すぎるのでしょう。特に、自宅で自由に食べるとなると選択肢の数は半端な物では無くなってしまいます。そうなると、何らかの“縛り”が必要となってきます。例えば…

【モンドセレクションで最高金賞を受賞した物に限る】など。

そこで、私が選んだ“縛り”は
【割りと一般的な外食産業の店舗メニューに限定する】と云うものでした。

例えば『マクダァーナルのフゥイ〜レオ・フゥイッシュゥ〜』とか、『吉野屋のザ・並盛り牛丼&ザ・お新香』とか。

今生の別れを飾る食事として、何処の店の何が相応しいのか!?

最後の夜に私は何処の店へ行くべきなのか!?

考えました。
考えに考えて考え抜きました。

出た答えはこうです…





『多分どの店も閉まってる』


滅亡しかかってる時に平然と営業してる一般的な外食店舗なんて、まず無いと思います。バイトの子だって出て来ないだろうし…。もし、店長が柴田恭平さんなら「関係ナイネッ!」とか云いつつ店を開けるかも知れませんが。

まあ、個人の店では意外と、普通にいつも通り店を開ける人も少なからず居そうな気もします。



そう云えば、名画【最後の晩餐】には或る人物の姿が隠されているらしいと云う噂が存在するのを御存じでしょうか?

ダ・ヴィンチが最後に描き足した“或る人物”…

それは驚くなかれ、何と、あの伴淳三郎さんだと云うのです。



最後の伴淳三郎さん…


略して、【最後のバンサン】。


では…また。


私家版『君の名は』(2012)。


話題:映画

忙しない年の瀬の、とある夜遅くの事。友人達との食事会(晩餐会)を終えて帰宅した母の、化粧を落とした顔を見た瞬間、私の脳裡をある思いが過った。

(むむむ、その顔は…有名人の誰かに似ているぞ)

が、しかし…それは私の頭の中で朧気な像を結ぶばかりで、誰に似ているのか、思い出せそうでなかなか思い出せない。そこで仕方なく、その旨を母に告げてみる。

母「えっ、誰に似てるって?」

「いや、それが…もう、その人の名前、喉の先まで出掛かってるんだけど…」

私「どれどれ…」

言いながら私の口の中を覗き込む。

母「…何にも見えないけど」

あ、あなたねぇ…そんなふうに直接肉眼で覗き込んだって“名前”が見えるはず無いでしょう。私は呆れながら言い返していた。

私「老眼なんだから眼鏡かけないと」

母は老眼鏡を掛け、再び私の口内を覗き込んだ。…ネタじゃないっスよ♪(長州小力ふうに)。

母「…やっぱり何も見えないけど」

私「そうかそうか。ポリープが出来てなくて本当に良かったよ、うん」

う〜ん、ポリープを入れない珈琲なんて…。あ、クリープか。と、わざとらしいフィクションを随所に織り交ぜながらも、“その名前”は容易には出て来ない。

私「ウ〜ン、誰だったかなあ…」

母「ちょっと、早く思い出してよ。気になるでしょう」

私「ウ〜ン…」

母「あ、もしかして【マドンナ】とか?」

素晴らしきアメリカンジョーク
の世界。

私「いや、違う」

母「じゃあ…【アラビアンナイトのシェラザード姫】かな?」

おいでイスタンブール。
人の気持ちはシュール。

《飛んでイスタンブール》庄野真代。1978年 日本コロムビアレコード。

私「逢った事はないけど、それも違う」

母「そうねぇ…だったら身近なところで【吉永小百合】さん?」

いや、それは…年齢が近いだけで…決して身近とは…。

私「残念だけど…」

母「判った!【カリオストロの城のクラリス】でしょ?」

ーーーーー

クラリス「でも…あの方は何も盗んでおりませんわ」

銭形「いいえー!ヤツはとんでもない物を盗んでいきましたー!」

クラリス「えっ?」

銭形「それは…貴女の“良識”です)キリッ!」

クラリス「まあ…」

銭形と警官隊、敬礼をした後、ルパンを追いかけて走り去って行く。

爺「なんと気持ちの良い人たちじゃ…あーりませんか♪」

クラリス「…チャーリー浜!」

ーーーーー

そんな茶番劇が終わった時だった…。突然、私はその名前を思い出した。

私「あっ!」

母「思い出した!?」

思い出した。化粧を落とした母の顔が似ているのは…








猿の惑星のコーネリアス。






母「…誰?」

私「…いや、思い出したと思ったんだけど、やっぱり思い出してなかった」

言える訳がない。

母「本当に?」

私「うん、本当に」

オオカミが来るぞー!
オオカミ王ロボも来るぞー!
子連れ狼も来るぞー!

萬屋錦之助「冥府魔道…」

言える訳がない。

母「…じゃあ、もう寝るけど…思い出したら教えてね」

私「判った。ジョニーが来たら伝えとく“二時間待ってだけど割りと元気よく出て行った”と」

母「ア・ドゥマン♪」

私「ア・ドゥマン♪」

また明日♪

ヤレヤレ…。私はホッと胸を撫で下ろした。

母はニワトリと同じで三歩あるくと忘れてしまうので、もう大丈夫だろう。お値段異常、ニワトリ。あ…お値段以上、ニトリか。

と、親父ギャグを言ってみても、母にとって私は永遠に子供。

口の先まで出掛かった“猿の惑星のコーネリアス”という言葉をグッと呑み込み、黙ってジッと手をみる。

これもまた、親孝行の一つの形なのだろう…。

それにしても…

疲れていなくて化粧をしている時はちょっと八千草薫さんっぽいのに、疲れている状態で化粧を落とすとコーネリアスになるとは…。

と、その時

激しい一条の雷が岩を砕いた!!

「アチャーーっ!」

岩の中から飛び出した影こそが、斉天大聖…つまりは孫悟空…すなわち堺正章…要はマチャアキであった…。

う〜ん、モンキーマジック。


【終わり】


爺「なんと気持ちの悪い終わり方じゃ…」



愛言葉は『オツカレサマデス』。

【オツカレサマ公園】は乙枯町(おつかれちょう)の中にある、とても大きな公園です。

この公園は名前の通り、様々な理由で疲れ果ててしまった人達が何処からともなくフラフラと集い寄り合う、疲労と困憊の《寄せ鍋フレンドパーク》です。仕事に疲れた人もいれば勉強に疲れた人もいます。恋愛に疲れた人、果てには特に何にもしていないのに何故か疲れている人まで、オツカレサマの理由も人それぞれです。

そんな【オツカレサマ公園 】で交わされる言葉はただの一つだけ。

『オツカレサマデス』

朝も昼も夜も、出会った時も別れる時も全てそれ。でも、此処の人たちにはそれで十分だし、それ以上気の効いた言葉を考えるだけの思考力も持ち合わせてはいないのです。

そして【オツカレサマ公園】の人達は皆一様に同じ服装をしています。ねずみ色のジャンパーに赤地に白い二本線の入ったジャージのズボン。疲れた顔にとてもよく似合う定番の“くたびれコーデ”です。この公園に足を踏み入れた瞬間、着ている服が魔法の力で変化して強制的に全員が同じ服になってしまうのがその理由。嬉し恥ずかし、ペアルックに憧れるお年頃ですね。

…そう聞くと、何だかこの【オツカレサマ公園】、随分と暗鬱で気分の湿りがちな場所のように思えてしまうけれども、それはとんでもない勘違いで、実はこの公園、そんなオツカレ人たちを癒して回復させる、滋養と強壮のパワースポットなのです。

公園の真ん中にある噴水からは24時間止めどなく豚汁が噴き出していて、誰もが無料で飲めるようになっています。勿論、噴水の水が豚汁なのは冬場だけのお話で、夏場にはちゃんとメロンソーダに替わります。春と秋は、豚汁とメロンソーダの爽やかミックスジュース汁です。

【オツカレサマ公園】では、たくさんの露店商がゴザを並べて商売をしています。

露店本屋には、太宰治や萩原朔太郎、夢野久作、埴谷雄高など、いかにも元気の出そうな本がズラリと列べられています。

露店だけではありません。公園の奥には百均ショップもちゃんと軒を構えていて、お握りやジュース、お弁当やスナック菓子など、どんな商品も一律[100ユーロ]で買う事が出来ます。

公園の奥の朝礼台に置かれているラジカセからは24時間《ラヂオ体操》の音楽が流れていて、誰でも好きな時にラヂオ体操を楽しめるようになっています。

疲れた体にラヂオ体操と云うのも酷なように思えますけど、そこは大丈夫、テープの再生速度が通常よりも約20倍の遅さなので、どんなオツカレサマも無理なく…一説には遅い方が逆にキツいと云う話もあるにはありますが…マイペースで体操を行う事が出来るのです。


日々の暮らしに疲れてしまった方は、是非一度、【オツカレサマ公園】にいらしてみて下さい。

乙枯町は地図には載っていない町ですけど、貴方が真の“疲れ人”ならば必ずたどり着けるはず。

合言葉は『オツカレサマデス』です。

疲れが完全に癒えて公園を出た暁には、夢にまで見た【ハッスル横丁】が貴方の到着を今や遅しと待っています。ハッスルまで3マイル。


愛と憩いの脱力園【オツカレサマ公園】を目指す際は、どうぞ、円ではなくユーロ札をご用意下さいますように…。

PS.

疲労が回復して公園から出ても服は元に戻らず、ねずみ色のジャンパースと赤地に白二本線のジャージのままなので、お越しの際には、なるべく、どうでもよいダサい服装でお越し下さい。


単語オンリーでおくる「キーワード式回想録」。


話題:忘年会・新年会

毎年。甦。
記憶。年の瀬。

お洒落。隠れ家。

仕事。忘年会。

フレンチブルドッグ。
否。
フレンチレストラン。

お洒落。隠れ家。
二度目。余計。

仲間。歓談。
店内。優雅。

パンタロン。
否。
スラックス。
否。

勿論。
オイラックス。
否。

リラックス。

美味。料理。
満足。日付変更。御開き。

東京無線。タクシー。
帰宅。

翌日。
情熱。熱風。せれなーで。

体温。赤丸急上昇。

出席者。全員。
赤丸急上昇。

理由。判明。

お洒落。隠れ家。
三度目。

フレンチレストラン。

人生唯一。

食あたり。

フランス直送。













生牡蠣。



































馬鹿たれ。


【FIN】



カレンダー
<< 2012年12月 >>
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
アーカイブ