話題:犬の散歩♪

昨日の夕方、犬の散歩で信号待ちをしていると、いきなり見知らぬオジサンが近づいて来て『本当にスミマセンでした!』と私に向かって深々と頭を下げた。

へっ!?σ(^_^;)?

私はキリストでは無いので、見知らぬ人間に突然懺悔されるような覚えはないのだが…。

えっと…どういう事でしょう?

狐につままれたような気持ちで私が訊ねると、

『いえ、前にうちの犬が庭から飛び出しちゃって…それでお宅の犬にジャレついて…』

ん?…そんな事あったかな?

『それで…私が“捕まえて下さーーーい!”って言いながら追いかけて…貴方が捕まえてくれて…でも、その時にお宅の犬の首輪が抜けちゃって…』

…ああ…言われてみれば、確かにそんな事があったような…

そうだ…何処の庭からチワワの小さいのが飛び出して来て、我が愛犬ケルベロス太陽王にジャレついて…その拍子に首輪が抜けて、自由になった王様が逃走した…

『そうです、それです。あれからずっと“ちゃんと謝罪したいなあ”と思っていたのですけど、何処の方なのか判らなくて…あの時は本当に申し訳ありませんでした』

ああ…そう言えば、あの時私はチワワを捕まえて飼い主に手渡した後、逃走した太陽王をすぐに追いかけたのだった。

しかし貴方…それ…

もう三年以上前の出来事では?
(´▽`;)ゞ

『そうですそうです、三年ぐらい前かなあ…いや、あの時からずうっと…ちゃんと謝らなきゃなあ、ちゃんと謝らなきゃなあ…って気になってて…本当にご免なさい』

いやいや、そんな…
もう完全に記憶の海の底、水深1万メートルぐらいの場所に沈んでいる事を…なんか、逆に恐縮です。梨元です。恐縮です。

『で、今、貴方とワンちゃんの姿を見かけて追いかけて来たんです。…やっと謝れました。ああ良かった、ホッとしました』

う〜む…三年前に、ほんの一瞬顔を合わせただけの私と犬の顔をしっかり覚えているとは何と云う記憶力だろう。

勿論、私は笑顔で謝罪を受け入れ、逆に「有り難うございます」と彼の律儀さに対して感謝の言葉を述べたのだった。

三年前に始まり、その場で終わった筈の小さなストーリーは、私の知らない所でずっと続いていた。そして昨日、それは唐突に完結した。

(石の上にも三年か…)

振り返りながら頭を下げるチワワパパに頭を下げ返しながら、私はそんな事を思っていた…。

チワワパパのようにずっと思い続けていれば、いつか願いは叶う…のかも知れない。

それにしても…

三年と云わず、三ヶ月ぐらいで叶っても良さそうな願いではあるけれども。

【完全実話】終。

と云うか…

タイトルが適当すぎる(・・;)))

超B級外国映画の邦題みたいだ…。