「ネガティブNEWS」の時間です。


話題:妄想を語ろう

小ぢんまりとしたスタジオ。明らかに何か有名な曲をパクったテーマソングの流れる中、番組が始まる。

司会男『今晩わ。他のメディアでは決して取り上げられないネガティブな話題をお届けする【ネガティブニュース】の時間がやって参りました。司会は私、“恥ずかしくて自分の名前が言えない男”と、』

司会女『…“記憶喪失で自分の名前がどうしても思い出せない女”でお送りします』

司会男『なお本日は特別に、ゲストコメンテーターとして、打ち合わせの時にスタジオの隅をウロウロしていた“よく判らない人”をあ迎えてしております』

ゲスト『今晩わ。“よく判らない人”です』

司会男『それでは先ず最初のニュースから…』

ジャジャン♪

司会女『都内在住のOL、河馬河原モエモエさんが彼氏に誕生日プレゼントとしてブランド物のバッグが欲しいと言ったところ、彼氏に【イトーヨーカ堂のビニール袋】をプレゼントされてしまったそうです…』

司会男『これはまたネガティブな事件ですねぇ…う〜ん、イトーヨーカ堂をブランド、ビニール袋をバッグと考えれば間違いとも言い切れない気がするのですが…司会女さん、女性側からみてどうなんでしょう?』

司会女『…イトー…ヨー…カ堂…私、何処かでその名前を聞いた事か…うっ、だ、だめ…やっぱり思い出せない…』

司会男『判りました。無理して思い出そうとしない方がいいです。では、ゲストの方、どうですか?』

ゲスト『ビニール袋って何ですか?初めて聞いた言葉だわ』

司会男『有り難うございました。それでは次のニュースへ移りましょう…』

ジャジャン♪

《続きは追記ページに♪》

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その日、僕はインドで孤高と云う名の魚を釣り上げた。


話題:海

ワカサギを釣ろうとして、オレオレ詐欺にあう。

カワハギを釣ろうとすれば、ふくらはぎが吊る。

それが人生。人はみな誰もが哀しい釣りキチ三平。

だから僕は海に向かい、両手で髪の毛をスーッと流しながら、こう叫ぶのです…

『三瓶で〜〜っす♪』

ブラックバスを釣ったつもりで、気づくとブラックサバスのCD を衝動買いしている。

それは、後悔と云う名の哀しい航海。

そんな時はインドへ行くといい。

人間のアゴの形はインド半島を模して神が創ったと云うならば、心を意味する“mind”の語源はやはり“真インド”なのでしょう。

井村屋の肉まん、餡まん、レインボーマン。

今はすっかり濁ってしまったガンジス川も、昔は透明な水を湛えた清流で無数の鮎が泳いでいたと云う。

そこから生まれた健康法こそ、かの有名な【鮎流(あゆる)ヴェーダ】。

だから僕は、目の下まぶたを指で軽く引き下げて舌を出しながら、こう叫ぶのです…


『?あっかんヴェーーダっ♪』


人はどんなに頑張ったとしても、生きて泳ぐ“シラス干し”を釣り上げる事は出来ない。

喜びと哀しみとリンゴとハチミツが、とろ〜り溶け合う水の中。

人の心が水溶性だと云うならば…

インドへなんか行かなくていい。

伊豆で十分だ。


【終わり】。

【加筆修正版】終わらない首相官邸の夜。

話題:SS


その夜、首相官邸では或る特別な会合が行われていた。出席者は時の総理大臣と官房長官の二名のみ。それはつまり、この会合、と云うより会談が極秘である事を示していた。

選挙も間近に迫る大切な時期。一つの机を挟み、二人は難しい顔つきでツノを付き合わせていた。

総理『…と云う具合なんだが、君はどう思うかね?』

長官『総理…はっきり申し上げて宜しいでしょうか?』

総理『構わない。君の事は信頼している。遠慮なく意見を述べてくれたまえ』

長官『正直、これでは上手く行かないと思います』

総理の顔が曇る。

総理『…やはり再度調整が必要か…』

長官『お言葉ですが総理、調整程度では無理かと。恐らくは抜本的な改革が必要でしょう』

総理『抜本的な改革か…』

長官『はい』

総理は腕を組み天を仰いだ。

総理『それはつまり…』

総理の目が鋭さを増す。

総理『それはつまり…私の作ったスープがまるでなっていないと…そういう事かね?』

長官『はい、ダシからして鶏ガラなのか豚コツなのか魚介系なのか釈然としませんし、灰汁(あく)の取り方も恐らくは不十分』

総理『灰汁か…道理で臭みが抜け切らない筈だ。いや…ラーメン作りも、なかなかどうして難儀なものだな』

長官『私の案としては、この際、ダシに魚介系の素材を使うのは諦めて、鶏ガラか豚コツと香味野菜に絞るのがベストかと』

総理の顔に苦渋の色が浮かぶ。

総理『そうしたいのは山々なのだが…それだと選挙で漁業関係者の票が入らなくなってしまう』

長官『ならば、出馬する選挙区を変えてみては如何でしょうか?鶏ガラが絶対的に強い選挙区なら魚介系の票がなくても大丈夫でしょう』

総理『いや、流石に今から選挙区を変更するのは厳しい』

長官『確かにそれはそうですが…この味では…』

総理『ラーメン屋を名乗る資格は無いか…』

長官『はい。ですが…』

総理『ん?』

長官『煮タマゴはかなりイケてます。黄身のトロトロ加減といい、これは美味しい』

総理の目が輝く。

総理『よし、では、次の選挙のキャッチフレーズは【美味しい煮タマゴの国・日本】。これで行くか』

長官『ええ、それで行きましょう』

総理『もしも選挙に敗れるような事になれば、その時は閣僚のみんなでラーメン屋をやろうではないか』

長官『煮タマゴ推しの…ですね?』

総理『当然だ。…さて、そうと決まれば次の議題だ。【チャーシュー麺におけるチャーシューの枚数は何枚をデフォルトとすべきか?】…是非、君の考えを聞かせて欲しい』

長官『むむう…総理、それは難問中の難問です。五枚では物足りなく、“これでチャーシュー麺なの?”と文句をつけてくる奴が続出する事が予想される。かと言って、逆に三十枚とか大盤振る舞いするとチャーシューの有り難みが薄れてしまい、平気で残す輩が出てくる…』

総理『全く、大衆というのは我が儘な存在だな』

長官『取り敢えず、信頼のおけるシンクタンクを使って徹底的な市場調査を行う必要があるかと…』

総理『しかし、その為の費用はどうする?』

長官『公的資金導入もやむを得ないでしょう』

総理『それでは国民の反発を招く恐れがある』

長官『その時は国民の関心を他に逸らせば良いのです。…例の、取って置きの方法で』

総理『…あっ、アレか!』

長官『そう…国民栄誉賞を誰かに与え、お祭り騒ぎのどさくさに紛れて公的資金を導入する為の法案を可決させる』

総理『ついでにインフラも整備しよう』

長官『なるほど、もっと火力の強いコンロを導入するのですね』

総理『その通りだ。…それで、国民栄誉賞は誰に与えるべきだろうか?』

長官『それなのですが…やはりここは、“ラーメンの父”と呼ばれている【池袋大勝軒のオヤジさん】がベストでしょう』

総理『岡星の主人では駄目かね?』

長官『“美味しんぼ”のキャラに国民栄誉賞はちょっと無理があるかと』

総理『…そうか。まあ、それは追い追い考えて行くとして…あっ、しまった!』

長官『どうしました?』

総理『ネギラーメンにするつもりでネギを用意したのに、入れるの忘れてた…』


深夜の会談。数多くの議題と、総理がトッピングし忘れた白髪ネギは、なおも山積みのままである…。

【終わり】。


圭子の夢は夜ひらく。


話題:花の写真

誰も知らない秘密の花園

想いの花は夜に咲く。



【追記にプチ後書き】
 
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よじれた熟語の夜。


話題:四字熟語

【心労神父】
しんろうしんぷ。

教会で式を挙げる新郎新婦を溜め息まじりに力なく祝福する、何だか元気のない神父さま。


【一気火星】
いっきかせい。

葛西から火星までノンストップで走る通勤快速電車。


【授業三冠】
じゅぎょうさんかん。

学校の授業において

@最も多く手を挙げた人。
A最も多く周囲を笑わせた人。
B最も多く廊下に立たされた人。

この三部門を全て手中にした人間の事。


【胃酷情緒】
いこくじょうちょ。

海外旅行で現地の食べ物が口に合わず、胃の調子がおかしくなるさま。


【河豚退店】
ふぐたいてん。

思い切ってフグ料理専門店に入ってはみたものの、予想以上に値段が高く、数切れ食べた程度でそそくさと店を出るさま。


【思想膿漏】
しそうのうろう。

色々考えを巡らせている内に何だかよく判らなくなり、結局最後はグダグダになってしまう事。


【全身全零】
ぜんしんぜんれい。

真剣に挑んだのにも関わらず、テストでオール0点を取ると云う無情な出来事を表す。


【全力東急】
ぜんりょくとうきゅう。

全ての力を使い果たす迄、東急デパートで買い物し続ける事。


【前徒酔々】
ぜんとようよう。

遠足のバスで、乗り物酔いする生徒が前の方の座席に集められている様子。相棒はエチケット袋。負の連鎖に注意されたし。



★★★★★

なんか、今回はちょっと焦って書いてしまったので、また改めて第二弾を今度はゆっくり考えてお届けしたいと思っております(//∇//)

…とか言いながら、また焦って書くのだろうなあ〜という確信がありますヾ(´▽`*)ゝ
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