今日はサイト4周年ですね。
なかなか文章が進まなくて申し訳ないです…
でも読んで下さってるみたいで嬉しいです。
これからもマイペースにがんばります、よろしくおねがいしますm(__)m
ようやく登場の卒業生のターン。でも回想シーンの太子が目立ってる気がしないでもない。
卒業式中の出来ごととそのすぐ後の話です。
主に先輩妹子と後輩河合の会話。妹子から河合君へはタメ口なので、イメージが崩れる恐れがあります…
[午後の卒業生]
今日は
「卒業おめでとう!」
と色んな人に言われる日。
ありがたいけれど
何度も言われると正直、飽きる。
しかし、太子先輩が来るとは思わなかったのでそれは驚いている。
その男は式で来賓代理として、卒業を祝う手紙を読んでいた。
ところが、手紙を読み終えたところで…
「…あ、久しぶりだね河合君。お疲れ様」
式の大騒ぎを思い出していたら、後ろから話しかけてきたのは
図書委員会の先輩だった人。
「…妹子さん。式の手伝いですか?」
「そうなんだよ、朝から菊の花とか薔薇とか…」
「お疲れ様です」
実家が花屋らしく、この先輩は在学中も家業の手伝いをしていたことを思い出す。
真面目で働き者、後輩にはわりと気さくな良い先輩…という印象だ。
「妹子」という名前が女性らしくて本人はあまり好きじゃない、と言っていた。
それでも呼ばれ慣れてるのか堅苦しいのが苦手なのか、周りが「妹子」と呼ぶのを許しているようだ。
僕もそう呼んでいる。
「僕、式は見てなかったんだけど…どうだった?」
「…どうだった、というと?」
「ええと…なんか変な来賓の…ちょっと若い人がいたでしょう。どんな挨拶したのかな、と…」
「知り合いなんですか、太子さんと」
「…うん、まあ……ははは」
「……?」
先輩は少し目線をそらして苦笑いをしている。よく見ると顔が赤いように見えるが…ここは見なかったことにしておこう。
「河合君も、太子…さん、と知り合いなんだね」
「数回会っただけですけど」
「そっか…それで、式ではどんなこと喋ったの?」
「……最初は普通に手紙見ながら喋ってるだけだったんですが」
『…ってなわけで、来賓としての言葉は以上なのですが…とりあえずみんな、座っていいぞ!』
『ここからは、来賓代理の私からの言葉だ。簡潔に言うから、ありがたーく、耳かっぽじって、よーく聞きやがれ!』
「……」
「…嫌な予感はしてたけど…うん…それで?」
『私の高校時代は、特に女子にモテるわけでもなく、成績は悪くなかったけど別に一番というほどでもなく、体育では転んでばかりだった…』
「このへんから、周りの生徒と先生方がざわざわ騒いでました。笑いこらえてる人もいました」
「河合君はどうしてたの?」
「…普通に聞いてましたよ。呆れてましたが」
「あはは、君らしいね…次は?」
『そんな散々とも言える3年間だったけど、楽しいこともたくさんあったし、怒られることもあったけどそれはそれで楽しかったと思うんだ!…で、何が言いたいかと言うと…えと、なんだっけ』
「こらえきれずに爆笑した人もいました」
「……先生方は?」
「頭痛そうな人がいたり、笑いをこらえてたり、怒って太子さんを止めようとするのを周りの人に止められたり…松尾先生は困ったような顔で笑ってました」
「…先生…お疲れ様です…」
「最後に太子さんはこう言って締めくくりました」
『楽しい思い出がある人も無い人も、友達が出来た人も出来なかった人も、人生これから!って話だ。それじゃ、みんながんばれよ!』
『…げっ、馬子さんだ!…じゃ、失礼しましたー!』
「太子さんは逃げるように舞台を降りていきました…その後どうなったかは知りません。多分怒られてると思いますけど、僕には関係ないですね」
「怒られてそうだね…うん、ありがとう河合君。あ、僕そろそろ行かなきゃ。ていうか君、教室にいなくていいの?」
「先生が戻って来ないので、しばらくは自由時間になってるみたいです」
「でも、そろそろ戻った方がいいんじゃないかな…これで失礼するよ、それじゃ!卒業おめでとう!」
「ありがとうございます」
・
・
・
先輩と別れた後、忠告通りに教室に戻ろうとしたら
ドンッ
「おあっ、ととと…危ないな君!」
「…すみません」
走ってきたそっちが悪いんじゃ…と思いながらも一応謝る。
ん?
この声は…
「廊下は走らないでください、『先生』」
・・・・
【午後の先生】に続く。
こんな来賓がいてもいいと思うのです。
長い話のだるさを一気に変えるような人が。
ちょっと太子に夢見すぎですね、すみません(^^;)