卒業式準備なうな二人。
それぞれ訳があって高校に来てます。
花屋の青年妹子とその常連客の太子の話です。
妹子の話は前回書いた部分の焼き直しです。
河合君の後輩(在校生)から先輩(卒業済み、大学生)に変更しましたm(__)m
その続きが太子目線です。太→→→←妹。
以下、勤労青年とからかう男の話。
ログイン |
時にネガティブ、時にポジティブ。 初めての方は「挨拶と注意」及びプロフィールをご覧くださいませ。
卒業式準備なうな二人。
それぞれ訳があって高校に来てます。
花屋の青年妹子とその常連客の太子の話です。
妹子の話は前回書いた部分の焼き直しです。
河合君の後輩(在校生)から先輩(卒業済み、大学生)に変更しましたm(__)m
その続きが太子目線です。太→→→←妹。
以下、勤労青年とからかう男の話。
【午前中の勤労青年】
僕の名前は小野妹子。
今日は高校の卒業式だ。
といっても僕はもう卒業しているので特に関係はない。
現在大学は春休み。今日は家でのんびり読書でも
…ということが今年も出来るはずがなく。
「おいしょ…っと。ふぅ…あと花どのくらいあるの、母さん?」
「次はこっちの花瓶!重いからあんたが持っていきなさい、母さんこの箱持ってくから!」
「はいはい」
「気を付けてよ、それ高いんだから」
「分かってるよ!」
僕は花屋の息子で。
卒業式には多くの花が必要。
…で、僕も母校の式の準備を手伝うことに。
「あ、小野君お疲れ!今年も大変だね〜」
抱えている花の向こうから、男の声が聞こえた。
顔はよく見えないが、よく知ってる教師の声なので問題なかった。
「大丈夫ですよ、毎年のことですから。この花はここでいいですよね、松尾先生?」
僕は花瓶を決まった位置に置き、教師の顔を確認した。
この高校の国語教師、松尾芭蕉先生。
一度だけ担任だったことがあり、当時図書委員だった僕はこの人と接する機会が多かったと思う。今でも花屋の常連客として会うことが多い。
今年度は3年生の担任だと聞いていた。
…今日は松尾先生にとっても、大切な日なんだろうな。
「うん、良いと思うよ!…あ、私も手伝おうか?」
「気持ちは嬉しいですけど…先生は自分の仕事あるんじゃないですか?」
「え、自分の…そうだった!来賓の彼を探してたんだった!目を離した隙に居なくなっちゃって…」
「彼…?どんな人ですか?見つけたら伝えておきますよ」
「ほんと?ありがとう!えーっとね…背は私や君より少し高くて、君より少し年上の若い男の人。黒くて短い髪に、青いネクタイでダークグレーのスーツだったと思うよ。じゃ、お願いね!」
「わかりました…」
話を終えた松尾先生はバタバタと廊下を走り抜けて行った。
…それを見送った僕は、もう一つ肝心なことを聞き忘れたことに気付く。
「ちょっと先生!その人の名前は!?」
慌てて呼びかけたが、声は届かなかったようだ。
…相変わらずうっかりしてるな、先生も僕も。
まあ、若い来賓なんてそうそう居ないから探すのは難しくないだろう。
さて、仕事の続きを…と思っていると
「よっ、妹子。今年も頑張ってるな!」
……え
後ろから声をかけてきたその男は
花屋の常連の一人であり、僕にしょっちゅう声をかけてくる…
「……太子…?」
【午前中のサボリ青年】
焦げ茶の髪に赤いジャージ
見覚えのありすぎる男
私がいつも気にしてる青年
他の大人たちと話すのが面倒になって、こっそり控室を抜け出した私は…お気に入りのコイツを見かけて口端を上げた。
まずい
今の私は多分
めちゃくちゃニヤけてる
なのにコイツはニコリともしない。
…いつものことだから諦めてるけどな。
「今そっちは春休みだろ?相変わらず花屋の手伝いなんだな」
「いいじゃないですか別に。それより、なんでこんなところに…」
「なんでって…松尾先生が言ってたの聞いてなかったのか?」
「え……まさか、来賓?」
「そうそう、そうなんだよ。いや〜正直めんどくさいんだけど、これを休むと周りがうるさいからな…」
まあ、正確には来賓の代理なんだけど。似たようなものだと思う。
預かってる手紙を読むだけだから、卒業式の間に行う仕事は大したことじゃない。
…挨拶回りが少々面倒なだけだ。
「……」
「手伝いに来るかな?と少しばかり期待してたけど…ほんとに会えるとは思わなかったぞ、妹子!今日は仕事に来てよかったな、うんうん」
「…太子、なんでここにいるんですか」
「?だから、今日は来賓として〜」
「そうじゃなくて!」
ガシッ
妹子の左手が私の右腕を掴む。
ものすごく強い力で。
「いたたたたた!何すんだこの筋肉芋!」
「芋じゃないっつってんだろうが!!それより、こんなところにいる場合じゃないでしょ!松尾先生が探してましたよ!!?」
…チェッ
やっぱりこうなったか…
結構真面目なヤツだってことも、妹子が松尾先生に頼まれてたのも、こっそり見てて知ってたからな。
じゃあ、何故ここに来たかって?
それはもちろん…
「わかったわかった、ちゃんと行くから、そんなに引っ張るなって」
「あ…すみません…」
案の定、掴んだ腕をパッと離す妹子。
それを見て「はぁ…やれやれ」とため息をついた私は
「いや…離さなくていいから、あまり力を入れるなってこと、なんだけど」
…妹子の左手をそっと握った。
「……!!!??」
そして、頬をジャージと同じくらいに染めた妹子に
・
・
・
「いててて…ダメだったか…」
手をバチンと弾かれた私は、早歩きの彼を追う。
「…ダメに決まってんでしょうがアホ太子!ほら、とっとと松尾先生の所行きますよ」
「照れ屋にも程があるだろ、お前…」
「アンタはポジティブにも程があります!来賓じゃなかったらそのニヤケ顔ひっぱたいてましたよ、ったくもう…」
悪態をつきながらも気遣ってくれる妹子。
基本的に私の前では無愛想で怒ってばかりで、しょっちゅう叩いてくるけど
やっぱり私は、コイツが好きなんだと思った。
(…式までにこの顔、なんとかしなきゃな)
・・・・
【午後の卒業生】に続く?
彼を出すところまで書けなくてすみません(^^;)終わるの4月になりそうです…
恋は盲目というもので。
怒ったり呆れたりした顔も可愛いと思ってる太子でした^^
この設定の二人は別のシリーズ始めて書きたいなと思ってます。今回の学パロではここまでですね。
性 別 | 女性 |
誕生日 | 7月18日 |
系 統 | おとなしめ系 |
血液型 | A型 |