前回の曽+竹の続きです。そして続きます。
お魚先生のお悩み相談室。でもまだ相談できてない件。
今回は竹中さん多めです。書き慣れてないので口調とかおかしかったらすみません(^^;)
「河合…ソクラテス…」
池の中から首と尻尾(?)だけ浮かび上がった、人間なのか魚なのかも怪しいその生き物は…僕に向かって一言だけ呟いた後、
「よく来たな…っ!!?」
ゴボッブゴッと嫌な音を立てて、沈んでいった
「……?」
溺れているんだろうか。それともこの人(?)流の潜水法なんだろうか。苦しそうに見えるから多分前者だろう。
この池に住んでいるんだろうに、なぜ溺れるのか。あの尻尾は魚に見えたが、どうやらその役目は果たしていないようだ。
「フィッシュ竹中さん、で合ってますか?松尾先生の紹介で来たんですけど」
「…私が、竹中だ…グボッ…すまないが、手を貸して、くれないか?…ゴボボボ…」
なんとか浮かび上がって返事をする生き物。彼があのオッサンが言ってた「竹中さんという人」のようだ。
人かどうかはともかく、目の前で溺死されたら目覚めが悪いので、救けておくことにしよう。
[何も見えない]
「はぁ…はぁ…ありがとう、ソクラテス。言っておくが、私は溺れたわけではない。池が思ったより深かっただけだ」
僕に引っ張り上げられて救われた、竹中という男。
彼についても気になる点が多々あるが、それよりも…
「そうですか。僕は曽良です。俳句で有名な『松尾芭蕉』の弟子と、同じ名前の」
名前だけは訂正させておきたい。
名付け親だった(らしい)母が、どうして俳聖の弟子と同じ名前にしたのかは知らないが…「ソラ」という名前自体は僕自身も気に入っている。
…彼に悪気はないのだろうが、さすがに古代ギリシャ人哲学者の名前で呼ばれるのは、嫌ではないが妙な気分になる。
「なるほど、ソラか。良い名前だな。頑張って覚えるとしよう」
「別に頑張らなくてもいいです。それより、ここは悩みを相談できる場所と聞いたんですが」
「まあ間違ってはいないが…うーん…どうするか」
悩み相談の場所で、本人が悩んでしまった。
悩んでいるのはこちらの方なんだが。
「そうだな…松尾の頼みなら仕方ない。ソラ、君は口が堅い方か?」
「…堅いと思います」
「それなら、いい。これから君が見るものを、松尾先生以外には誰にも言わないで欲しい…いいか?」
?
なんだか怪しい雰囲気になってきた。
本当に信頼できる者なんだろうか。あのオッサンを少しでも信じた僕が間違っていたのかもしれない…
「言いませんが、これから何を?」
「心配するな。無事にここまで送り届ける」
「校外に出るんですか?」
「いや、校内には違いないが…普段は見えない場所だ。少し目をつぶっていてくれ」
普段は見えない場所?
ますます怪しい雰囲気だが…
つまらないものではなさそうだ。
そう思った僕は少しだけ力を抜いて、ゆっくりと目を閉じた…
続く。
・・・・
河合君、神隠しに遭う の巻。(違う)
最近の私の文はオカルトチックになってる気がする。閻魔といい、竹中さんといい…やっぱり普通の人間じゃない設定だからか。
なかなか本題に入れないのは竹中さんが溺れたせいです。
いや〜これはやっとかないと、と思いましてw←
竹中さんの強がりなところも好きです^^
松尾先生を何て呼ばせるか迷ったけど、「苗字は普通に呼んでたな、そういえば」と思って苗字のままに。
バナナにしようかとも思ったのですが、シリアスなシーンでそれはきつそうなのでやめました(^^;)要するに良いのが思いつかなかったという…
付き合い長い相手なら普通に呼んでると思います。太子のことは普通に呼んでますしね。原作のこの二人がどのくらいの付き合いなのか気になります。
次から本題に入れそうです。
このシリーズは「何も××ない」のタイトルで続けることにします。