お久しぶりです!
ちょっと書きたいパラレルネタが浮かんだので、最終的に蓮華になるようにしたいなと思って書きました。真田はまだ出てません。今回は最初らへんだけ。
稲荷パロです。
わりと王道ぽいのに今までほとんど扱ったことなかったですね。別ジャンルの落書きくらいか。
稲荷神の少年、蓮二の話。10歳くらいです。
神主の息子としてとあるキャラクターが登場します。初書きなので違和感あったらすみません^^;
今回は主に蓮二のそのキャラとの会話です。
真田はまだ出てません!(大事なことなので2回言いました)
てにをはさんの「化生戯画」という曲から思いついて書いたものです。
それでは以下よりどうぞ。
[狐と少年・出会うまで]
祭囃子が聞こえる夜のこと。
見習い稲荷神――名は蓮二。
一人前になるための修行に疲れを覚えていた。
――こんなににぎやかなのに、社に籠るのはもったいない。
そう思った蓮二は親の目を盗んで、社を飛び出してしまった。
「どこへ行くのかな、蓮二」
狐の姿で意気揚々と鳥居をくぐろうとしたところで、声をかけられてビクッと震える。
――あくと兄さん。
艶のある、色素の少ない髪を揺らして、おかっぱ頭の美少年はニッコリと微笑みかけた。
――俺は祭りを見に行きたいんです。今日くらいは止めないでください。
「そうはいかないよ。俺は神主の息子だからね。勝手に外に出したら俺が怒られてしまうよ。父さんと君の父さん…稲荷様にね」
困ったように笑う美少年。彼は稲荷の子である蓮二の兄、または師匠のような存在であり、いろいろなことを蓮二に教えてきた。
普段は優しいのだが…こういう決まり事については少しばかり厳しいのであった。
――俺はもう人に化けられます。ばれないように気をつけます。だから、ここから出させてください。
「うん、まあいいや」
急にあっさりと許した美少年に、蓮二はガタッと体勢を崩した。
「ほら、今のうちに行ってきなよ。早く化けて!」
おまけに早く化けさせようとするので、慌てて蓮二は目を閉じて、頭の上に木の葉を乗せて念じた。
ぼんっ!
と、白い煙が身体を包み込む。
「…本当にいいのですか、あくと兄さん」
煙が晴れ、あくとの目の前には、先ほどまでとは全く違う姿の蓮二がいた。
あくとより少し背丈が小さめの少年。彼と似たおかっぱの髪型だが、こちらは黒い髪だ。
白地に紺色の縦縞模様の浴衣を着ている。
「俺はここのお仕事が残っててついていけないから、あらかじめ言っておくよ。
お祭りに行くなら、まずはお面を買うんだ、いいね。君たちは人とは違うのだから、あまり顔は見せない方がいい」
それと…と言いながら差し出したのは、人が使う小銭。
「これは…兄さんがこつこつ貯めてたお金じゃ」
「今日は逃げ出すだろうなと思って持ってきたんだ。たくさん持っていくと目立つから、少しだけだけど」
手のひらには、500円玉と100円玉が1枚ずつと、10円玉が5枚。
「あくと兄さん…」
「帰ってきたら、土産話を聞かせてね。お返しはそれでいいよ」
「うん、ありがとう!」
人の子に化けた蓮二は、喜んで小銭を握りしめて、持っていた巾着袋に入れた。
「ほら、そろそろ行かないと。気をつけて行ってらっしゃい。あまり人と関わり過ぎないようにね」
「ありがとう、行ってきます!」
浮かれた気持ちのまま、蓮二は鳥居をくぐり抜けていったのであった。
つづく
・・・・
なんだかんだで蓮二に甘いあくと兄さん。彼は中学生くらいのイメージで書いてます。
子蓮二は今よりもう少し可愛げがあるだろう、と思って書いてたらこうなりました。いいんだろうか…
ちなみに登場予定は今の所無いですが、幼なじみに貞治がいます。こちらは狸。いろいろあって蓮二一家が引っ越すことになって、それ以来会っていません。
真田に出会って、立海に入学するところまでは書けたらいいな、と思います。
そこまで長くは書かないつもり。3話くらいまでにしたいと思ってます。