あれから9ヶ月と8日…の桃忍の話です。桃城×忍足(侑)です。
誕生日おめでとう、桃ちゃん!
忍足さんが桃ちゃんを彼なりに甘やかす話。去年の忍足誕のその後ですがこれだけでも読めます。
そして相変わらずのエセ関西弁です、すみません^^;
以下よりどうぞ〜!
いったいこの人に何が起きたのか。
「ほれ、はよ食べな溶けてまうで」
「この映画見よか」
夢でも見てるのか、俺?
[放課後の冷静と困惑]
俺、桃城武が中等部2年のときに青学が全国優勝を果たして、それから海堂の奴が部長になって…
まあいろいろあって今は3年生。2連覇目指すぞ!と全員で張り切ってる。
あと今日は俺の誕生日ということで部員全員(海堂含む)に祝われた…その後のこと。
ケータイがピカピカ光ってるのを見て、すぐに確認したら氷帝の忍足さんだった。
…で、今この状態。
え、わかりにくいって?俺もよくわからないから仕方ない。
なんで忍足さんが俺を呼び出して、特大サイズのパフェ奢ったり、俺と映画見たりしてるか…なんて。
意味わからねーな、わからねーよ。
しかも今見てるの俺が気になってた動物ものの映画だ。確か一度この人に好きな映画について聞かれたことがあった記憶がある。
『シロと46の約束』っていう「どんだけシロと約束交わしてるんだよ!?」とツッコみたいタイトル。
でも、泣ける。今すっげー泣いてる。
手で涙を拭って隣の忍足さんをチラッと見てみた。相変わらずのポーカーフェイス…と思ったけど、唇をギュッと噛みしめてるから泣いてるかもしれない。いや、絶対泣いてる。
意外とこういうのいけるクチなんだなと思った。後で言ってみよう。
あっという間にスタッフコール。拍手したい気分になったけどやめておいた。この人騒がしいの嫌いだろうから。
「えらい感動しとったな…」
「忍足さんこそ、ひっそり泣いてたじゃないっスか。ああいうの意外といけるんスね」
「俺かて泣くときは泣くで。人前では泣かんようにするけど」
…だろうな。
なんとなく想像できた。映画館は暗いから「人前」には含まないってことか。
それについてはいいとして、パフェのときから…いや、もっと前から気になってたことがあった。
「あのー、忍足さん」
「何や?」
「なんで俺にいろいろしてくれてるんですか?」
まだ大事なことを言われていない。今日が何の日か知っているうえでのこの行動だと思うから、あえて聞いておく。
「なんで、って…あっ」
「今気づいた、みたいな顔っスね」
呆れながら言うと、忍足さんは苦い薬でも飲んだような顔になって説明してくれた。
「お前が、去年の俺の誕生日にプレゼントなんてよこしたから…」
「俺のせいなんスか!?祝いたいなら素直に最初から言ってくださいよ。そういうのなら大歓迎なのに!」
「そんなん俺のキャラとちゃうやろ…もうええわ。最初から俺らしく祝ったったらよかった。なんで俺はこんなことを…」
ブツブツと愚痴っぽく言ってたけど、気持ちは伝わった。
あれこれ迷った末に、俺の好みに合わせてくれたと思うと、じわじわ湧き上がるものがある。
「それじゃ、今度はテニスで祝ってくださいよ」
「せやな。そっちのが俺とお前らしい気がするわ」
「今日のも嬉しかったっスけどね。ありがとうございました!」
やっと俺も素直にお礼が言えて
「…誕生日おめでとう。それと、おおきに。付き合ってくれるとは思わんかったわ」
この人もようやくきちんと祝うことができた。
相変わらずのポーカーフェイスで。
HAPPY BIRTHDAY, TAKESHI MOMOSIRO!!
・・・・
付き合ってないけどそのうち付き合うんじゃない?という桃忍でした^^
困惑の桃ちゃんと照れ隠しの忍足さん書くの楽しかったですw