今日が誕生日の蓮華好きな方に捧げます^^
お誕生日おめでとうございます!!
もうすぐ七夕な二人の話です。誕生日祝いっぽくなくてすみません^^;
以下よりどうぞ!
[文月の二人]
もうすぐ七夕だな、と蓮二が呟く。
今日は午後から生憎の雨。夕方に止んだが、コートには雨水が染み込んで練習に使うのは難しい。そのため、コート外での練習のみを行うことにしたのであった。
「七夕か。蓮二も何か願い事を書くつもりか?」
「願い事とは違うものを書くつもりだ。皆の書が上手くなるように、という思いを込める」
「…ほう」
昔の七夕はそのための行事だった、と祖父が言っていたことを思い出す。
俺もこの日に何か用意しておくか。
「『テニス部の優勝は願わないのか』と言わないんだな、弦一郎」
「む?それは願い事にするものではないだろう。願うのが無駄とは言わん。しかし、それだけでは勝てないことは皆わかっているはずだ」
「そうか…予想が外れた。いい意味で」
「それはよかった」
蓮二の予想を外すことが、時折楽しく感じられる。
外れるたびに妙に嬉しそうな顔を見ることも。
もっとも、外れることさえわかっている可能性もあるのだが。
「ところで、柳蓮二としての個人的な願いはないのか?」
「言ったところで意味がない。七夕にも書かないぞ」
「書けないような願い事、ということか」
「…そうだな」
ハァ…とため息交じりに答える蓮二。
よほど言いづらい内容なのだろう。
一つだけ予想しているものがあるが…もしこれを言ってしまったら、俺の個人的な願い事も話すことになるだろう。
それならば、言わないままでいいのかもしれない。
「蓮二が言わないのなら、俺も言わないことにする」
「ずいぶんと真面目だな、弦一郎」
「真面目?」
「赤也や仁王あたりなら…からかうか、無理にでも聞き出そうとするか、のどちらかだ」
「俺は、聞く必要がないからな」
「ふむ…」
蓮二は俺と向かい合わせになり、一歩近づく。
驚かない俺は、動かずに蓮二の目を見た。
…日頃閉じることの多い目が、少しだけ開かれている。
俺は反対に目を閉じた。
今叶えられる願い事を、叶えてもらうために。
「弦一郎」
「どうした、蓮二?」
息が唇にかかって、くすぐったい。
「お前の願いが…俺の願いと少しでも一致していれば、いいな」
フフッ、と笑っているのを感じ取りながら
俺は願いを叶えてもらった。
「…そうだな。だが、少なくとも今ので一つ叶っている」
「当たっていたか。『口付けを交わしたい』ということ」
「七夕にはまだ早いが…」
「七夕でなくとも、いつでも願ってくれていいんだぞ」
蓮二が目を開けてニヤッと笑いながら言ってのけるので、先ほどの行為が急に恥ずかしくなってきて。
「うっ…うむ!蓮二がいいなら、そうしようではないか…」
目を逸らして、近づいていた距離を一歩分だけ離すことにしたのであった。
「今度は口で言ってもらいたいのだがな」
「…言えるわけないだろう!」
「まだまだだな」
「くっ…」
おわり
・・・・
ツイッターでお世話になっている二人の蓮華クラスタさんが今日お誕生日と聞きまして。
もっといちゃいちゃさせたかったなぁ…
こんな二人でよければどうぞ〜^^;