罪深き

小雪はよく「お前は罪深い、嗚呼、罪深い、あんまりだ」と繰り返す。罪深いというのはどういうものなのかと問うても、頭を振るだけで一向に答えてくれる様子もない。「罪深い。ホントに罪深い女だよお前は」ただそう繰り返すだけである。だから、小雪の言う「罪深い」は私にはさっぱりよくわからないけれど、なんとなく良いような雰囲気がしたので、特に反論することもなく(そうは言っても私が小雪に楯突いたことなど今まで一度もないのだけれど)、言われるままになっている。「潤は罪深い女だなぁ」小雪が嘆息して呟く度に、私は自分の唇がしたたかに赤くなっていくような気がしたのだった。