話題:妄想を語ろう



仔猫に案内(あない)されるまま猫階段を下って行った【シャイニング輝】は、新宿御苑の地下に巨大な地下迷宮が広がっている事を知る。

猫の王国。「人間が見過ごしてしまうような小さな情報がここにはたくさん集まってくるんだニャ」仔猫は言った。「もしかしたら、五重の塔について誰か何か知っているかも知れないニャ」。

どれくらい歩いただろう。数え切れない程の右折と左折を繰り返した末に二人がたどり着いた先には、豪華絢爛を絵に描いたような大きな扉があった。

仔猫が扉横の小さなパネルに右の前足をピトっと押しつける。「扉を開くための肉球認証だニャ」。

やがてゴゴォと重厚な音を立てて扉が開くと、赤絨毯の敷き詰められた大広間が現れた。猫の近衛兵が左右に分かれる形で一列に並んでいる。

「ここは猫王国の王の間。これから猫王へ挨拶するニャ。失礼のないように気をつけるニャ」

仔猫の忠言を聞いた【シャイニング輝】は、懐から“光の鼈甲櫛(べっこうくし)”を取り出すと、髪をカジュアルな六四分けから、王様に見せても恥ずかしくないフォーマルな七三分けへと変更した。

勇者が王様に謁見を賜る。それは、RPGにとっては必要不可欠な王道イベントである。

ここまでは順調。光の勇者【シャイニング輝】は整列する近衛兵の間を大広間の奥に見える玉座に向かって歩き出したのであった…。


☆☆☆


そして次回…

転職王の名を欲しいままにする落塚内蔵(おちつかないぞう)君は、30歳という若さにして既に999回の転職を達成していた。

だが、それはあくまでも彼にとっては通過点に過ぎなかった。それが証拠に彼は早くも1000回目のメモリアルとなる転職に向けて動き出していた。通過点とはいえ1000回は大切な節目。心に残るような仕事に就きたい。落塚君はそう考えていた。

呉服屋のでっち奉公か…サーカスのブランコ乗りか…いや、特撮映画の着ぐるみアクターという手もあるな…。夢は果てしなく何処までも膨らみ続ける。

そして、ついにその日が訪れる。

自ら提出した内閣不信任決議案を可決させ総理を辞任した落塚内蔵・元総理君。

彼が1000回目の金字塔として選んだ転職先とは?


次回あらすじ大作戦『ライク・ア・ローリングストーン』に、ミック・ジャガーも演歌歌手に転職したくなる!