あっ……引き返しませんでしたね。
仕方ありません。
では、始めましょう…。
――――――――
舞台の上には一台のグランドピアノが置かれている。明日のピアノコンサートで俺が弾くピアノだ。
深夜。誰もいない会場はシンと冷え込み、静まり返っている。
俺は明日のコンサートに向け、最後に一度ピアノを弾き、その感覚を確かめておこうと此処にやって来た。
観客席から数段の階段を登り、舞台上へと上がった俺は、黒光りするグランドピアノの元へと歩み寄った。だが…
ん?
ピアノの鍵盤、白鍵の一部に汚れが付着している事に気づいた。
黄色いような茶色いような、ねっとりとした粘性の高そうな物質が白鍵の二ヵ所にべったりつけられている。
この物質には確かに見覚えがあった。信じ難い事だが、それはウンチ…いや、ウンチョスであるように俺には見えた。
だが…しかし…
何故、ピアノの鍵盤にウンチョスが?
俺は混乱していた。誰かが此処で用を足したとでも言うのだろうか。わざわざグランドピアノの椅子に上がり、鍵盤に向けてウンチョスをひねる…。
有り得ない。それは俺の想像を遥かに超えていた。しかし、だとしたら、この事態はどう説明すれば良いのか?
考え始めて間もなく、俺はある重大な事実を発見した。
それは、この物質がつけられている二ヵ所の鍵盤がミとソであるという点だ。
“ミ”と“ソ”…
ミソ…そう…「味噌」だ。
俺は苦笑いした。
これは恐らく、アレクセイの仕業に違いない。アレクセイというのはジョーク好きのピアノ調律師だ。
彼はつい先程迄、このピアノを調律していたはず。
なるほど。調律を終えたアレクセイは、俺が最後にもう一度ピアノを弾きに来るのを見越して予めジョークを仕掛けておいた訳か。
鍵盤に味噌を塗り、それをウンチョスと思わせ、俺をドキッとさせる。しかし、謎を解くヒントはちゃんと残す。
それが、“ミ”と“ソ”、二つの鍵盤だ。
謎が解けた俺は、スッキリとした気分で椅子に座り、鍵盤に味噌をつけたままピアノを弾き始めた。
すこぶる調子が良い。指がいつになく滑らかに動く。鍵盤に塗られている味噌が潤滑剤の働きをしているのだろう。
やがて華麗にピアノを弾き終えた俺は指の匂いを嗅ぎ、呟いた。
「…やっぱ、ウンチョスだったか」
【終】
↓↓↓
↓↓↓
↓↓↓
(注)ウンチョス……トウモロコシの粗挽き粉をコーヒーで溶き、ココナッツオイルやサトウキビなどを混ぜてペースト状に練り上げた食品。
インカ帝国を発祥とし、中南米の一部の地域では現在でも人気がある。トーストに塗って食べると美味らしい。なお、ウンチョスを作る事は現地の言葉で「用を足す」と表現される。
まさかとは思いますが…
別の物を想像してしまった…
そして、思わず顔をしかめた…
そのような方…よもやいらっしゃいませんよね?
当劇場は品性の高さを基調としております。
あるまじき物を想像してしまった方は、反省文を7日以内に宜しく提出するように。
反省文か☆☆☆で区切られてるとこに笑ってしまった(笑)ヾ(*T▽T*) というか、反省するポイントが変わってるなあ〜♪アレクセイ…あれ臭せえ…気づかなかった(//∇//)
いや、この話ねえ…実はけっこう前に思いついて
たんだけど…なんかちょっとマズい気がして(笑)書くの控えてたのよ(/▽\)♪ でも、まあ…ひんしゅくを恐れずチャレンジ精神で書いてみようかなと♪
で…ウンチョス関連のツッコミ!もう、完璧に【新八】の声で聴こえて来たんですけどー!(笑)(*≧∀≦*)
新八再現度が半端ないわ(笑)気分はもう銀さん…もしくは長谷川さん♪
今昔物語は知らなかったな〜( ☆∀☆)
七つのウンチョスボール…きっと、七つで全ての健康状態を網羅してるんだろうな(*´∇`*)これから探しに行ってきまーす♪
あれ臭ぇ!!とか思っちゃってマジゴメントス☆☆☆
わざわざグランドピアノの椅子に上がり、鍵盤に向けてウンチョスをひねる・・
ひねる・・!!やけにリアルで生々しい表現だ(笑)黒ポツだらけでバッテンの絆創膏貼っているツーケー想像してしまったじゃないスか!!
あと今昔物語?思い出した♪
平中「もうあの女性を諦めよう・・そうだ、排泄物を見たら幻滅できるぞ!」→下女から排泄物を奪い取る→しかし意中の女性は排泄物に模した食物(しかもいい香り)を入れていたのであった→平中、恋煩いの後死亡
ウンチョスを作る事は現地の言葉で『用を足す』
いやいやそれってもう日本のUNKとリンクしすぎですから〜!!偶然にも程がある!!(泣笑)もう、ウンチョスとUNK同一物質でよくないッスか?O(>▽<)O
世界中に遍在するUNKによく似た食物を七個集めると願いがひとつ叶うというそうじゃ・・これはワシが若い頃中国の山奥で見つけたウコン。これをそなたに授けよう。あと五つ探してくるのじゃ。では幸ウンを祈る・・
(*≧∀≦*)
ウンチョスというマイルドな言い方、子供の頃ですけど、こちらでも一般的でした♪ヽ(´▽`)/
↑確信犯中の確信犯(笑)
家康の“焼き味噌 発言”、ありましたねー(笑)ヾ(*T▽T*)
このイタズラを仕掛けた調律師は恐らくそのエピソードを知っていたに違いない(/▽\)♪
ウンチョスって言い方(ごまかし方)があるので、ついてっきりそっちかと……。
ついでにウンチョスの解説見てかの家康公の三方ヶ原だっけでの敗戦後の焼き味噌エピソード(一説によると疑う家臣の目の前で“喰ってみせた”とも)すら思い出してしまいました。
ごめんなさい。
……でも、「俺は悪くぬぇえ!」←反省しとらんがな(笑)。
その潔い反省態度…インカ帝国の人たちにも見習って欲しいぐらいです(^-^)v
というか…私はその一万倍ぐらい反省しないといけませんけどね(笑)(/▽\)♪
この度私ことしろのらはウンチョスをう○こと…
あまつさえウンチョスを食べて出したものをさらにこしたらウ○コスだよねとまで…