2012-9-28 19:00
砂漠の旅人と三人の救世主(前編)。
話題:創作小説
焼けつくような太陽と容赦なく吹きつけてくる砂塵。果てどない砂漠の真ん中で、その旅人は今まさに力尽きようとしていた。キャラバン隊とはぐれて数週間、ついに食糧も尽き、水も尽きた。もはや歩く力もほとんど残されてはいない。
(アア、私の儚い人生はついに此の果てなき砂色をしたキャンパスの上で潰えてしまうのだ…)
最期の思考を終え、旅人は砂の上に突っ伏した。これにて我が人生は一巻の終わり…
ところが、その時、突如として旅人の前に全身を白い胴衣に包んだ不思議な老人が現れたのだった。老人の手には?の形をした長い木の杖が握られている。
「…これが世に聞く砂漠の幻か」
旅人は薄れゆく意識の中でそう思った。しかし…
老人「いや、わしは旅の仙人じゃが…何かお困りかな?」
それは幻ではなかった。まったく何という展開!行き倒れる寸前で仙人に出逢う確率は相当に低いだろう。降って湧いた希望にやや正気を取り戻した旅人は、先ず類い稀な幸運に感謝した後、仙人に事の経緯を話し、そして当然の如く、こう言葉を結んだのだった。
「どうか私を、この非情な砂の大地から救いだして下さいまし」
すると仙人は全てを悟ったかのようにウンウンと頷きながら、こう語った。
老人「では、わしの仙術でお前を砂漠の外の街まで瞬間移動させてやろう」
「嗚呼、何と有り難い!! 仙人さま、よろしくお願い致します」
老人「うむ。では、始めるが…体にかなりのG が掛かる故、目をしっかりと瞑り、歯をグッと食い縛るのじゃぞ」
旅人は云われた通りに目を瞑り歯を食い縛った。
老人「では参るぞ」
「はい」
老人「ムニャムニャムニャラムニャラムーニャラムニャーラ…」
仙人が怪しげな呪文を唱え始める。瞬間移動の経験がない旅人は来るべき衝撃に備え身をギュッと硬くした。
老人「ムニャーラ…ホイッ!!」
くる!!
と思った、その瞬間!!
ドッコォーーーーン!!
虚空から落ちてきた巨大な金ダライが旅人の頭を直撃した。
老人「…すまん。失敗じゃ」
「…へっ?」
老人「我ながら何たる未熟。崑崙山で修行をやり直さねばなるまい…さらばじゃ、旅人よ」
そして仙人は、少し顔を赤らめながら手近な雲に乗り、ピュイーッと飛び去ってしまった。
(今のは…何だったんだ?)
落下直後は金ダライの衝撃によりハラホロヒレハレ〜♪となっていた旅人だったが、時間が経つにつれ、どうやら逆に金ダライの衝撃で意識がシャキンとしてきたようだった。
旅人は再び、何処まで続くとも知れぬ砂漠を、金ダライを抱えて歩き始めた。
その数日後…
一時は仙人ショックで気を取り戻した旅人に再び限界が訪れていた。
(今度こそ、もうダメだ…)
ところが、ここでまた旅人に一つの奇跡が訪れたのだった。
霞む砂漠の風景の先に、小さいながらもオアシスを見つけたのである。オアシスの真ん中には公園の噴水程度の大きさながら湖があり、その周りには数本の椰子の木が立っている。
(た、助かった…)
旅人は最期の気力を振り絞り、オアシスに辿り着くと、湖に顔を突っ込んでガブガブと水を飲み始めた。水はやや生ぬるく、何故か少しゲータレードの味がした。
取り敢えず一息ついた旅人は、これから先の事を考えて始めた。このままオアシスで砂漠の行商人たちが通りかかるのを待つか、それとも、体力が回復したのを機に一気に砂漠からの脱出を目指すか…。
旅人が思案に暮れていると、不意にギリシア竪琴の美しい音色が響き渡り、湖から煌めく無数の小さな光が立ち昇った。
(これはいったい!?)
〜後編へ続く〜。
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プロフィール
性 別 | 男性 |
系 統 | ゴージャス系 |
職 業 | その他 |
血液型 | AB型 |
おっ、何気に鋭い事を言ってるぞ!\(゜o゜;)/
そうなのよ。重力ーGってなんか言葉の表記としても重い感じになる事が多いのよね(*_*)
で以て、私が一貫して掲げているテーマの一つに【重力からの解放】というやつがあるから、Gで引っ掛かっているのを見た時ちょっとドキッとした(笑)(//∇//)
で…砂漠のイメージはやっぱりそうだよね♪実は私も梶井氏と同じイメージを砂漠に関して持っていたのだけども、たまたまこういう写真が撮れて…と云うか、出来上がって…(ああ、こういう砂漠もアリかもなあ♪)と思って、まあ、こういう話を書いてみたという(´▽`;)ゞ
で、そうだよね♪
こういう“砂漠を独りで放浪する”、ある種、寓話的イメージって、人間共通の心象風景の一つなのかも知れないなあ(・∀・)ノ
そしてしそして(笑) 王道のキャラクターたち!!(*≧∀≦*)
いや、まさに梶井の言う通りで、書いてる側からしても登場して来た時の安心感が違う(@^▽゜@)ゞ
下手すりゃ、キャラが勝手に動き出したり喋り始めたりする\(゜o゜;)/
奴らは間違いなく、この世界と繋がっている何処か別の世界に存在してますぜ三( ゜∀゜)
そう♪一巻の終わり”と書くのだ♪ヽ(´▽`)/
昔は、栄枯盛衰とかを物語や絵巻物で書いて残す事が多かったからそうなったのではないかなあ〜と思ってるo(^o^)o
一巻の終わり”…紙芝居屋のオジサンなんかがよく使ってたフレーズで、なんか妙に調子が良くてね〜、気分が盛り上がるのよ(笑) (*≧∀≦*)
で、私もそう思う♪
一巻の終わりは二巻の始まりだ、と♪ヽ(´▽`)/
やっぱり、このフレーズには“実はまだ続くんだよ”って逆説的な意味が隠されてるような気がするなあ〜( ☆∀☆)
で…仙人が二頭身になるの、確かに想像出来るわヾ(*T▽T*)
ミーアキャットって例えも梶井氏らしくていいし(笑)♪ヽ(´▽`)/
ゲータレードはね〜(笑)…まあ、風景設定というか物語の箱には古い物を使いつつ、中で動く人はちょっと現代風味にしてみようかなと(*≧∀≦*)
こういう、時間の制約を外せるとこも物語の醍醐味の一つだよね(〃⌒ー⌒〃)ゞ
あと…渇いた旅人の為にも浸透圧をちょっと体液に近いものにして素早く吸収させてやろう♪という親心みたいなものが軽く出たかも(/▽\)♪
続く♪
あっイッカンの終わりってこの漢字だったんだ人生ははてしない物語‥一巻は終わっても二巻、三巻‥永遠に続いていく‥浪漫があるな♪♪
瞬間移動にはGがかかるのかでもなんか納得できる(笑)Gはグラビティ‥重力‥他の言語を見ても濁点から始まるんだろうか重い感じがよく出ている
仙人は、少し顔を赤らめながら手近な雲に乗り、ピュイ―ッと飛びさってしまった
ピュイ―ッって擬音がかわいらしいな(*´∀`*)なんかすごい無邪気な小動物‥ミ-アキャットみたいな俊敏性がある最初は8等身なんだけどこの場面で2等身にパッて変わるの
ハラホロヒレハレ〜もひっさびさに聞いた!!(笑)
水はややぬるく、何故か少しゲ-タレ-ドの味がした
ここが激しくツボ今まで砂漠‥旅人‥仙人と古めかしい時代だったのに何故か現代日本の飲み物がなんの脈絡もなく登場(笑)しかもゲ-タレ-ド(笑)
クリ-ム色でね粒子が細かい砂漠そぃでひとつひとつの山がデッケ-んだこの写真は砂の粒が大きくて小さな山が無数にある‥
いろんな場合があるけれどこの場合は写真が最後にあってよかったなぁ♪自分が想像した砂漠と様の撮った砂漠2種類楽しめるから
【波瀾万丈】【孤立無援】‥誰もが見る心象風景だけど、そこから抜け出すのは自分の足でなきゃいけない【孤軍奮闘】ひとりで切り抜けないといけない時もある
仙人女神ドラえもんは旅人に力を与えるのではなく旅人の中にあるチカラを引き出した
それもコントで
笑いのチカラは偉大だなあ〜
でで
よ〜く考えると仙人の金ダライ泉の女神ドラえもんって王道中の王道
王道の笑い
ってすげ-パワ-を秘めているんだなって今更ながら気付いた!!!!!
しかも王道の笑いは時を越えることが出来る
ね、送ってあげれば良いのにねぇ┐('〜`;)┌
そういう発想がなかったんたろうね
それとも、二人乗り禁止なのだろうか?(´▽`;)ゞ
修行に行く前にその雲で送ってあげればいいものを…
( ̄▽ ̄;)