話題:SS
不意に視線を感じた町村が顔を上げると、いつの間にか仁来が町村の方を見ていた。その視線は、明らかに鋭さを増している。どうやら、仁来は仁来で何かしら思うところがあるようだ。
『仁来さん…』
思わず呟いた町村だったが、仁来はそれを征するように片手を上げ、云った。
『順調です、続けてください』
いったい何がどう順調なのか町村にはサッパリ判らなかったが、仁来の言葉には有無を云わさぬ力があり、町村はそれに従うより他なかった。
ここで町村は、事件の核心に一歩踏み込んでみようと考えた。
『ちょっと、これを見てくれないか』
そう云いながら町村が机の上に一枚の紙切れを置く。
『何ですかこれ?』
『今回の連続窃盗事件で盗まれた物のリストだよ。なあ、お前さんが犯人かどうかは別にして、このリストを見てどう思う?』
容疑者が目でリストを追いながら答える。
『なんだか…このリストには一貫性が無いように思えますね』
その感想は正しい。事実、リストに記載されている品目に関しては町村も容疑者同様に感じている。ところが【EMMA】の文字は赤色を表示していた。つまり容疑者は、本心ではこのリストに“一貫性がある”と思っているのだ。
やはり容疑者は、この連続窃盗事件について確実に何かを知っている。
しかし、町村は敢えて、その部分には触れずに容疑者に合わせる格好で話を進めた。
『やっぱり、そう思うか。いや、ね…これは実は連続窃盗事件じゃなくて、別個の窃盗事件じゃないかって俺は思ってるんだよ』
それは半ば町村の本音でもあった。これでもし、防犯カメラに同じ男の姿が映っていなかったら、間違いなく、十六件は“別口の事件”として扱っていただろう。
《続きは追記からどうぞ》♪
勿論それには理由がある。現場に一切証拠を残さない手馴れた手口から見て、これは大規模な窃盗団か、若しくは相当な熟練者の仕業によるものと考えられる。
そして、そういう場合、犯人が狙うのは、車なら車、美術品なら美術品と、ジャンルが決まっているのが普通なのだ。
窃盗というのは、盗む技術が優れているだけでは駄目で、盗んだ品物を如何に上手に売りさばくか、そこが重要となる。そのルートは大抵、自動車密売ルートや美術品密売ルートなどジャンル別に分かれて存在する事が多い以上、窃盗グループも自ずと得意な窃盗ジャンルが決まってくる、というのが、町村が経験上得ている窃盗に関する知識であった。
だが、今回はどうだろう?一応、“連続窃盗事件”と銘打ってはいるものの…どうにも、セオリーに当てはまらない事ばかりだ。
これが素人の万引きと云うならまだ判る。しかし、台所用スポンジは良いとして、流石に素人は大学病院に忍び込んで医療用の“除細動器を盗んだりはしないだろう。
ん……待てよ。
ここで町村はふと或る事に気付いた。
何も“売りさばく目的”で盗んだとは限らないのではないか?
町村は、昔読んだSF小説を思い出していた。
世界中で、航空機やら自動車やら公園の遊具やら様々の物が消失するミステリアスな事件における犯人は外惑星から来た宇宙人で、目的は主食である“鉄”の調達だったというストーリーだ。
出来の悪い小説ではあったが、地球人にとっては交通手段であったり遊具でしかない物が、彼らにとっては食糧であるという、物事の持つ多面性という部分に町村はハッとさせられたのだった。
そう考えると今回の事件でも、盗まれた品々を我々の常識に当てはめて考えるのは間違いなのではないか?
やはり、このリストには何かしら一貫したものがあるのだ。但し、それは“一般的な人間”の常識の外に存在する。
しかし…
そこから先は、幾ら考えても判らない。町村は雲を掴むような気分になっていた。
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さあ、ゴール(完結)まであと16ミリメートルです♪〜θ(^0^ )
背景まで全て描き切ろうとすると、下手をすれば(PART100)まで行きそうな雰囲気ですので、今回は『続編も有り得るぞ♪』といった感じの終わらせ方にしようと思っております(゜∇゜)
すかさず使わせて頂きました
いやはや、このジャストタイミングすぎるシンクロは ちょっと怖いぐらいです
しかも、何故か このやり取りがデジャヴだという 訳の判らないオマケ付きで
月には絶対 何か秘密が
これぞシンクロ占い
いゃいゃ、私が月の使者だと云う事は御内密に
もう、焦りまくりで考え始めた時に飛び込んできた
助かりました
しかも 帰り道、『今夜の月は何でこんなに大きく見えるんだろう』と思っていたところなので、本気でビックリしました
す、鋭い
サイヤ人か狼男の血が混じっている証拠です(^Θ^)
そして
ラッキーアイテムは
カステラの下側のザラメ
わわわっ
た、助かりました
もし教えて貰ってなかったら、多分 そのまま気づかなかったと思いますサークルKサンクス
蟹江敬三氏が延長されなく本当に良かった
うお民っ
いやあ〜 そう言って貰えるとこの部分 書いて良かったなあ〜と思えるさ
ストーリーを早く進めて終わらせるなら、この部分は描かない方がいいかなと ちょっと迷ったんだけど…やっぱり場面の厚みって点で描いておきたかった
だから、そこを感じとって貰えるのは めちゃ嬉しい
サンクス
ナニュ
うぉっ!
深いぞっ
なんか、勉強になったぞっ
そうだぉねっ♪
一般的な常識に捕らわれず、多方面からの見方大事だぉねっ
なるほどぉ〜
何のトキにも役にたつなぁ〜♪
+.(人´Д`*).+゜.
人間の心理を深くついた展開にっ
ますます、続きが楽しみになる みぃうでしたぁ〜
それにしても、トキノっち転売ルートに関して詳しいなぁ〜
もしや、その筋の方…?
なぁ〜んてコトは無いけどっ…
細部までのリアリティにプロ意識の高さを感じて ますます尊敬だどっ
バレましたか
そうです
SP戦法なのです
いやあ この話の場合はですね…
まず最初にオチが頭の中にあったのです
それで、ああ楽勝だなと
で…話のスタート地点をオチに近いところ(既にウソ発見器を使って取り調べてる状態)から始めれば、悪くとも《前後編》ぐらいで収まったのですが…
もう少し話を膨らませようと スタート地点をやや遠めに設定したらば、結末地点(オチ)に道が通じていなかったという…
急遽 新たに結末を再設定したところ、思わぬ距離になってしまったという訳です
ああ、それは
蟹江敬三氏のヒゲの剃り跡次第です
剃り跡が青々としていれば情熱度も急上昇するのですが…そうでない場合は…ファイヤーダンスとリンボーダンスを同時に行ってみてください
着地ポイントは一応定まりました
…砂漠ですけど
ゴールまでの16ミリ…更なる超ウルトラスロー映像でお届けする事になろうかと
こんばんは(^-^*)/
こりゃ〜続編も有り得るぞ
それは、かの有名なSP戦法ですねっ
こういう作品を書く時って、大雑把な筋書は練ってあり、書きながら肉付けしていくのかなぁ。
それとも、全く白い状態から書き進めているのかなぁ。
どちらにしても、すごいなぁ
続き
楽しみっ
(*´艸`)
やはりこれでは情熱度は低くなってしまうのでしょうか
ハイ…
ガ~ピュルルル…
シロトデタトデツ…
それは大変だ
もっと情熱を注ぎ込まなければ
┏━┓
リンボーA
まさか日が変わってすぐ深夜一時くらいに・・
なんて
結末の着地点は固まったようですね