傘を畳んで
見上げた空は
相も変わらぬ
灰色のまま。

それでも

道端で暮らす
花達は
そこかしこに
色づいて

まるで
雨の一日を
祝福するかのよう。

ひととき途絶えた
雨音に

垣根の下から
自由な猫が
顔をだす。

ミストのような
時間が流れる
優しいデ・ジャ・ヴは

束の間の雨上がり

雨と雨の隙間が
見せた

安らぎの顔。