話題:連載創作小説
人も街も何処かキラキラと輝いているように見える晴れた土曜日の朝。
初めて立ち寄った雑貨屋で、菜奈は硝子棚に並ぶ様々な紅茶用のカップを眺めていました。
時計の針は午前10時を少し回っていました。
その店は、表通りからは少し奥まった場所にひっそりと構えている小さな雑貨屋で、実を云うと以前から少し気になっていたのでした。
けれども実際に菜奈が店の中に足を踏み入れるのは初めての事です。
その、如何にもヨーロッパの古い街によく似合いそうな小ぢんまりとした雑貨屋は、裏通りと云う場所柄も手伝ってか何処か【隠れ家】のような陰美な雰囲気を店の建物全体に纏っていて、入り口の古びた扉の前に立つと…
「どうぞ、お気に召した方のみお入り下さい」
店が語りかけてくるような、そんな不思議な感覚を来訪者に与えているのでした。
上手く説明するのは難しいのですけど、店の波長と自分の波長がピッタリと合った時にしか扉を開く事が出来ない場所‥
菜奈には、そんなふうに感じられました。
おそるおそる足を踏み入れた店内は思ったよりも狭いものでしたが、それでも、レイアウトが素晴らしいのか、息苦しさは全く感じられません。
並んでいる小物も、取り立てて奇をてらったふうもないのに、他の店では見ないような何処か独特の印象を与える物ばかりでした。
その中には幾つか菜奈の気を惹く品‥例えば、ルビーのような輝きを持つクリスタル製のキャンドルスタンド‥などもありましたが、今日買う物は既に決まっています。
《続きは追記からどうぞ♪》
もちろん、それは【紅茶カップ】です。
菜奈は、気に入った物を長く使い続けるタイプの人間でしたから、たかだか【紅茶カップ一つ】を選ぶのにも、ついつい慎重になってしまいます。多少、値段が高くてもいいから気に入った物が欲しい。もちろん、値段は安くても気にしないし、安いに越した事はないのですけど‥。
そんなふうに、幾つかの紅茶カップを手に取ったり棚に戻したりしながら、どれくらいの時間が経った頃でしょうか…
棚の一番隅っこに、目立たない感じでポツンと置かれている一つの白いカップが、ふと、菜奈の目に止まったのでした。
それは、ロイヤルコペンハーゲンの最高級品のように繊細で優美な感じの造りではなく、どちらかと云えば、その辺で売っている廉価なマグカップに近い物だったのですが、妙に菜奈の心を捕らえる“何か”がそこにあったのです。
それで、手を伸ばしてカップの持ち手を掴んで軽く持ち上げてみると、なかなかに良い感触です。指先にフィットする感じがあります。
重さも、軽くもなく重くもなくといった感じで‥もし、ここに七分目くらいまで紅茶を注いだとしても、ごく自然な形でカップを口まで運んで行けるでしょう。
菜奈は、そのカップに紅茶を注いで飲む自分を想像してみました。
うん、やっぱり良い感じです。
そのカップを使っている自分の姿がイメージ出来るかどうか、菜奈にとってそれは、とても大切な事でした。
そして、棚に置いてある時には気が付かなかったのですが、それまでは無地と思っていたカップの裏側に、柔らかな白い背景の中に【淡い檸檬色の仔猫】が一匹、こちらに背中を向ける形でチョコンと座っている姿が描かれている事を、菜奈はカップを手に取って初めて知ったのでした…。
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〜《2》【よく晴れた土曜日の朝は、人も街も何処かキラキラと輝いている】終わり〜。
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《華麗なる後書きコーナー♪》
おぼろげながら話が見えて参りました(私が)
恐らく、そう長い話にはならないと思います♪(^∀^)ノ
問題は…“ネッシー”の登場をいつにするのか…と云う事でしょうか。
(°□°;)『おいっ!ネッシーが出てくるような話じゃないだろっ!』
…仕方ありません。それじゃ、“ネッシーは出て来ない方向”で話を進めたいと思いますp(´⌒`q)
ねね
白い背景に淡い檸檬色の子猫
イメージ浮かぶでしょ? マグカップに似合いそうな絵面だし
あと、妙に ひっそりとやってる雑貨屋もあるよねぇ 魔女とか居てもおかしくない感じのさ
と云うか…
私の中の小人
私(ペコボックル)の中の更に小人
…どれほど 小さいのか全く想像がつかない
こんばんは
白い背景に淡い檸檬色の子猫
今、自分の目の前にあるかのように想像できますね
それにしても、こんな隠れ家みたいな雑貨屋さんってありそうですよね
ウチの近所にも気になる雑貨屋さんが2件あるんですが、1件はつい最近見つけたのですが、残念ながら見つけたときは定休日なのかしまってて、もう1件は昔から知ってるのですが、入っちゃいけないって私の中の小人が囁くので入ったことはないんですけどね
そうなのよ
自分の姿を想像してみる
ここ、菜奈の性格だけだけでなく物語の性格って意味でも重要なところだと思うから、そこを取り上げて自分に置き換えてみてくれたのは凄く嬉しいな
で…そうだよね
これは元々、連載用じゃなくて一編の童話だから、完結してからまとめてゆっくり読むのがベストかも知れない
こんばんは
なんだかこのお話はゆっくり読みたいなぁ〜と思って、先を読むのをずっと我慢してます
言葉を追っていくと、奈菜の行動や仕草のひとつひとつが想像できて、とてもわかりやすいですね
菜奈は、そのカップに紅茶を注いで飲む自分を想像してみました。
なんていうか、今まで全然気にしてなかったけど、服や物を買うときって確かにその自分を想像してるなぁと改めて活字で言われてみると面白いね
ネッシー犬の墓標とは!(◎o◎)
非常に気になります♪(笑) もしかして、“ネッシーブーム”の頃の古い墓標とか(?_?)
で…これから先の展開なのですけど…
大丈夫です♪ 恐らくサスペンスホラーにはならないと思います(^∀^)ノ 現代童話(短編)みたいな感じでいこうと考えております♪
土曜日の朝のキラキラした感じが伝わったのなら嬉しいです
休日の朝 よく晴れた日 裏通りにある小さな雑貨屋 そんな 小洒落た雰囲気を感じて貰えたら良いなあ〜と思いながら書いていたので
で、そうです
この猫ちゃんカップが 物語の もう一つの主役なのです
なるほど
プラッシーなら出せるかも
ラストシーンで菜奈が その紅茶カップでプラッシーをがぶ飲みするとか
で、プラッシーって今もニュープラッシーの名前で売ってるみたいです …見た事はないけど
……いや、近所に“ネッシー犬の墓”と言う墓標が有って(愛犬の名前だと思うけど、その辺へ犬葬るに、わざに墓標作るとか、一体どんなドラマが……?)
不思議な店で買う素敵なカップには、おや何やらイラストが……と言うと三原千恵利(マンガ家)の死神が骨董屋してるシリーズみたいですが、まさか以後サスペンスホラー展開じゃ無いですよね?(とらうま。)
なんらか本当にキラキラちた雰囲気が読んれてめためたちゅたわってきまちたん
ネコちゃんにょ絵が描いてあるマグカップがこれからにょキポイントににゃるれちょとコハルわ思ってちまいまちたん
プラッシーてまだあるんですかね