話題:ハプニング

電車への駆け込み乗車…恐らく誰しも経験がある事でありましょう。

また、経験が無い、という方でも目撃した事ぐらいはあると思われます。
勿論、これは決して褒められた事ではなく、時には事故につながる場合もございますから、やらないに越した事は無いのでありますが…

他人の駆け込み乗車、特にそれが失敗に終わった場合等は、なかなか興をそそる物がございまして、思うに、こういう場合、人間が取る行動は幾つかのパターンに別れている様な気が致します。

まずは…

目の前で扉が閉まった後も、体の勢いが止まらず、おもむろに体操などを無理矢理始める「仲本工事タイプ」。

そして、これとは逆に…今の今までイノシシの様な顔で走って来たにも関わらず、失敗したと見るや否や、まるで何事も無かったかの様に、涼しい顔をして悠然と白線に沿って歩き始める「イギリス紳士タイプ」。

また、中には…

恥ずかしさを隠す為、あくまでも、ちょっとした怒りのポーズとしてなのだが、無謀にも巨大な鉄の塊に軽く蹴りなどを入れてしまった為に、足をクジくなどして余計なダメージを頂いてしまう「ドン キホーテタイプ」。

はたまた…

とっくに“行ってしまった”電車を、未練がましく目を細めて見つめ続ける「横浜たそがれ〜五木ひろしタイプ」。

ひたすら哀れを誘う目付きで、周囲に同情を求める「捨てられたダンボールの子犬タイプ」。

何故か自分でウケていまい、“この愉快な出来事”をホームにいる全ての人達と共有しようと微笑みを振り撒く「福助タイプ」。

…等が、見受けられるのでございます。

恐らく、まだ他にもパターンはあるかと思われますが

ならば、こういう場合、どういう行動をとるのがベストなのか、という質問につきましては、

『どうぞ御自由に』

やはり、そう答えるのが正解でありましょう。

いずれにしても…次の電車を待つしかないのでございますから。

と云ったところで、「失敗」について語ったならば「成功」についても語らなければ“記事としての据わりが悪くなろう”というものでありますが…

一口に『駆け込み乗車成功』と申しましても、これまた様々なパターンがございまして…

まず最も多いのが、ごく普通に間に合ってしまうパターンです。

しかしながら、これはもう言語道断と申しますか、全くの問題外でありましょう。

卑しくも、駆け込み乗車というのは周囲に対して期待感を煽る行為でありますから、それをこんな形で終わらせてしまうのは、残念ながら「甚だ無粋である」と言わざるを得ないのであります。

ならば、どういったパターンが理想的であるのか?

ここから先は、その辺の「起こり得る事態と、その後の理想的展開」について考えていきたいと思います…