今だから話そう…
あの、虹色に輝く卒業式の話を…。
☆☆☆☆☆
あれは忘れもしない中学の卒業式の日。
最後のホームルームで、クラスの全員が一人一人それぞれ簡単な挨拶をする事になった。
そこでは、先生や友人に対する感謝の言葉を述べる者もあれば、三年間の思い出を語る者、或いは未来へ向けた決意表明をする者もいた。
独特の熱を持った不思議な空気の中、ついに私の順番がやって来る。
私は、肩幅に広げた両手を机に突きながら厳かに立ち上がると、先ずは教室にいる全員を端から端まで、サーチライトのような目付きで見渡す。
その威厳に満ち溢れた姿は、まるでシェークスピア俳優であった。
マクベスを演じる平幹二郎か、はたまたハムレットの鹿賀丈史か‥
そして、某クイズ番組の【ミノモンタ氏】の如く、たっぷりと間を置いたのち、重厚な口調で最後の挨拶をする…つもりが、どういう訳だか、口から言葉が出るより先に、鼻から風船の様な物が飛び出したのであった。
鼻から生まれる風船を人は鼻提灯と呼ぶ。
確かにその時、私は鼻がグズグズしていた。
しかし!寄りによってこの大事な場面で出現するとは!!
当然の事ながらクラス全員の注目は、私ただ一人に集まっている。
そこに来て、まさかの鼻提灯お目見え‥
『嗚呼ロミオ!貴方はなぜロミオなの!そして‥なぜ鼻提灯をぶら下げているの!』
教室にいるジュリエット達の、そんな心の叫びが聴こえてくるようであった。
しかし‥我がシェークスピア悲劇は、まだ終わりを告げない。
ロミオの鼻提灯は瞬く間に膨張し、顔の半分を占める大きさにまで達したのである。
自分史上最大の鼻提灯…いや、それ以上…ギネスブックに申請したい程、見事で強度のしっかりとした鼻提灯であった。
鼻提灯はシャボン玉のように虹色に輝いている。
深緑色した黒板も、少しくたびれ所々が欠けている教卓も、その向こう側で立つ寂しげな顔の先生も、愛すべき級友達も…全ては虹の向こう側。
虹色のプリズム越しに眺める教室は、どこか幻の風景のようであった。
そして‥限界まで膨らんだ鼻提灯は、パチ―ンと音を立て弾け散っ‥てくれれば、まだ良かった。それならば、皆も一斉に夢から醒めたであろう。
あろうことか、その巨大な虹色鼻提灯は‥
シュルルルル…
何事もなかったかのように、再び私の鼻の中へと戻って行ったのである!
初春の昼下がりに突如として訪れた『真夏の夜の夢』。
教室の仲間たちも、何が起こったのか判らぬふうで、一同キョトンとした表情をしていた。
その先のスピーチで自分が何を話したのか、正直まるで覚えていない。
覚えているのは‥
虹色のプリズム越しに眺める見慣れたいつもの教室が、夢の中のような美しさであった事‥
そして、黒板の上の壁に掛けられた飾っ気のない煤けた時計の秒針が、虹色の景色の中では確かに“時を刻むのを止めていた事”であった‥。
最後のホームルームが終わった後、女子の一人が近付いて来て言った‥
『ありがとう』
私は最初、言葉の意味が判らなかったが、彼女がシェークスピアの【夏の夜の夢】を手にしているのを見て、その意味を理解した。
それは数ヶ月前に私が彼女に貸して、そのままになっていた本だったのであった‥。
出た(笑)ナルシシスト発言
教卓で虹色の鼻提灯を出す様を見る寂しげな先生の顔想像して吹いたし!!
威厳に満ち溢れた(笑)重厚ないでたち(笑)うむ‥それもいいけど(笑)(笑)(笑)やっぱり今回の方が‥いい気がするなシュルルル‥とおうちに戻っていく鼻風船ちゃんがメッチャかわいいんですけど
パン
て裂けたらこの夢のようにボゥ‥っと輝く余韻は無かったと思う‥嗚呼やっぱ重厚な演説よりもこっちが好きかも(笑)厳かなスピ〜チはまたの機会に聞いてみたいや
なんか‥水中花やスノードームみたいに鼻風船の中にその時の光景が閉じ込められていてどこかのセカイをふわふわただよっている‥
そんな気がするのです(*^∀^*)
ジュリエットのありがとう‥本のお礼だけではなく‥何かもっと根元的なものへのありがとうのような気がする‥讃美歌のような響き‥
特技とは
参りましたで御座います
鼻提灯って、なかなか作ろうと思って作れる物では無いので‥もしかしたら本当は喜ぶべきなのかも知れないないと 今はちょっと思っています
お〜L(・o・)」
偉大なる鼻ちょうちん(*^_^*)
私しゃも小学生二年生頃、特技の如く作り出していました(*^_^*)
みんなに汚ながられました( ̄ー+ ̄)ニヤリ
そうなのです
私には幾つかの封印された 黒歴史 があるのです(*_*)
もっともこれは虹色の●黒歴史と云う…何色なんだかサッパリ判らない物ですが(笑)(≧∇≦)
それにしても、
シェークスピアって本当にいいものですね
↑
この一言が全てを表しているような気が、かなり本気でしています(笑)
(≧∇≦)
しかも密かに伯爵に恋心を抱いてゐた乙女達もいたであろうこの教室において…彼女達の『真夏の夜の夢』の結末や如何に?
みたいな妄想を繰り広げてしまいました(笑)。
いやあ、シェイクスピアって本当にいいものですね(笑)。
(≧∇≦)
フィクション……と言いたいところだけど……98%ぐらいはノンフィクションなのでした
まあ…私だから事もなさげな感じで済んだけど(どういう意味だ?)…非常事態であった事は間違いない
アメリカの子供とかがフーセンガム やたら大きく膨らませるシーンあるでしょ?
まさにあんな感じで鼻提灯が…
あの虹色鼻提灯で飛んで行けたら…或いはオズの国に辿り着けたかも知れません
ダッタン人もびっくり!!(゜∇゜)
(≧∇≦)
British Englishのきついキリスト教概論の先生
それだけでもう十分なシェークスピアのイメージが湧いて来ました
幸い私は大勢を前にしての演説などは得意で全く動じないので助かりましたけど…最後の最後にとんだハプニングでした
娘さんは……母親ならば当然だと
やっぱり母親にしか出来ない役割と云うのがあると思いますから
残念ながらこれは………実話なのでした
まさか、あんなに大きい鼻提灯が出来るとは
まあ、ある意味…神が降臨したと言えなくもない感じではあるけれども(≧∇≦)
残念ながらこれは……………
実話です
フィクションなら良かったのに…
いやはや、悲劇と喜劇は本当に紙一重だ
ヘリウムガスで空高く
その上昇速度はダッタン人の矢よりも早く
ぶっ!ぶははははははははぁ〜〜〜〜〜〜〜
ダメだっ
おかしくてダメだっ
爆笑だよっ
超リアルに想像しちゃったよっ
でもっ、まさか、鼻提灯が美しいモノになるとはっ
まさか、鼻提灯の輝きが虹の風景を見せてくれるとはっ
みぃうも、まだまだ知らないコトいっぱいあって…
ひょっこだなっと思ったよっヒヨっ。
世の中、まだまだ知らないコトが いっぱいあるっ。
そう考えると、これからの人生も楽しくなるなぁ〜
冷静に考えれば、知らないコトだらけなの判るけど
普段、意識してないもんなぁ〜トホイメ。
で、オチまでついて…
素晴らしい
で、これノンフィクション?
びっくりの
幕開けでしたね(笑)
British Englishのきついキリスト教概論の先生のあだ名がシェイクスピアでした
学生の頃人前で話すとき極度の緊張で毎回何を話したか覚えてなかったわたしでしたから、鼻提灯のサプライズがついたならば、気絶してしまったかも知れません
どんな時でもやっぱりやり切るさすがですトキノさん
今日もありがとうです。
社会性があの娘なりに
ついていけばと思います
優しい心もひとに寄り添うことも、ひとりではわからないものです。
相手あってのことですよね(^w^)
その相手がたくさんの人達のおかげであるのに、わたしがわたしがと
押し付け教えようとしていた自分の傲慢さを、あの娘が教えてくれたのかも知れませんね。
鼻チョウチンとわ鼻から出た風船れちゅニャリンかぁ
こにょお話ちがもちも本当にゃらぁ
天才トキノ伯爵お笑い芸人も真っ青にゃギャグ満載れちゅニャリンよん
れも鼻風船がしぼんれぇトキノ伯爵わぁ本当にヨカタれちゅニャリン
らてぇろこか遠くへ飛んれぇ行くおちょれがあたかられちゅニャリンよん
爆笑だょ〜一生忘れないクラスメートになるよ。はなちょうちんの君
果たしてこれは悲劇なのか はたまた喜劇なのであろうか…