ルイ
「あ?」
いきたいひとがさ、いきることのできる世界は、どこにあるの
「…アンタ、またんな事考えてんのか」
うん
「答え知ってんだろ、っつーか考えても無駄な事ぐれー解ってんだろ」
ルイはさ、わたしより頭良いよね
「は?まぁ、一応アンタよりはな」
外は好き?嫌い?
「あー煩ぇな…何度も言うがアンタが生きなくてどうすんだよ」
どうするんだろうね
「揚げ足とんじゃねーよ」
あはは、ごめんごめん
「外だの何だの、面倒臭えだけだ ついでにアンタもな」
あーあルイにも嫌われちゃったー残念
「棒読みだぞ …アンタなぁ、このままじゃ」
解ってる知ってるわかってる識ってる
「じゃあ一々聞くなよ」
ルイとわたしの境遇には共通点が多い
「だからって、オレに聞いても無意味だろうが」
そうかな
「おい、アンタ」
認めなよ、ルイ 君の身体中の傷も刺青もピアスもマニキュアもペディキュアも、こどもに固執する愛情も それはどこから来たものなのか
「……」
ルイはわたしと同じだよ
死にたいんでしょ
鬱蒼と ことばが滴る
9年前の機械文字
プリントアウトしていたことをすっかりと忘れていた
褪せていたのはわたしだけだった
負け続ける毎日は日常
だけれどとても、「生活」などと上等な言葉とは遠い
負け続ける毎日はあまりに遠い
日々に負け、すべてに敗北し、埋没する程の何も持たない五感ともうひとつの感覚に舐められ
舐め上げられ
睨み付けた壁には無数のまっしろな目玉が燃えていた
15歳のわたしを捜した
「■■でいた」
。
平静をいつまで保てる
殺してしまわない内に逃げてくれ
お願いだよ
そんなことばで今更
従うとでもおもったのかい
ストレスにしかならないよ
あなたへの復讐の養分にしかならないよ
やめた方が良いと言ったのにね
かわいそう
可哀想だね、自分をかわいそうだと勘違いをしている可哀想で仕方のないかわいそうなあなたのすべて、が
嗚呼、と見惚れる程 確かにあなたはかわいそうだ
そんなに自殺して欲しいなら
そんな程度の遣り方じゃあ到底無理だよ
お話に成らないね
無駄遣いが上手なこと
あんなに自殺を迫る癖に
あなた丸で遣り方が真逆
お願いも出来ないのか
世間知らずが下手なこと
てんで、邪魔
ほら、豚みたいな泣き声で強請りなよ
ほら、家畜は顔色伺ってくねらせろよ
ほら、豚は恐怖で肥えさせて捌かれる日まで命乞いをしないといけないよ
さあ、なにしてあそぼうか