出来損ないのこんなわたしに出来ることがもしあるとするならば
かんじたままのおもったことを、かんじることをおもったように かたちにしようと足掻くことくらいだ
誰かには
歪で拙い 汚くて要られない仕上がりに映るかもしれない
鼻で嘲笑われるかもしれないし
傷を更に深くしてしまうかもしれない
それはとても痛いことで
だからいつも怖いもので
でも だけど
探し求めたやわらかなはなびらが
自ら進んで散って墜ちて腐ってゆく様を
知らない誰かに好いように摘み取られてゆく様を
黙って視ていられる程、わたしはもう強くも弱くもない
だいじなものをまもりたいだけ
なるべく失いたくないだけ
だから戦う 何度でも いろんなものと
(できるならそのきずもいたみもぜんぶひきうけたいけれど)
捨て身でいきろ
さぁ恨みたいなら恨め
虐げたいなら虐げろ
殺したいなら殺せ
壊したいなら壊せ
でも間違えるなよ
わたしは何度だって蘇生すること
背後に隠すだけじゃ足りないなら
抱きかかえて逃げればいい
ほら外すなよ
わたしからだいじなものを奪う気なら
おまえも捨て身で狙いを定めろ
首でも心臓でも脳味噌でもくれてやる
まぁ負ける気なんて更々ないけどね
/
ロード
わたしはやっぱり不敵にワラウよ
ロード
だから おいで
こわいままでいい
ききたくなければきかなくていい
みたくないならみなくていい
しりたくないならしらなくていい
ないたままでいい
わらえなくてもいい
いくらでも嘘を吐いていい
おまえのすきなようにしていい
でも
ひとりがいやならわたしをおもいだしてごらん
こわかったね
いやだったね
かなしかったね
痛かったね
迎えにきたよ
咲き乱れるように死にかけたおまえを
無視し続けるしかなかったわたしが
しんじられないだろう
しんじたくないだろう
ゆるせないだろう
ころしたいほど憎いだろう
でもそれでいい
それでいいんだ
これからはぜんぶ
わたしが代わるから
わたしが全てからまもるから
おまえが傷付くなにもかもから
わたしのこの軽いいのちを賭けて
わたしがおまえをまもるんだ
おはよう ロード
あいにきたよ
お互い見事にぼろぼろだね
消えて無くなれないくらい
わたしたちはいきているね
ロード
ねぇ ロード
おまえを待ってくれているひとがいるよ
ロード
ロード
こっちにおいで
おまえはもうなにも心配しなくていい
頼りないこの腕と胸のなかに居てくれる限り
おまえがわたしを離さない限り
いつまでだって抱いているよ
ほら もう一度みてごらん
みえただろう ほんの少しの隙間から
やさしく咲き誇るおまえのかたちが
あいしているよ
ロード
さぁ おいで
もうだいじょうぶ
わたしのいのちを たべにおいで
信じていなくても愛しているのは
愛せているのは
愛するのは間違いだって
そんな事だれが決めた
真夜中と明け方の隙間
オマワリサンに呼び止められて
初めて自分が道路を歩いていることに気が付いた
下着に近い服装に裸足
虚ろ、らしい眼球と無表情
会話をしたかは分からないけれど
次に気付いたら玄関に居た
素足は荒れたコンクリートに負けたのか
足の裏は血だらけで
転んだのか電柱にでもぶつかったのか
身体中に傷があった
ぼんやりと思い出せたのは
重い空の色と生温い風と刺さるようなアスファルトの感触だけだった
冷たい水を浴びながら眼を閉ざす
特に何かあった訳でもないと思う
口から吐き出した血は排水溝が飲んでくれたから
それからはもうただ眠りたかった
hi-liteを吸いながら
やっぱりいつ死んでも構わないな と思った
身体に傷がないのに
赤い鉄のにおいがする
死んだ?
憔悴しきった知らない音の記号が耳を打った
「どうしてHSgくれなかったの」
沢山の黒い粒達が視界を焼いてゆく
「d/bにmjeをegKM───だったのよ」
3333399992*44444*11133455555?
53333*3333399990004335511 11155555?
想起に伴う頭痛が当たり前になったのはいつからだっけ
ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、笑い声
赤い部屋?右手が痺れている
赤い部屋?少し皮膚が剥がれている
赤い、部屋?
「そうですか わたしが原因なのですか」
赤い部屋なんて知らない
階段の14段目に立っている
あのさ
なんで未遂に終わった
理由は
きみがまだいきている意味と理由は?
生死の基準は どこで墜としたんだっけ
ああ、思い出した
はじまりから、
あたまがいたい