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ここにいる誰も本を読んでいない


乗るはずの電車と乗るべき電車が人生にはあるんだよ

満員電車(朝)はやっぱり苦手です
こみ合ったホームとかも死にたくなる

つかれたよ〜……と帰りの電車で眠りながら降りるはずの駅とは違うところで降りた。月と六ペンス行きたいな〜月と六ペンスでホットミルク飲んで心を落ち着かせたいよ〜と幽霊みたいに雨の高倉通を北上すると、一軒のアパートが見えてくる。
その二階に喫茶店はあって、扉をあけるとあたたかさで眼鏡が少し曇った。

ホットミルクに砂糖を入れて、時々目の前に並べられた本を手にとって、三十分ほどそこで過ごした。

本たちの、栞を挟まれた頁ばかりめくっていくと偶々「丸善」のことを書いている森茉莉の随筆と出会う。そのまましばらく読んでいったけど結構好き。


〈私は何か買う時、品物そのものを買うというよりも、"夢"を買ってくるような、奇妙な場合が多い。〉

(「夢を買う話」より)


壁際の席には小さな地球儀と豆電球が置いていて、その上に一枚の絵が飾ってあった。喫茶店の入り口を描いたものらしく、入るときに見た光景そのままだったし、今朝見た夢に出てきたアパートもこんな感じだった。

こんなところで自分は一体なにをしているの、と思う。思いはするけど何とも説明がつかないことが多い。


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