職場に来てくれるひとに、なぜここへ来るのか聞いてみたら、「ここには娯楽があるから」と答えてくれた。
それは当たり前と言えばそれまでなのだけれど、当たり前のこととして浸透していて、ちゃんと誰かにとって意味をなしていたことが嬉しかった。
その人は、先にドアを開けて待っていてくれた。「早く」という声も何もかも優しい。

「小説、書いてる?」と友だちに聞かれた。私のことを、小説を書く人として認知してくれていることが嬉しかった。


わずかでも、自分がそうありたいと思う姿に、他人の目からも映っていると嬉しい。



ナカムラケンタ
『生きるように働く』


仕事とは結局、モノよりハコより人間(雇う人も雇われる人もお客さんも周りの人も)がいちばん重要なんだなあと思う本。