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まだ読んでないけど絶対面白い大賞2017

ペンギンちゃんのペンケースです。可愛いでしょ。
中はしましまになっています。

これを買ったとき、お店の店長さんに突然こんなことを尋ねられました。

「今年はどうでしたか?」

ことし……

「大変でした」
「おー」
「波乱万丈でした」
「お、おお」
「でも、いろいろ開拓できて良かったです」
「なるほど!」

いろいろありましたね。
三月ごろにいろんな出来事が凝縮されてて、そのことに年末までずっと取り憑かれていた、そんな一年間でした。
去年の年末に「来年はもっと悪い人になる」と言った通り、悪いこともたくさんしました(もちろん法にふれることは、してないヨ!)が、生きていられてよかったね。ほんとに。

こんばんは。天城はまだ越えていません。(紅白の話)

いつもなら、一年読んだなかでいちばん面白い本を
・小説
・随筆
・漫画
のみっつにわけて年末に紹介するのですが、なんかもう今年は思い出せないので、今年買ってまだ読めてないけれどコレ絶対面白いなっていう本をあげます。いわゆるつみ本ですね。
あとで、じつは読んでいたけど書いていなかった本も書こうと思います。

◆小説◆
〈あたしは、コレクターではない。だから、買うのは二つ。/一つは、実際に使うためのもの。/そしてもう一つは、喪失にそなえるためのものである。〉
(『ぼくの死体をよろしくたのむ』から
「ずっと雨が降っていたような気がしたけれど」より)

川上弘美『ぼくの死体をよろしくたのむ』

もうタイトルとこの表紙からして勝ちですね!

堀江敏幸『燃焼のための習作』

これもタイトルが完璧ですね。設定も面白そう。

◆随筆◆

〈これから日々の愚考を湯煎にかけていくことにしたい。〉
堀江敏幸『バン・マリーへの手紙』

これ……『燃焼のための習作』と同じ人ですね。(いま書きながら知った)
これは、夏に京都で買いました。たぶんやわらかい噛みごこちのする本です。

大平一枝『紙さまの話』

この目の付け所が絶対すばらしい。紙さまの恩恵を受けている身としては、おもわず手に取ってしまう。


〈「よく書けてるね」なんて旦那いるかよ。〉
植本一子『降伏の記録』

これは……あれです。
体調がすごく悪いときに、植本さんの新刊が出てることを知って、治ってから急ぎ買いにいきました。でも一気に読んだらたぶん自分が病むだろうなあと思って、じわじわ読んでいます。
小豆島とか出てきて、おーとなります。自分の知っている景色が出てくることすらも、はがゆくなってしまうような、今まででいちばん読むのがこわい一冊です。
植本さんが夏に「また人を好きになってしまった」というエッセイを寄稿していてぎょっとさせられたのですが、この本をぱらぱら読んでみると、あえてそういう題名のものを世間に出している彼女の気持ちというのが少しわかったような気がしました。
それとたまたま、旦那さん(石田さん)のファンだという人と話したときに、「いっしーの嫁になるっていう人だから、奥さんも大変だと思うよ」というようなことを言っていて、そうかーと思ったのもあります。まあ、読んでないのでわかったようなことは言えませんね。
それにしても石田さんの「君といつまでも」のカバーはよかったねえ。
あ、植本さんが手がけた『現代短歌』も本屋さんで見かけました。よかったねえ。うらやましいね、あの本に載ることができるみなさんは。

◆漫画◆
せかねこ『バイトの古森くん』

これはちょこっとだけ読んでます。買ってないです……ごめんね。
すべてが輝かしい。古森くんだけでなく作者のせかねこさんも。輝かしいんだよお前ら……。
バイトって刹那性があっていいよね。

そんな感じです。読んでないと「すべて」とか「もうこの」とか、誉め言葉がグローバルになるんだなって思いました。また読んだらここで紹介します。


はい次。
読んでいる本ね。
◆ここから読んでいる本◆

〈けれど、私を突き動かす核心の部分については、まだ言葉にできずにいます。〉
芳賀八恵『本づくりのかたち』

本を作っている人……おもに個人で、雑誌や本をつくって、売っている人をただ紹介していく本です。たんたんと紹介する語り口が必要最低限な感じでいいなって思います。でも愛はあるなって思うし。


春田なな『春田なな恋愛物語集』

つまるところ私は、『いとしのご主人サマ』がいちばん好きなんだと実感しました。このみちゃんくらい、純粋な主人公って春ななの世界ではレアっすね。けっこうドライな子がおおいなって。

勝田文『マリーマリーマリー(6)』

マリー(結婚)はもう、一巻でしているので最後はそうなるのかなとは思っていたけどそうなりました。なかなかラブラブでニコニコしました!まあハッピーエンドでよかったね!


ar 1月号

伊藤千晃ちゃん気になるんですよ。何でですかね?千晃ちゃんみたいな誰にでもは好かれないであろう女の子を追いかけてしまいます。すごく失礼なこと言ってますね。ごめんね。
でも好きなんですよ。心に残るんですそういう人のほうが。
arもそういう雑誌でしょ。ちょっとねらいすぎだよ!って、あざとさを持つ可愛い雑誌。だから彼女はカバーガールにぴったりだなって思って。(めちゃくちゃほめてるよ!)


装苑 8月号

つい一昨日くらい読み返していて、そういえば『紙さまの話』まだ読んでないや……と思い出したこの号は、「紙と文房具」特集。本屋さん特集もしてますね。いいですね。
まったく関係ないけどこの号に載っている「装苑男子」の吉沢亮がとてもハンサムです。
装苑といえば、この日記を読んでいる友人に「あのシオンっていう雑誌……」って言われたのいまでもときどき思い出して笑ってます。じわじわくるんだよ。

『銀魂 ミツバ篇』

吉沢亮といえば! これを観ました。吉沢亮(沖田くん)がひたすらイケメンでした。
というのは、置いておいて、映画よりこっちのほうが出来がいいのでは? というくらい出来が良かったです。
それぞれの役者さんも合っていたし、土方さんの殺陣も男らしくてすげーかっこいい。銀魂と福田監督は相性いいんだなって感じました。
ギャグだけじゃなくて、シリアスな演出もよく練られていましたよ。ミツバさんと土方さんのすれ違うところがグッ!ときました。
最後、刀じゃなくてバズーカだったとこだけ不満でした。あとは花丸二重丸!

『ミニオンズ』

こちらも観ました。
ミニオンズ、じつはけっこう気持ち悪いと思っていたのですが映画を観るとなかなか面白かったし、愛らしく思えてきました。
「ボス」が不在になったミニオンズが、「ボス」という存在がいないことで満たされなくて鬱みたいになるんですけど……鬱のなりぐあいがリアルでした。意外と深いのかもしれない……。
ボブみたいに、好きなら好きですぐにぎゅってしてみる素直さが大切なのかもしれませんね(何?)。最後に登場したあの人にドキっとしました。ミニオンズに感情移入しているぞ!

『Zipper 2月号』

Zipperもついに休刊ですね〜悲しいですね〜悲しいンゴ……。
自分はなれないんだけど、可愛さと個性をあわせ持つZipperの女の子たち(パチパチズ)に憧れていました……私の青春……。シャカラビ流行ってたよね〜UKIちゃんとYUKIちゃんの狭間で揺れてたよね〜。
でも途中からちょっと変わってしまったよね。それでもこういう雑誌が消えていくのは寂しいですね。KERAもSoupもないし。青文字系は何をよめというのか。merは可愛すぎるんだよお。Popteenとか、意外と後継者に近いのかな? と思ったりします。原宿系入ってるし。

こだま『夫のちんぽが入らない』

前も日記には書いたことあるんですけど、そのときはちゃんと読んでなかったんです。ちゃんと読んでみました。題名だけではおしはかれない色々なことを、ぱっとまとめるとこの題名に集約される。そんな本でした。回想するように綴られているのだけど、いまの私と同じ年のころにずいぶん辛い経験をされていて、読んでいて胸が痛かったです。時が流れただけで、解決はしていない、そんなせつなさと諦念感ががあります。


もう疲れました。まだあるかもしれないけど。
終わります。

最近のことを少し書きます。職場で大掃除をしました。たったひとりであらゆるものを捨てました。孤独でしたが楽でした。
おかげで私のオフィスはずいぶんすっきりしました。
お正月の飾り付けもしたし。ばっちりです。

今日夢をみていて、なんか寮に泊まる内容だったんですけど(私はそのむかし寮に住んでいたのです)、目が覚めたら部屋がまっくら……あれ? きのう電気消した記憶ないのに……
@実は消していた
Aなにかの理由で消えた
B誰かが消してくれた
(※だけど誰もいない)
どれかなあと思いながら寝ぼけていましたが、停電だったみたいです。大晦日は停電!


最後に今年亡くなった祖父の話を書きます。いま、おじいちゃんの部屋にあったテレビで紅白を見ています。色々な理由があって、私はあんまりおじいちゃんと関わることがなかったんですけど、要所要所でいつも力にはなってくれてたなあとこの頃思いました。大学に入るときも、いまの仕事に変わるときも、おじいちゃんの存在なくしては無理でした。ありがとう祖父よ。
そんなわけで、仏壇に薔薇も飾り、そういえば今年は犬の命日になにもしてない……と思って、いまはなきうちの犬にも薔薇を飾りました。ジャーキーもそえたし。おじいちゃんはお酒を飲まないので、仏壇にそなえたビールは私がおいしくいただきます。

たくさん書きました。つかれました。
それでは良いお年を。
来年は、知識をもっと蓄えたいです。




本の感想

ものがたる祈り

お店っていうのはねえ 行きたくなったときだけ行けばいいの 本屋では純粋に本を欲しがればいいの


お店に行くのにもタイミングってあるよねって。あと本屋ではやっぱシンプルに本の話が盛り上がるんだろうなって。

毎日本読むんですか?と聞かれるけどそんなわけないでしょ

小林豊『せかいいち うつくしい ぼくの村』

私が小学生だったときの教科書には載ってないんですが、いまは載っている作品です。
この前はじめて読んで、その衝撃的な結末に絶句しました。祈りの物語ですね。続編がないほうが、良かったかもしれない。ないと本当に救いはないのだけど、現実に救いはないから書かれた物語でもあるのだろうし。

此元和津也『セトウツミ(8)』

完結巻。意外と爽やかに終わってびっくりしました。そしてこの巻は途中から急に本格ミステリになります。よくある流れだと猫が死ぬんですけど(TO-Yなつかしいネ!)死ななくてよかったです。トーイがよくある流れというわけではないのですが、ニアちゃんのことが自分のなかで強く残っていたみたいです。
樫村さんあざとく可愛いですね。

青桐ナツ『flat』

むかし、良さがよくわからなかったんですけど主役ではなく周りの人を愛でるようになったら良さがわかりはじめました。flatな彼に対する周りの人間の行動をながめる物語だと思ってます。「気持ちにはこたえられない」と言われる場面を、たまに読み返したくなります。

高石宏輔『声をかける』

お店ではらはら読んで、もう少し読みたくなった……というか、いまの自分にとって、読んでみたほうがいい本なのでは?と思いました。

「あなたの物語の中にあたしを残して」
高橋葉介・みもり『押入れの少年(3)』

これも完結巻。予想外に淋しい結末になってしまいました。「見守り番」は、みもり先生から名前がきているのかいないのか気になります。
孤独だなあ。みことちゃんは元気だけど、心が人間からは遠ざかってしまった感じがせつないです。

有栖川有栖『46番目の密室』

きのう書いた、私がグレン・グールドを知ったきっかけとなる物語です。はじめから終わりまで、登場する人たちがちょっと調子がはずれているところが魅力的だなと思います。まともなように見せながら、すべてが少しずつ狂ってるんですよね。探偵も助手も犯人も他の人も、その背景に流れているグールドの音楽も。シリーズ通して読んでもこの物語だけがちょっと変で(まあ最初の話だからというのもあるだろう)、そこが好きです。

天と点と涙

部屋でぐったりしている……まだ具合が悪い。
さっきなんだか焦っていたのでもう一度日記を書きます。最近読んだものの話。
ああ気持ちがわるい。貧血ですねこれ。
夜と星の本が多く集まりました。

『グレン・グールドとの対話』

この本を初めて見たのは夏でしたが、それからもずっとほしかったので買いました。
私の勘違いでなければ文庫版もあるのですが、単行本のほうが読みやすかったからこちらで。
グールドの本もっと買ってよ!と店主のかたにすすめられました。春樹読んでるの?とも聞かれましたが私が読んだのは有栖のほうです。

春樹といえば

これに載ってた「夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について」がすげー好きだなと思いました。「僕はその汽笛と同じくらい君のことを愛している」

『宇多田ヒカルの言葉』

宇多田さんが作詞したものをただ載せているだけなのですが買っちゃうよね。「Passion」「WINGS」とか、こうして読むといい詞だなとしみじみ思いました。

宇多田ヒカル『点 -ten-』

偶然見つけてこれは!とうきうきで買いました。もったいないのでちょっとずつ読みます。

片岡義男『万年筆インク紙』

心なきものにまつわるエッセイが好きです。
なんとなく宇多田さんの「BLUE」みたいな本だなと思って買いました。

谷川史子『告白物語 おおむね全部』

これはすごい本ですよ〜。こういうのを出してもらえるのって作家冥利につきますね。


「乗鞍のかなた春星かぎりなし」
谷川史子『花いちもんめ』

『告白物語』を読んだため再読。リライトされた表題作よりも、「ちはやぶるおくのほそみち」のほうが私は好きです。心のなかにある文学と音楽とが、コラージュみたいに散りばめられつつ、ストレートに作品に反映されているところもよきです。

草下英明『星座の楽しみ』

壺井栄と四国のすばる、東北の星の方言、枕草子にギリシア神話、文学的に読んでもすてきな本でした。串田孫一が思いがけず出てきて嬉しかったです。自分の中にある、知識の点と点がつながっていく感覚。
あとがきに「とにかく調子があがらなくて内容はダメだった、締め切りも遅れた。ごめん」みたいなことがひたすら書いてあって笑いました。


〈中林さん、あいたい、あいたいんです。あたしは言って、助けを求めるようにコーヒーメーカーに手をかざした。〉
川上弘美『ざらざら』

私たちの毎日って笑っていても常に死と絶望がとなりにあって、誰でもそうだしいつまでもそうなんだろうなと思います。期待する心はいつでも簡単に死んでしまう。
あとこれ、私がよく言う(?)だれかを「待つ」お話です。
待つの嫌いなんです。嫌いだからこそ「待つ」物語には執着しています。
来る気がないとか、もう来ないとか、はじめから教えてくれていたらいいのに。



最近読んだ本

でもね 大人になっても何もない

職場の「冬休みやることリスト」の中に殴り書きしてあった私のひとことです。……『恋人がサンタクロース』へのアンサーみたいです。

ここ一週間、体調をくずしていました。今まで私が体力だと思ってきたものってなんだったんだろう?……と思うほど、体力が落ちました。今も何故か全身が痛いです。これでもだいぶ回復してきました。今年はもうゆっくり休みます。

いまとあるところに潜入していて、とりあえず珈琲をのみながら本を読んでいます……今は安野光雅の『君は大丈夫か』を目の前に置いています。私は全く以て大丈夫ではありません。




冒頭にいま話題の『君たちはどう生きるか』についての文章があっておおーと思いました。

愛ある手紙を読んでいけば、読み終わる頃にはすてきな教養が身についているすてきな本です。菊池寛のこと(最近勉強した)もおもしろく書いてておおーと思いました。
なんとなくタイムリーだったから、私が本を選んだと言うより本が私を選んでいるような気がしました。

近況を話します。小説を一枚(A4)書きました。原稿を書くよろこび、書けることのよろこび!という感じでたいへん嬉しかったです。
ちなみに名探偵がでてくるお話を書きました。ミステリミステリ!
なぜ小説を書くことになったかというと、きのう立ち寄った本屋さんで、疲れて椅子に座っていたらそこに小説を書けと言う貼り紙がしてあったからです。


今日夢を見て、歩けど歩けど駄菓子屋さんにたどり着かない夢でした。









お砂糖の型紙

よるねむれないふせん
です。

「たとえば自分にとってものすごくいい話が目の前にあったとするでしょう?」
「はい」
「これ以上はないような話」
「ふうん」
「でも、相手は、ふうん…と言うばかりで首を振らないの。どうしてかしら?」
「……どうしてですかね?」
甘すぎるからかな?



〈2017年は、牡牛座の人にとって「できあがった服ではなく、ミシンや型紙をもらうような年」と言えるかもしれません。
(中略)
「ここまでは決まっているけれども、後は貴方の自由にやっていいですよ」と、その内容を託され、それによって、貴方は心からの創造的自由を楽しむことができるはずです。〉
(石井ゆかり『今週の星模様 』から「今年の星模様」より)

甘くてもおいしくても、その型紙がお砂糖のようにばらばらになってしまったらと思うと怖いんですよ。橋が石でなくお砂糖で出来ていたら、叩かないし、足を乗せるのも躊躇する。

〈You know sugar never ever was so sweet〉
(Mariah Carey「Honey」)


ホットコーヒーにお砂糖を入れたとき、底のほうに砂糖がたまってだんだん甘くなるのを感じながら、ACジャパンのCM思い出しました。(いいことは、だいたい最後のほうに起こるっていうやつです)

「何かを好きになると、必ずそれがなくなってしまう。」
(佐藤多佳子『黄色い目の魚』)

さとうさんですね。(偶然です)
昔はみのりに気持ちを重ねていたように思うけど、今になると似鳥ちゃんのところばかり読んでしまいます。
あとで出すハルチカもこれも今日、本屋さんで読み返してああ、と思ったんですが、今年は、本が読めなくなる、という状態がしばしばあったので、こうして本を読んだり読み返したりして、日記を書けるようになっただけ嬉しいことだわあと思います。生きる喜びを食ではなく本で感じるわたし。またここに戻ってきてしまった、という悲しみもありますが。

「私」がこうして考えを書いていることが、とても気持ち悪いなと思います。自分は話しても書いても関わってもいけないような気がします。
つれづれなるままにひくらし、スマホにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくかきつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。自分の考えはもちろん、他人の考えもいつまでも変わらず繰り返されていることが気持ち悪くてたまらないときがあります。じゃあどうして日記を書くんだろうとも思うし。
感情と言葉と行動のあいだに矛盾しているところがいくつもあります。

「穂村さんも、ぎりぎりまで悩んでごらん」
(初野晴『退出ゲーム 角川つばさ文庫版』「クロスキューブ」より)

たまたま開いたページで、草壁先生にこう言われました。いや、穂村さんではないのですが、言われた……と思ったのです。

〈だがもし、立ちどまった場所から一歩を踏み出すきっかけをだれかがつくってくれるなら……〉


話が少しそれるのですが、草壁先生のこの「穂村さんも、ぎりぎりまで悩んでごらん」って、けっこう深い発言だなあと思うんです。この物語における謎解き係って、チカではなくハルタだし、むしろ草壁先生が誰よりそうなのに、それを伝えるのにふさわしいのは草壁先生ではないってことでしょう。謎解き係と真相を伝える係はかならずしも同じではなくて、草壁先生ほど早く、隠された真意にたどり着ける人であっても心を救えないことがあるということだから。だから、優しい場面でもあるし、人間特有の残酷さがみえる場面でもありますよね。
伝える内容ではなく、伝える人に重きをおくところがあるというか。
そのことによりスポットをあてて描いているのが、『ネウロ』なんですかね。だいぶ話が寄り道してしまいました。



二ヶ月くらい前の話になるんですけど、文具屋さんに来年の手帳を買いに行ったんです。
好きなものが近くのお店にはなかったから、遠くの大きなお店まで探しにいきました。
色を選んで、お金を払って、お店を出た後で……そうか、来年も生きるつもりなんだなと一人でぼうぜんとしました。いい大人なのに恥ずかしいですね。考えていることが。
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