「草カンムリ」と「ヨコメ」は「媚女」を表して
「夢(む)」の
上部も「媚女」です
それに
「冖
(べき)」と「夕」を加えたのが「
夢」です
「冖」は巫女が座る姿
「夕」は夕方、つまり夜のこと
「夢」は
夜の睡眠中に媚女(巫女)が操作する呪いの力で起きると考えられてました
この「
夢」の
「夕」を「
死」に変えたのが
「薨(こう)」です
これは、
位の高い人が亡くなること
古代の位の高い人は、実際に
媚女の呪い「夢魔」の力で夜中に死ぬ事が多く有ったそうです
ですから
昔は
位の高く成った人は
「
魔夢」の呪いによって夜の間に
突然に亡くなる危険が常にありました
古代の社会では呪
(まじ)ないが盛んに行われてました
そして
《目》の力で
呪術的な力を発揮する人たちが多くいました
「眉
(び)」に「女」を加えた
「媚(び)」も
そうした眉飾りの人たちで、
「
眉」は`
眉飾 り´を付けた目のこと
つまり
「
媚」は眉飾りを付けた
巫女さんです
古代の戦争の際には、
この巫女さんをお互いの軍の先頭に多数並べ、眉飾りの付いた目で敵軍に呪術的な力を加えてから攻撃してました。
実際に武器を使った攻撃の前に、このような呪いの力で相手を倒す(牽制)行為を行ってました。
“双方のにらみ合い”
この媚女は美しい魔女でしたから、そこから
「
こびる」の意味となりました。
しかし
戦いに敗れると、
負けた方の媚女たちは一番最初に全て殺されてしまいます
その殺される媚女を表したのが
「蔑(べつ)」の字です
「
蔑」は
「
草カンムリ」と横長の「目」と「伐」を組み合わせた字です
「伐」は「人」に「戈
(ほこ)」を加え
「人の首を戈で切る」
と言った意味漢字
「草カンムリ」と「目」は、
眉飾りを付けた「媚女」ですので
媚女を戈で殺している字が
「蔑」です
そこから相手から
「
ないがしろにする」
の意味となり
「軽蔑」「蔑視」の言葉が出来ました
敗れた妖女・・・
敗れた“目に髪飾りの媚女”《巫女》は、
そこで人生が終わります
「まゆ」に飾りを付けて
呪術的な力を強調したのが「眉」や「省」と言う字
↑前回までの話
「直(ちょく)」と言う字も`眉飾り´に関係した字で
「十」と「目」と「L」を合わせた字です
この「
十」の部分が`眉飾り´で「
少」を省略した字です
つまり「十」と「目」で
「省」の事です
「
L」は塀を立てる意味です
「
直」は「
省」に「
L」を加えた形で、
密かに調べて不正を正すこと、
そこから
「
なおす」の意味となりました。
「徳(とく)」は
眉飾りの「十」に
横長の「目」と道を行く「彳
(てき)」と「心」から出来た字です
「
徳」も
呪術的な力を増す眉飾りを付けて、地方を見回る事を表す字です
そういう人が持つ本当の力はその人の内面から出てる事が自覚されて
「
心」の字が出来て
「人徳」「道徳」などの
「
徳」の考えが生まれました。
人の横長の目を縦長に書いたのが
「目」です
↑前回までの話
この「目」を含む
「眉(び)」は
「目」の上に(巴)を乗せた字形
これは単なる「
まゆ」では無くて、呪術的な力を増す為に、`眉飾り´を付けている事を表してます。
「まゆ」に飾りを付けて
「眉」と「目」を強調したのです。
「省(しょう)」も
「省」の「
少(しょう)」
の部分が「
眉飾り」です
つまり
「
省」は、
呪術的な眉飾り
(少)を付けた目で地方を回り、取り締まることが「
省」の元々の意味です
更に自分の行為を見回ることに意味を移して
「
かえりまる」の意味となり、
見回った後に除くべき物を取り除くので
「
はぶく」の意味ともなりました。
また「省」には
「
親の安否を良く見て確かめる」
と言う意味があり
「
帰省」とは
帰郷して
「
親の安否をたずねる」ことで
「省周」も同じ意味です
つづく
「
目を見張る」「目を奪う」「目を光らず」「目にする」などと言う言葉が有りますね
人が外界を知る器官の(目)
現在は縦長の
「目(め)」で表す字が多いですが
前に説明した
「環」「徳」「還」
と言う字は横長の目
(ヨコメ)を表してます
これは、
人の目が横向きに付いてるからそのまま表した字でです。
「
目」で見る行為は
只に見るのではなくて
見る物と内面的な交感と交渉を持つ意味があり
「相(そう)」は
「
木」を「
目」で見ることで、樹木の盛んな生命力を見ることで、
木が人の生命力を助けて盛んに成ること、
それが
樹木と人の相互の関係から
「
たがい」「
あい」の意味となりました。
更に
「
相」に「
心」を加えた
「想(そう)」の字は
茂った木を見ることで見る者の生命力を盛んにするのが「相」
それを他人の人に及ぼして「
おもう」ことです。
そこから
「おもいやる」「遠くおもいをはせる」の意味となり、
経験したことが無いことを
想像する
の意味となりました。
「看(かん)」は
「手」を「
目」の上にかざして「
みる」と言う字です。
「看」には
手をかざして
「
遠くをみる」と「
しげしげとよくみる」の意味があります
「看護」「看守」は
「
しげしげとよく見る」
と言う「看」です。