スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

願意(幸村×信長)

※※前書き※※



クロニクル3の信玄のifルート、信玄上洛戦後の御話。

実は、此のルートは信長さん死んじゃうんだけど、敢えて生かしました。

だってねぇ…‥何なのよ、どのifルートも信長さん(織田軍)だけ殺して、後の皆は生かすって…‥ふざけんなよ…‥ゴラァ!(-"-#)

正直、私は、浅井、明智、武田、今川のifルートも私は大嫌いです。

浅井のifは信長さん生かすんですが、市のあの台詞にぶっちーんとキレましたともっ、ええっ!!

あの台詞で、浅井軍内には信長さんの味方は誰一人として居ないんだ、と確信しましたね。

味方の居ない中で生きるのって、めっちゃ辛くて、苦痛なんですよー、そこんとこ、理解してんのか?長政に市に浅井軍の阿呆共。

ま、分かってたら、あんな台詞吐かないわなー。うん。



お陰で浅井ifルートは嫌いになりました。

あ、真田兄弟のifルートは大好きですよー。

ではでは、本編へどうぞ。
続きを読む

笑顔(信長+市+長政)

※市が嫁いでから三日後の御話。





「久しいな、長政。楽にせよ」

「はい、義兄上」

遊びに来た長政へ機嫌良く信長は笑った。

既にその横を陣取って市も笑っている。



麗しいほどの仲の良さだった。



信長に抱き付く市の姿は微笑ましく、長政もつられるように笑った。

冷酷だと言われる信長と三国一の美貌を謳われる市は似ていないと評判の兄妹だ。



長政も少し前までは確かにそう思っていた。

信長の隠された愛情深さを知るまでは。



世間に知られた信長の厳しさは規律を求めた結果。

それ以外では寛容なところもあった。

一度懐に入った身内は信頼し、大切にする。

特に女子供には甘かった。



市が長政に語った信長の姿。

その愛情の傾け方は市から長政へのそれと同じだ。



ただ信長の愛情は見え難いだけで。



「……義兄上、市」

幸せそうに笑い合う兄妹を見て、長政は心が熱くなるのだ。

「何だ」

「なぁに」

揃って長政へ向けられた美貌。

やはり、と長政は思う。

「やはり、義兄上と市はよく似ていらっしゃる」

「……で、あるか?」

兄妹は不思議そうに顔を見合わせた。


長政は穏やかに頷く。

「似ていらっしゃる。笑顔が、とても」

そう告げれば、互いの顔を見たまま兄妹はまた笑った。

「嬉しい!長政様!」

市が長政に手を伸ばす。

長政はそれに応えながら、この美しい兄妹の笑顔を守ることを心に誓ったのだ。










――end

微々(慶次+利家+信長)







目を丸くする女中達の間をすり抜けて、屋敷の奥に走る。

後ろから聞こえる叔父の怒声に追い掛けられながら、目的の部屋になんとか辿り着き、構わずに転がり込む。

そこで俺は部屋の主に助けを求めた。

「信長さん、匿ってくれ!」

だけど信長さんってば、こんな騒ぎはいつものこと、と泰然として俺を無視。

文机に向かって文書を広げている。

それなら、と俺もいつものように勝手に押し入れに身を隠し、襖の隙間から部屋を窺った。

その次の瞬間、俺のあとを追ってきだ叔父が勢い良く部屋に飛び込んできた。



きっと忘れてたんだろう。

ここが誰の部屋か。



思った通り、部屋の真ん中にでんと座っている信長さんに見付けた叔父は、慌てふためいて平伏した。



ぷぷっ、面白い!



「のののの、信長様!?申し訳ござりませぬっ!俺、また部屋を間違えたようです」

泣きそうな声で言っている。

いつもそうだ。

敬愛する信長さんの部屋へ呼ばれてもいないのに入るなんて、たぶん叔父は恐れ多くて考えもしない。

そんな無礼なこと有り得ない。

だから、叔父は俺の逃げる先が信長さんの部屋だとは考え付かないらしい。

俺と言えば、怖そうなのに案外怒らない信長さんにちゃっかり甘えて、いつもこうやって叔父を追い払っていた。



今回も叔父が蒼くなって退室して…

俺の勝ち逃げ!

そう思って俺がひっそりと笑ったとき。



退室しようとした叔父を信長さんが引き留めた。

「利家」

「は…はいっ!」



あれれ。

もしかして、ついに怒った?

今日に限って虫の居所が悪かったとか?



無表情の信長さんからは何も汲み取れないけど、叔父が俺のせいで怒られるのはさすがに気が引ける。



ここは俺が出て行って謝った方が良いかもしれない。



そう考えて戸に手を掛ける。

すると、まるでそれを察したように信長さんがふとこちらを見た。

驚く間もなく、信長さんは細くて長い指をこちらに向けて。

「利家。慶次ならそこにいる」

と言った。

飛び上がってこちらを見る叔父。

「それはまことですか!慶次〜っ!!」



う、嘘だろっ!?



俺がいるのは押し入れ。

逃げ場はない。

ばんっ、と勢い良く襖が開け放たれる。

「ひぇっ」

「見付けたぞ、慶次!」

「うわうわうわ〜、酷いぜ信長さん〜」



信長さんのこと信用してたのに。

あんまりだぁ。



叔父に引きずり出されながら、俺はしおらしく泣いておく。

ついでに、どのくらい怒っているのだろう、と信長さんを見ると。



ふわり。

綺麗な笑顔。

同時にいつもより穏やかな声色。



「うぬ等は面白いな」

俺の首を締める叔父の腕が緩む。



逃げるなら今だけど、どうでも良い。



気付けば俺も叔父もうっとりと信長さんに見とれていた。










叔父と並んで屋敷に帰る。

俺に怒ってたことなんてすっかり忘れて、叔父はにこにこと笑っている。

それはそれは幸せそうに。

まぁ、そう言う俺も似たようなもんだ。

だって、信長さんが笑ってたから。










――end

涙雨(くのいち×信長)

※※前書き※※



史実ネタです。

信長さんのうつけっぷりを嘆いて自害した平手さんのお墓ネタです。
続きを読む

激昂(政宗×信長)







その背中なら。

物心付いたときから追っていた。

言われるまでもなく、ただひたすら。

こちらを振り返ることなどない、背中ばかり。

悔しくて、我慢ならなくて、脇目も振らず走った。

埋められない溝など、あるはずがない。

そう自分に言い聞かせ、休む間を惜しんで進み。

ようやく追い付いた。

そう思った。

それなのに。

一太刀も交えないうちに気付いてしまった。

彼の男と自分の間に横たわる差。

もちろん、それは距離の問題ではなく……。



政宗は愕然とした。

そして、腹を立てた。



高みから世界を見下ろし、悠然と背中を見せ付ける男。

世間から魔王などと呼ばれて恐れられているその男をじっと睨む。



──何が魔王だ、バカめ!



確かに随分な差はある。

が、少なくとも大声を出せば届く距離だ。

ついでに声量には自信がある。

すぅっと息を吸うと腹に力を溜め、政宗は怒りを込めて叫んだ。

「こちらを向け、うつけ!」



──うつけならうつけらしく……。



漆黒の南蛮鎧が光る。

政宗の声に反応して、ゆっくりと。

追っていた背中が視界から消え、代わりに現れる男の全てを見通すような……金色の瞳。

射抜かれる視線にも、政宗は圧されてはいられない。

魔王によって切り開かれて均された道だったが、同じ道を走ってきた。

魔王の考えていることは想像出来た。



だが、いつから魔王は人でなくなり、楽しそうに笑わなくなったのだろう。



幼い政宗が家臣・小十郎にねだり、目を輝かせて聞いた話の主人公は、いつも楽しそうにしていたはずだ。



尾張の大うつけ。

──忘れたと言うなら。



「わしが思い出させてやる!」

まずはうつけを覆う目障りなあの南蛮鎧から。










(怒りの先はうつけを魔王にした、龍神)










――end
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2015年04月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30