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BLUE

可愛い子と可愛い子が帰っていく。
可愛くてあどけなくて笑っていて責めるところもなくていいなーと眺めている。
私はその片方の可愛い子が少し好きで、けれど並んで歩こうとは思わない。
どう考えたっていま目の前にいる二人が最強なのだ。


私は自分のあらゆる箇所を美しいと思わない。



ある時期、自分に関するあらゆることを否定されていたことがあった。
大半はもう覚えていなくて覚えていたとしてもそんなに意味のないことだったけど、することなすこと片っ端から口を挟まれるという状況は当時それなりにこたえていた。

体育の授業でバドミントンをしているときに横からその声が飛んできて、そのときは私の選んだラケットの色への否定だった。

ピンクなんて似合わないよ、そんな感じの笑いだった。
それからしばらく人前でピンクを選ぶことが怖かった、けど、今では携帯もウォークマンも電子辞書もキーホルダーもピンクだよ。

それは一種の象徴的な出来事で、たとえば同じピンクを選んだ誰かはもしかしたら決してそんなことを言われなかったかもしれない。
私だから言われたんだろうし、私だから言っていいと判断した。
つまり私はそういうゾーンにいる人間だった。
そのことはこの頃からずっと引きずっているのかもしれない。

言葉は色々あって例えばおなじ否定でも家族から言われたものならきっとそんなに気にしないでいられると思う。
でも血が繋がっていないほどの距離の人から言われるとその打撃力がまったく変わってきて、ああそうなんだ、本当なんだ、みたいな気分になる。

人が変わっても同じ言葉が続くこともあって、目が細いとか髪が変だとか定期的に言われていると定期的でもそのたび悲しくは思うけどそれをどうにかする行為がもっと悲しくさせてくるようでどうしようかなあと鏡を見てなにもしないで寝ている間に時間がこぼれていってしまう。

髪を切ればその髪で生きていける人間になりたい。でもみんな細工をした方がいいってあたりまえのように言う。細工をしないとそれがみすぼらしいかのようになんとかしないの、とか、過去のことなら、前はひどかったもんね、と笑ったり。前は、の前それこそが、私そのものだったのに。
あなたたちに悪気がないことはわかっている。ピンクを笑った人には悪気があった。どちらにせよ私は気にせずしたいようにすればいい。それもわかっている。
いいようになるように、という模索ができない。したくない。容姿のことだけでも無くて言動とか失敗とかすとんと収まらない自分の何もかもにたまにうんざりとする。
でもたまに頑張ろうと思う。めんどうすぎるのでは。

サカナクションが濡れた髪のままで僕は眠りたいと歌っていたけど本当だよあれは。


自己否定はそのへんの人みんなそれぞれに抱えているものだと思うけど他人から悪意を込めた否定を受けたことがあるかないかでひそかに壁を立てている。
怖くて、常に背中に何か埃がついているような気分になって、立っているだけでハラハラする。みたいなことが理解できないという人もたくさんいる。それが悪いということではなく経験したことが尊いということでもない。

しかし青も好き。
青は色としても素敵だけど青に込められる意味とか思いみたいなものも好きだし青とう文字も英語になおすとBlueになるところもブルーと読むその音も好き。
身に纏うにはかっこよすぎて追い付かないけど。
緑がかかった青と、ピンクの少し混ざった青と、空なら紫のかかった青やオレンジと信じられないほど自然なグラデーションを描く青が好き。

ちなみに私の使っている名前はあおですがブルーのことではありません(あしからず)。

そうブルーな気分になって鞄を開くと本が出てきてちょうど「BLUE」という短編があったので読んだ。



ブルーのような自己満足の天真爛漫は見ていて幸せになれない。そして弾かれるブルーをみているとすごくつらい。
ブルーというだけで弾かれる。端的に言えば醜いから避けられている。残酷だ。
例えば彼女が愛らしい人形だったなら結末は変わっていたんじゃないの。と思うにつけてやはり悲しくなる。(古文の訳みたいな文になった)

僕のウォークマンには「青」の歌だけを集めたフォルダがあります。

「BLUE」いい曲だなーって思って最近よく聴いている。ほんとにブルーでどうにでもしたいんだろうけどほんとにブルーだからどうしようもない切迫した感じがたまらない。
〈原稿用紙5、6枚/ブルーのインクのシラベ〉という歌詞が大好き


歌詞が実は怖い意味なのではってネットで言われていてそんなことないと思うんだけどそう思えてしまってしかたないときがある。でもスピッツの歌ってもう死んでしまおーぜみたいなテンションなの多いよね



映像だけどウルトラブルーがでたのでパーフェクトブルーも出しておく。父に「見とけ」って言われて一人きりにされてDVD見せられた(確かに二人で見るには酷すぎる)のも今では懐かしい日のことです。でもきついよね。元気があればまた見たい。


映像の雰囲気が絶望感すごくてでもちゃんと見てないから話もわかってない。原作読みてえだ。

ブルーがタイトルに入ると引き締まるよね。ブルーもしくはブルー、限りなく透明に近いブルー、青が散る(めっちゃカッコいい)。


大学卒業するとき後輩から花束貰ったんだけど、そのブーケが
「青を基調にしてうすピンクをさし色に」して作られたものらしくて、そう聞いたときなんかすごく嬉しかった。あのときは素敵な青をありがとう。


雛祭りで本棚はみんな桃色や桜色に染まっていた。


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