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NG

attention!!
もし、シャングリ・ラがドラマで、3人が俳優さんだったら。なんていう作者だけが全力で楽しい小話(会話文)。
キャラじゃないときの名前とか考えるのめんどいし、俳優業界とか訛りとか業界用語とかドラマの撮り方とかナニソレオイシイノ?なので、深く考えてはいけない。随時更新予定(多分)

以下、ちょっとした設定

・レイ
今をときめく新人俳優。見た目(クールビューティー)とは裏腹に意外とヘタレでシャイ。とある界隈では例の絵本(笑)が出回るほど。オンとオフの切り替えが早い。

・黒兎
関西弁(京都訛り)で可愛らしい見た目を裏切って結構毒舌。中堅俳優とまではいかないが、なんか朝のニュースとかによく出てる。

・徨夜
黒兎と同期でしかも関西弁(大阪寄り)。よく黒兎と比べられるけど気にしてない。躁病ぎみ。可愛いものが好きでオーバーリアクション。いい意味で五月蝿い。




*



NG1(The play of foolsより)

徨夜「私の事を〜♪悲劇の迷子ォにしないで♪こォこかァら連れ出して〜♪……そんな気分だバカヤロォォォォ!!ってか、ここどこなァァァァァん?」

ーカット!!徨夜さん勝手にセリフ変えない!!

徨「バレた…だと…?」

黒兎「むしろ何でばれへんと思った?バカか」

徨「バカ言うなや!!アホと言え!!」

レイ「はわわ…」

徨「はわわ!!生はわわいただきましたァおおきに!!おおきに!!」(ビタンっ!!


床にダイブした徨夜はマネージャーがプリプリしながら回収していった。お疲れ様です、マネージャーさん。


レ「大丈夫…なんですかね?」

黒「あはは。気にしなくてええどすよー、いつものことそやし 」

レ「はぁ……。」




NG2(The play of foolsより)


―討伐対象であるクマ型のモンスターと出会う前の、徨夜さんから撮ります。では徨夜さん、ご準備を。黒兎さんとレイさんは先に録ったセリフを使うだけなので、一応、流れだけ見ておいてください。変更があればセリフ録り直しますので。

レ「分かりました。」

黒「了解どす」


―では徨夜さん、5秒前、4秒、3、2、……


徨「あ……あー、えーと?そのクマぷーは何だ?えー、いつ倒すのがベスト?」

―夜。寝込みを襲うのは卑怯だけど、そのモンスターの魔力が低下するのが夜だから、夜に……

徨「なぁなぁなぁなぁ、山でクマに遭遇したら何する?死んだふり?そっともハチミツ献上?」

―バカか。死んだフリしても無駄だっつー……おい、嘘だろ…?

徨「………(`・ω・´)」

―………

レ「え?あれ?徨夜さん?」

徨「エンダアアアアアアアアアアアアアアアヒィイヤァアアアアアアアアアアアアアアアアウィルオオオオオルウェイズラアアブユウウウウヒュウウウ↑ゥウワアアアアアアアアア゛アア゛ア゛ア ゛……」

黒「うるさいわボケ!!何でそないに感極まってん!?」

徨「レイのバカ!!レイのバカ!!」

レ「えっ…オレ、ですか?(でもあれ台詞だし…でも…でもっ…)」

徨「ありがとうございます!!ありがとうございます!!我々にとってはご褒美ですっ!!」

黒「そっちかい!!っはぁ…マネさん、連れて行ってちょうやい」

徨「え!?なんでやねん!?いや、確かに発言がアウトかなっては思たけど別に通常運転やし、気にしやんかなって」

黒「黙れ変態。」

徨「変態やへん!!たやちびっと、おのれにしょーみすぎるだけぇや!!」

レ「いや…それって逆にどうなんですか……」

黒「人間としいや終わってる」


人間として終わってる徨夜はやっぱりマネージャーに連行される運命なのでした…。




余談(という名の舞台袖会話)

レ「徨夜さんって、結構お喋りさんですよね」
徨「ァ゛ァん?」(顰めっ面で新聞から顔を上げる)
レ「(うッ…怖い…)い、いえ…」(ジリジリと徨夜から距離をとる)
黒「ふふっ。愛想悪いやろ?ここやけん話、ヤツ、実は老眼なんやよww」
徨「おぅ、聞こえてるぞ。」
黒「かなんなぁ…。老眼で地獄耳とかこわいwww」
徨「やかましいわwww。ワレそやかて近視やろww」
レ「あ、オレもです」
徨「なん…やって…?」
黒「m9(^Д^)プギャーwwwww」
徨「………(´・ω・`)」

意外に仲間外れが嫌いな徨夜でした。



NG3(Good Morning.Good Night.See you someday.より)


レイが鳥(ニュース鳥)と戯れている本番前のちょっとした空き時間。黒兎はレイを眺めて和んで、さて徨夜は…。

徨「あー↑あー↓あァ↑んわァァ→」

黒「さいぜんからうっさいんやけど、何やってるん?」

徨「はわァァァァ゛゛…。……発声練習に決まっとるやん、見て分からんかぁ?鳥の台詞録りすんねん」

黒「ほへぇwww鳥のねぇwwwわて、てっきり発狂どしたんかとwww。ま、毎度やけどなwww」

徨「発狂wwwオレがいつ発狂したでwww?」

黒「ま、い、ど( ^∀^)」

徨「……儲かってまっかぁ?」

レ「ボチボチでん、にゃあ」

徨「!!!!!?」(脱兎)

レ「あ、ぁわ、あわわわ、すみません!!すみません!!ちゃんと言えなくてすみません!!」(両手で顔を隠す)

黒「かわええ……」

マネ「あれ?徨夜くんはー?」

黒「さぁて知らんわぁwww」


この後、ニュース鳥の台詞録りにいろんな意味で苦労した徨夜。とそれをニヤニヤして見てる黒兎でしたwww






NG4(Good Morning.Good Night.See you someday.より)




厚切りのベーコン、生クリームでふわっふわに仕上げられたオムレツ、コンソメスープ。
目の前にセッティングされたそれらに手を合わせる事も、感謝の言葉を落とすこともなく徨夜は食べ始めた。音もなく切り刻まれるベーコン、コショウの振りすぎで最早真っ黒に近いコンソメスープ。オムレツは黒兎の皿へと自主避難(別にオムレツが動いた訳ではなく、徨夜自身が黒兎の皿へとサーブした)

徨夜が自分で作ったからこそマナーに五月蝿いレイは何も言わない。というか、言うだけ無駄なのである。

レ「遊ぶな」

徨「遊んでない♪」

黒「オムレツ美味しい〜♪」


みじん切りにしたベーコンをサラダへと投入し、辛い液体を1度も噎せる事無く飲み干す。せっかく切り分けたパンはレイへと献上。サラダの中に隠れていたミニトマトにはナイフを突き刺し、ニヤニヤしながら食べ始める。

はずだった。


徨「っぐ!?げほっげほっ!!」


―カット!!いやぁ、分かってたけどねwww分かってたけどwww

黒「っくはwwwwwwwww」

レ「徨夜さんwww涙目っwwwふふっwww」

徨「げほっげほっ!!っひぃwwwぐふっ!!wwwwww」

黒「噎せるか笑うかどっちゃかにせぇやwww」

レ「どっちゃか?」

徨「ぐふぃwwwwww」

黒「あー…。どっちか。って意味どすえwww」

マネ「えー?徨夜くん?笑ってるんだよね?発作じゃないよねwww?」

徨「ひっwwwwwwんん゛wwwwwwひぃぃwww」

マネ「酸素!!誰かスプレー持ってきて!!」


そういえば笑いすぎて死ぬ事もある。らしい。が、とりあえず徨夜は笑いすぎて呼吸困難になった前科がある。前科三犯。笑いすぎ。ツボが浅い訳じゃないのに笑いすぎ。そりゃあマネージャーさんも血相変えて酸素スプレー持ってくるよ。


徨「すぅぅぅぅ……はっwww」

マネ「笑うなっ!!」

黒「(^3^)/〜☆」

徨「くひっwwwwwwwww」

マネ「黒兎さんも笑わせないっ!!!!」

徨「ひっwwwwwwひっwww」

黒「えろうすんまへーん」

徨「wwwwwwwwwwwwwwwくひっwww」


この日は結局撮影にまで漕ぎ着けず、徨夜は病院送り、黒兎がマネージャーからの説教、レイは別な仕事への準備へと移行したのだった。








Keeper-murderer-eater.

ひとくち齧れば滴る甘露。咀嚼して溢れる悦楽。飲み込み、腹を満たす退廃的な他意。視界の端で蝶が閃く。舞う鱗粉、灼ける皮膚、音に成らぬ絶叫。口を開いた奈落に墜ちる。






*





雨煙るエテルノ・クレアシオン。その首都にあるギルド シャングリ・ラの屋敷も同じように、雨に降られて何処かぼんやりとしている。

そんな屋敷の中の1室で、次の仕事への待機時間を利用した3人だけの茶会が開かれていた。(次に仕事が控えているのはレイと黒兎のみ)
そんな2人が他愛のない話をしている。やれあれが食べたいこれが食べたい。最近巷で流行っているお菓子がどうしても手に入らない(かなりの人気で長蛇の列が出来るらしく並んで待つのが面倒らしい)
大概が食べ物の話かと思っているとファミリアの話やら、きな臭い動きをしている他ギルドの話、たまに顔を出しているそれぞれの出身国の話。
益体もない、緊張感もない、ただの世間話。

それに加わる事もなく、ぼんやりと、あるいは主人を待つ犬のようにただひたすら窓の外、雨で輪郭の薄くなった庭を眺めていた徨夜が突然椅子を蹴飛ばして立ち上がった。


「徨夜?何かした?」

「侵入者でもいたのか?」

「………」


2人からの問いに返事はない。横顔しか見えないがビリビリと、どうやら緊張しているらしく瞳孔がいつも以上に細く、鋭く、それとは逆に徨夜自体の気配が薄い。常にない徨夜の緊迫した表情に2人は顔を見合わせた。

ぼそり。

聞き逃すような距離ではないというのに、2人には徨夜の声が聞こえなかった。お互いに読唇の心得を持っていたにも拘わらず。そうして、聞き返そうとどちらかが口を開く前に忽然と徨夜は消えた。奇妙な事に、今まで徨夜が使っていた紅茶のカップも手付かずのままだった茶菓子も全て所定の位置に、つまりカップは使われた形跡もなく最初にあった食器棚に、茶菓子は菓子皿の中に。まるで初めからその場に居なかったかのように痕跡が消えていた。


「……」

「………どうする?」

「気にはなる。が、……先約の方を優先する」


消えた徨夜のように窓の外を見ていたレイが屋敷の玄関先に馬車の姿を認めて部屋のカーテンを閉めた。これで息抜きは終わりとばかりに黒兎に視線を投げて首を振る。

レイと黒兎はとある人物の護衛に。徨夜が居ないとなれば屋敷内に残るのはレイと黒兎の部下数名のみ。まさか敵襲なんぞありはしないだろうが念のために防壁魔術の強化をしてから馬車へと乗り込んだ。

まぁ、強化といってもほんの少しだけで、しかもレイが掛けるのでただの上書きにしかならない。まさかレイが、徨夜が手慰みに編み出した防壁魔術の術式を使えるとは思わない。しかも厄介な事に、手慰みとはいえ毎日飽きもせずに術式を組み替えているので今までの術式を本人すら覚えていない始末。そりゃあ誰も同じ術式を使えない訳だ。それを止めさせるべきか否か、むしろどうでも良くなってきた。今は、これからの任務について黒兎と話すべきだな。
そう判断して段取りを確認し始めた2人を乗せた馬車はゆっくりとシャングリ・ラを後にした。














レイと黒兎が馬車に揺られるのと時を同じくして3人の青年が雨の中を傘も無しに走っていた。その先に見知った顔を見付けて。


―首都クレアシオン 南西街。
1人はレイの部下で、あとの2人は黒兎の部下。慧人、フェイズ、ヤマト。偶然にもオフが重なり、新人のフェイズに街の案内を頼まれたヤマトと上司のレイに頼まれたお使いを済ませた慧人。雨の中の街案内とは中々に面倒で息抜きがてらカフェで休んでいた所に、こちらも同じように慧人がやって来た。
お互いに面識が無いわけではないが、さほど仲が良いとも言えず。慧人に気付いたフェイズが席を勧めてしばし無言。

然したる話題もなく、気まずそうにフェイズがヤマトと慧人を交互に見ては両手で持ったカップにこっそりと溜め息を落とす。

早く帰りたいよぉ…。空気重いの嫌だよぉ…。

そんなフェイズの訴え(無意識に涙目でヤマトをガン見していたらしい)に気付いた(実は最初から気付いてた)ヤマトが慧人に目礼をしようと視線を向けると


「あれ、常夜国の人間かな」


なんの感情もなく呟いた慧人の視線の先に、雨の中、傘も差さずに走り抜けた2人の男。慧人には見えていたらしいが横切った男達の腕には腕章、その紋様は双頭の鴉、そして百合と彼岸花。間違いなく常夜国の国紋である。さてどうするか。とヤマトとフェイズに向き直ろうとした瞬間、カフェのドアが勢いよく開いて息を切らした男が膝から崩れ落ちた。店員が駆け寄って男に水を飲ませる。その内、何度も深呼吸を繰り返すが体の震えは止まらず、誰にともなく叫んだ


―人が喰われた!!化け物が人を喰っていた!!


シン、と静まり返る店内。恐慌状態は長く続かず、客の1人が意味不明な事を叫びながら店を出たのを皮切りに、客はおろか従業員すらも押し合い圧し合い店から飛び出していく。残ったのはやはりと言うか、なんと言うか、3人のみ。


「……はぁ」

「も、も、もしかして…」

「僕らだけでも確認しに行かないとね」

「面倒くせぇ…」


とりあえずカフェから出はしたが、そういえば場所を聞いていなかった。雨は相変わらずで臭いも追えなけりゃ血も流されて消えてしまう。歩きながらもさて、どうするかと悩んでいると頭上を過る複数の黒い鳥。


「あ……」


傘をずらして見上げ、息を飲んだフェイズに応えるように後から後から増えていく黒い鳥、もとい鴉の群れ。その中でも群を抜いて大きな鴉が3人を見下ろして嗄れ声で鳴いた。白いループタイを下げているかのような首の模様、鴉にしては嗄れすぎている鳴き声、青の混じる琥珀色の眼。見たことがある。間違いない、あの大きな鴉は徨夜のファミリアであるグラントだ。つまり……


「……徨夜様がいるらしいね」

「らしいな」


なら行かなくても良いんじゃ…?と、徨夜に対してトラウマしかないフェイズが口を開くのとほぼ同時に言葉にならない絶叫が響き渡った。

しかも、近い。

先程のカフェからは離れているものの、街のど真ん中である事には変わりがない。2人が傘を投げて声の方へ走る。投げられた傘はスタードダッシュが遅れたフェイズが抱えて、ひぃひぃ言いながら後に続いた。そういえば誰も武器を持っていないが、それに気付ける程余裕も無く。曲がり角でやっと追い付いたフェイズが目の前の光景に声を上げる前に、ヤマトに手で塞がれた。


「っ!!」










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