話題:今日見た夢




部屋のカーテンを開けると空に斑に広がる黒い雲と、幾つもの光の輪が地上に向かって落ちてきていた。

轟音と共に窓の向こうの景色から黒煙が上がる。
何かとんでもない事が起きているのだろう。
煙を吹き上げ崩れていく遠くの景色を暫し眺めるとテレビをつけた。

徐々にズームインされていく映像には青と黒が斑になった空と、バイクのような乗り物に乗った集団が映し出されている。
灰色の肌に銀色の髪を靡かせた彼らは光の輪を地上に向かって放ちながら飛び交い、カメラのマイクが悲鳴や轟音を収めていた。

「宇宙人が侵略してきた」

画面の外からレポーターの震えた声が聞こえた。

ふと気付くと外から悲鳴と次々と走り抜けていく車のエンジン音、幾つもの足音が聞こえてくる。
テレビを見たのか近所の住人達が避難を始めたらしい。
だが、逃げ場など何処にあるのだろうか。
テレビに映し出されていた光景は、もう目と鼻の先まで来ている。
あと暫くすれば此処も彼らに破壊されるのだろう。

人間諦めが肝心だ。

私はテレビを消すと好きな服に着替え、思い出の詰まった宝物を胸に抱えると窓から外を眺めた。
いつの間にか黒い雲が空を覆い尽くし、降り注ぐ光の輪が周囲のものを轟音と共に破壊していく。

ああ、そろそろか。

諦めたものの、内心怖かった。
だから死の直前の光景を見ないように目を閉じる。

直後、目の前が瞼越しに真っ白に染まると轟音が耳を劈いた。







最近、嫌な夢しか見られない。