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どちらへ向かってゆきますか?

とりでみてしまうひとりでみてしまうひとりでデジタル時計のぞろ目(穂村弘)


エレベーターのドアが閉じる瞬間、ふたりの女の人が乗っている姿が見えた。夕方五時前くらいのことだったと思う。

それから数時間経ち、時刻は日付をまたいで、私はようやく職場をあとにするところだった。
リーンというベルの音が鳴って、視線をむけた先には、明るい闇が開いていた。エレベーターのドアが開いていたのだ。
中に人はいない。物音もあたりに響いていない。
何かを思う前にそのドアは閉まって、表示は私のいる二階で止まっていた。

職場にあるエレベーターは夜の十一時以降は使えなくなる。
いま考えるとそうなんだけど、そのとき私は急いでいたのでとりあえず何も思わずに走った。

ようやく建物を出て、あのエレベーターには誰が乗っていて、どこからやってきたのだろうと考えはじめたら、さっと体が寒くなる。
ひとりでに動くエレベーターはない、だからきっと誰かがそれを操作したはずなんだ。
けれどなぜエレベーターの使えないこの時間に?

わからないということはホラーです。夏っぽくなってきましたね。
エレベーターのとびらが閉まる瞬間がすごくゆっくり時が流れていたような気がして、不思議でした。
人がいないのもこわいんですが、閉まる瞬間をたまたま見てしまう、というたまたま、のタイミングがこわい。


本棚の前に立っていると、ある本と目が合う。本に目はないけどある。本はたまに喋る。
最近元気なくない? というような会話を交わす(目と目で)。そんなこともないというようなふうに本は私を見ている。
次の日になって調べていると、かの本は近日中に続編が出るのだという。なるほどね。だから覇気はなくてもへんに元気だったのかあの子は。
I'll be back. っていう感じの声だった。


……私、お花畑みたいなこと言ってますけど一応真剣な話ですよ、上のは。ポエマーとでもなんとでも言ってくれ。でも本棚にある本ってたまに喋るよね?


ずいぶん遠いところへ来てしまった。私は念願の失踪をとげて、知らないきょうだい(兄妹)と知らない家で過ごしている。あたりには山しかなくて、でも兄がローソンの袋をさげていたから近くにコンビニはあるらしい。妹は金髪ヤンキーである。まだ小学生なのに。そして人懐っこい。ヤンキーなのに。

……これだけ夢だったんですけど、おそらく『バラ色の明日』を読んだからこういう内容の夢を見たのだと思う。


「who」の話ですね。
けっこうすべての話が暗めだなと思いました。
作品としてはすごいんだけど私は前に読んだ二作の方が好き。








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