肉が大量に詰まった冷蔵庫があった。
私は肉塊のような醜い子供を飼っていた(自分の子供では無い)。
ちょっと目を離すと、常に腹を減らしているそいつが冷蔵庫を漁って生肉を貪るから、これはどうしたものかと考えた末に私が与えたものしか食べられない様に餌付けした。
そいつは面白いようになついて私の手からしか食べなくなった。
ある時、私は身を隠して自分から食べなくなったそいつを暫し放置してみる事にした。
腹を空かせたそいつは私を探して泣きながらウロウロしていたが、やはり我慢出来なくなってきたらしく冷蔵庫に手を出した。
だけども冷蔵庫はしっかり施錠していて開けられない。
冷蔵庫を怖そうとするが、頑丈な冷蔵庫はびくともしない。
一頻りそいつは暴れた後、諦めたのか冷蔵庫から離れていった。
けれど、それから少しして肉を美味そうに貪るそいつを見付けた。
何処で見付けてきたのか人の肉だった。
手懐けている内に情が移ってしまったが、私はそいつを殺す事にした。