花灯り


昨日は塩竃神社境内で開催されている、しおがまさま神々の花灯りへ夜桜を見物しに行ってきた。

参道や表坂には竹灯籠が灯されており、夜の闇に浮かぶ様は異世界への道標のよう。
自分は裏の駐車場から境内に入ったので下から表坂を見る事はなかったが、坂の上から下を眺めると竹灯籠の灯りが一直線に門まで続いており、下からの眺めはとても綺麗だったろうと思われる。

偖、竹灯籠の道標を辿っていくとライトアップされた様々な種類の桜と舞殿があり、桜が咲く中、舞殿で琵琶の演奏や巫女さんの舞、雅楽の演奏が行われていた。
普段見聞きしないそれらは非現実的で、特に雅楽の音色は現世に居る事を忘れてしまうほど美しく、まるで神々の世界に迷い込んでしまったかのようだった。

そもそも雅楽というのは大陸から入ってきた曲で日本で作られたものではないらしいのだが、最後の演目で演奏された長慶子という曲は源博雅によって作曲された曲だそうで、それまで演奏されていた曲とは何と無く印象が違うように感じられた。
何というか…柔らかいといえば良いのだろうか。
何処と無く日本人らしい曲であった。



塩竃神社の花灯りは今回初めて行ったのだが、花を見ながら飲み食いして騒ぐ花見よりも、こういった舞や演奏を楽しみながらの花見の方が性に合う気がする。







夢日誌:埋


話題:今日見た夢




袋詰めにした自分を抱えて途方に暮れていた。

どうにかしないと、さっさと隠してしまわないと。

そんな事を考えながらスコップを携えて家の裏の空き地に行く。

深く大きな穴を掘った。
宛ら棺桶のように口を開いた其処に、さっきから動かない自分を横たわらせると土を被せた。

それから暫くして、その空き地に家が建つ事になった。
埋めた自分が見付かってしまうかもしれないので掘り起こした。

袋の中の私は少しだけ溶けていた。
赤い汁が全身から滲み出して服の白い部分に染みを作っている。
眠っているように目を瞑っている顔が妙に白かった。

掘り起こした自分を今度は家の庭に埋めた。
此処なら大丈夫だろう。
空き地とは違って土が硬いのであまり深くは掘れなかったが、誰かに掘り起こされる事はないので大丈夫な筈だ。
土を踏み固め、一息吐いて空を見上げる。
抜けるような何処までも真っ青な空が何処までも続いていた。



庭から子供の声がする。
窓から覗いてみると、私を埋めた場所に見知らぬ子供が居て、いつの間にか生えていた雑草を抜きながら土を掘っていた。
慌てて止めに行くと、その子供が『この下に死体があるんだよ』と云った。

まさか。そんな馬鹿な。

そう云って笑うと、子供がこちらをジッと見つめ指を差した。

『あなた』

酷くゾッとして、その子供を庭から追い出した。
どうしたものかと考えあぐね、また掘り起こす事にした。

人気の無くなるタイミングを見計らって土を掘り返していく。
暫くすると私の死体を包んでいたビニールが見えた。
それを破いてしまわないように土を取り除くと、赤い水と白い骨だけが中に満たされていた。
腐って溶けてしまったのだろう。

穴から引きずり出そうとして袋を破ってしまい、中から赤い水が溢れたが不思議と臭いはしなかった。
水が抜けた分、萎んだ袋の底で崩れてしまった骨を新しい袋へ移すと、取り敢えず床下に隠しておいた。

折を見て処分しなければ…。

床を戻すとその場に寝転がった。
ふと、視界に入った窓から空を見上げる。
いつの間にか斜光していた空は朱色に染まっていて綺麗だった。









自分自身の死体と、焦燥感、時々見上げる空の綺麗さがやけに印象に残る夢だった。





エスニックシャツ


話題:購入品

春夏に着れるようにRight-onへ七分丈袖のジャケットを買いに出掛けた筈なのだが、気付いたらチャイハネでアンサンブルのシャツを買っていた。
自分でもどんな心境でこれを買ったのかはよく分からないが、気に入ったから買ったんだろう。多分。
生地が薄く風通しが良いので今の時期に着るには寒いが、夏場は普段のベスト+シャツスタイルよりも、こういった系統の服が快適に過ごせそうなので良さそうだ。
今度これに合わせてサルエルも一本買おうかと思う。

あと、次出掛けた時こそはジャケットを買いたい。





夢日誌:知らない町


話題:今日見た夢




電車に乗っていたら、居眠りでもしていたのか降りたかった駅を思い切り通り過ぎていたのに気付いた。
下りに乗り換えなければと慌てて電車を降りると、其処は聞いた事も無い駅だった。
読みは忘れたが『10月9日』っという名前で、周りに居た人の中には変わった服を着ている人がちらほら居た。

駅のホームから外の様子が見えるのだが、どうやら変わった服の人達は駅のすぐ側にある妙に古めかしい造りの学校の生徒らしい。
他に見える駅の外の様子はやたらに生えている樹木と、ごちゃごちゃした古い建物の並び。
それと日が暮れ掛けた薄暗い空をバックにして、遠くにシルエットになった山と、行きたかった街の光が見えた。

その景色の遠さに大分、乗り過ごしたんだなと思いながら下り電車を待った。
だが、いつまで経っても電車が来ない。
上りの電車は何本も来ているのにも関わらずだ。
何だか変だなと思いつつ、ホームの電光掲示板を見たが

『縺ゅ>縺?∴?撰シ』

文字化けしていて読めなかった。

この時点で気持ち悪くなり、取り敢えず駅員に聞いてみようと窓口に行った。
事情を話すと駅員が困った顔をして『あの街まで行く下り電車はない』と答えた。
それじゃあ、どうやったら行けるかと訊ねると、この町にはタクシーは来ないのでタクシーが来る所まで歩いて行くか、或いは近くまで家族に迎えに来てもらうしかないと云う。

だが親に電話を掛けたものの繋がらない。
親は電話に出たようだが、幾ら呼び掛けても聞こえないらしく暫く呼び掛けの応酬をしてたが、結局切られた。
それは誰に掛けても一緒だったし、メールも意味のある言葉が互いに一方通行になるらしく無駄だった。
仕方無いので歩いて行く事にした。

駅を出ると、駅舎が小高い位置にあるらしく下に続く細い道が見えた。
タクシーが来ないというのも納得だ。
周りはやたら自然が多く、すっかり日が暮れて辺りは暗い。木々の隙間から外灯やら周りの建物から見える光やらが点々と見えた。
駅員が好意でくれたライトを携えて、教えてもらった道を遠くに見える街の光を目指して歩いた。

駅前の細い道を抜けると三、四階建てくらいの古いビルが密集している通りに出た。
教えられたビルを見付けると、言われた通り中に入る。
この町はこういった小さなビルが繋がって建っているらしく、Aビル→Bビル。Bビル→Cビルのように抜けないと、町を抜けられないらしい。

最初に入ったビルはTシャツの店だった。
変わった模様のシャツを眺めながら、次のビルに入る。
次に入ったのは1フロアが六畳程の狭いビルで、畳が敷かれた薄暗い室内に何故か布団が一組だけ敷いてあった。
そんな感じで、何棟かのビルを抜けると山道のような場所に出た。

遠くには街の光が見え、駅員が言うには距離はあるが道なりに行けば辿り着くそうだ。
これは一晩中歩かないといけないだろう…覚悟を決めて先へ進む。
道は車が一台通れるくらいの幅で、一応、コンクリートで舗装されていたが劣化していてボロボロ。
月明かり以外に辺りを照らす光は無く、貰ったライトが無いとろくに進めそうにない。
音は自分の足音と呼吸音しかなく、時々脇の木々の奥から聞こえてくる物音に不安を感じた。

ダラダラと続く緩やかな傾斜を暫く歩いていき、ふと空を見上げると朝が近いのかいつの間にか白んでいた。
遠くに見えていた街の光は大分近くなっている。
だが、目の前に続く道を見るに、まだまだ先はありそうだ。
全身から力が抜ける。

早く帰りたいな…そんな事を思いながら、その場に崩れ落ちた。









結局、行きたかった場所に辿り着けないまま目が覚めた。
焦燥感と不安が半端無い夢だったし、妙にリアルで本当に聞いた事もない知らない町に来たんじゃないかと酷く焦った。
あんまり良い夢じゃないな。




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