話題:最近観た映画



野村萬斎主演のスキャナーを観てきた。

『相棒』『探偵はBARにいる』『リーガルハイ』等の脚本家・古沢氏が手掛けているとの事だったが、仙石と丸山の凸凹コンビが度々反発しながらも事件を追う姿は、笑い有り謎解き有りで期待していた通り面白い作品だった。

特に面白かったのは野村萬斎演じる仙石のキャラ。
大雑把に説明すると、スキャニングという物に宿る残留思念を読み取る能力を持つ人間嫌いのネガティブ男。
マイティーズという元お笑い芸人でスキャニングを使ったネタで人間不信を拗らせてしまった。
飼っている熱帯魚には一匹ずつ名前を付け溺愛しているという役なのだが、陰陽師や殿様といった今まで演じてきた役とは全く違うタイプのキャラクターで、この人はこういう役も出来るのか!と感心してしまった。
案外、こういった役も似合うんじゃないだろうか。

この作品の見所はスキャニングを使っての謎解きや、ある女性とスキャニングを通して触れ合い人間嫌いを軟化させていく仙石の姿だ。
始終『人間は醜い』と云って憚らなかった彼が、『人間は美しいね』と最後に呟くシーンは個人的には印象深かった。
人間が持つ美しい心に触れる事で人間の心は醜いばかりではない事を知り、そして、それが彼にとって初恋であり失恋だったのだろうと思う。

今まで見てきたコンビものの中では断トツで好きな作品かも知れない。
GW中、暇な方は観に行っては如何だろうか。
いつもと違う野村萬斎を見るなら、この映画がお勧めだ。