実家の母から心霊現象の報告があった。

夜半、ダイニングキッチンに置いている電話の音で母は目を覚ました。
突然のコール音に『こんな夜中に何だろう』と思い、電話に出ると『電話による詐欺に気を付けてください』というような事を言われたという(時間が時間だけに恐らく悪戯だろうとの事)。

此処で実家の間取りを説明するが、玄関から中に入ると左手に風呂とトイレ。右手にダイニングキッチンがあり、ダイニングキッチンの隣(玄関から見ると正面)に居間がある。
電話はダイニングの居間側に置いてあり、電話を使うと丁度二つの部屋を隔てる硝子戸と向かい合うようになっている。

電話を切り、また寝るかと顔をふと上げると目の前の硝子戸に何者かの掌がベタリと貼り付いた。
驚いて声を上げると、その掌はすぅーっと硝子戸を隔てた闇の中へ消えていったそうだ。

因みにこの時、母以外に家には誰も居なかったので家族の誰かによる悪戯では無いし、電話の対応をしている内に目が覚めてしまったので寝惚けていたわけではないという。