ほんとにあった呪いのビデオ51巻を借りてきた

最初に収録されていたタイトル『夜警』はドッキリ系だった
よく映りすぎて作り物なんじゃないかってくらいハッキリしていたが、凄い顔だったな…



収録されている投稿映像の一つ、空中楼閣は個人的には不思議な感じ

投稿者の男性二人が魚釣りで貸別荘に泊まりに行った時の事、其処にあった『思い出ノート』を見ていると小さい子供の字で

『ユウレイ イルバショ』

更にその下に手書きの地図があった
元々オカルト的な事が好きだったらしく、その場所を調べ行く事にしたらしい

調べた場所へ行くと其処は森の中にある一本道で、二人で辺りを探っていると森の中に光が見えた
その光は高い位置にあり、投稿者達はUFOだと思いカメラをズームさせると、それはUFOではなく窓だった

だが辺りは木々があるばかりで建物は一切無い
あったとしても、光の位置的にビルでも無い限り映る筈はないのだと云う(検証してみると光があった場所はビル七階に相当する)

因みに投稿者にはその窓に人影が映っているのが見えたのだが、一緒に居た友人には見えなかったそうだ

偖、件の現場では二十年以上前に幼児の遺体が発見されたそうで、それは有名な事件だったらしく詳細は出なかったが、犯人は逮捕され死刑になったとの事なので恐らく宅間守の事件の事だと思われる


ところで再度貸別荘を投稿者と取材スタッフが訪れ、投稿者が見たと云う思い出ノートを見ると『ユウレイ イルバショ』と書かれている筈のページが無くなっていた
貸別荘の管理者に問い合わせても思い出ノートを取り替えてはいないし、ノートを確認しても破ったり切り取った形跡はなかった

まさか亡くなった幼児の霊が投稿者らを呼び寄せたのだろうか




溶怪

泥酔し朦朧とした意識の中、とある店で出会った女性とラブホテルで一夜を過ごした投稿者

朝、目覚めると女性は居なく、その代わり携帯に見知らぬ女性が映っている映像が保存されていた

その映像には横たわっている女性の顔が延々と映っており、時間の経過と共にその顔が溶けていくように崩れていくものだった

投稿者の記憶が泥酔していて朧気だったので彼が泊まったと云うラブホテルに取材したところ、その女性には見覚えは無いと云う

更に投稿者の仕事の同僚に取材をすると、彼の周りで不可解な事が起きていたのが判明する
それはいずれも女性に関わる事で、投稿者をたまたま見掛けた時に女性と一緒に居るのを見掛けた、或いは投稿者に電話をすると彼の背後で女性の声がするとの事だったが、投稿者本人には身に覚えがないらしい

投稿者への取材の際、上記の事を本人から聞けなかったのでスタッフが改めて確認の電話をすると『気にする程の事でもなかったから…』との答えが

何だかこの時点で投稿者の態度が可笑しかったように感じたが、取材映像は続く

呪いのビデオ編集委員の菊地演出補(演出補だったかはあやふや)の提案により、投稿者を監視して撮影する事になった

撮影期間は二日間
その間、投稿者にはとあるビジネスホテルの一室で生活してもらう

一日目は何事もなかったが、二日目の夜に事態が急変した

投稿者がコンビニに行ったまま帰ってこなくなったのだ
別の取材に行っていたスタッフが知らせを受け、スタッフルームへ行くと菊地が其処で待っており話を聞くと、投稿者がコンビニへ行きたいと言い出し、二日間缶詰状態にしていたので気晴らしに行くのかと思い許可したら戻って来ないとの事。

投稿者の家、ラブホテルや同僚の家を探してみたが見付からず、宿泊していたビジネスホテルにも結局戻っては来なかった




結果、投稿者行方不明


偖、投稿者が泊まったと云うホテルの203号室ではこんな噂があった

入室時には男女二人なのだが、退室時には男一人で出ていくのが監視カメラに映る事がある
殺害されたデリヘル嬢や自殺した女性との噂があるが…

最後に、

投稿者が行方不明になる前に室内を映していたカメラに、不可解な動きをしている投稿者が映っていた
彼は煙草を吸っていたのだが、ふと入り口の方を見ると小さく頷き何かを喋っている
更にその直後にスタッフが待機している部屋に投稿者が訪れたのだが、スタッフがサブカメラで撮った映像に彼の背後に立つ白いコートを着た女性が映っていた

投稿者はこの女性に見いられ、何処かへと連れ去られてしまったのだろうか…


この件で菊地演出補は投稿者が居なくなってしまったのは自分の責任だと、一旦呪いのビデオ制作委員を離れる事になった

またいつか彼が戻る事を待つ事にしよう