*國崎出雲の事情で転生トリップ夢
*英子さんは出雲君の双子の妹として産まれました
こんなの絶対おかしいよ!!絶対おかしい!!おかしいったらおかしい!!絶・対・にだ!!
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、英子です。
ちょっと聞いてくださいよ奥さん!!語るも涙。聞くも涙…ってほどじゃないか…とにかく聞いてください!!
時は遡ること…嘘です。そんな昔のことじゃないです。ごくごく最近の出来事です。
ある日のこといつものように学校から帰ると、母さんの姿はなく兄貴だけが家に帰ってきていて何故か打ちひしがれていました。簡単に言うと、「orz」といった感じです。不審に思った私は兄貴に声をかけました。
「どうしたの兄貴?あっ、もしかしてついに大人の階段登っちゃった?赤飯炊く?貫通祝いに」
「ばっ!?バカ言ってんじゃねー!!!!オレは男だっ!!貫通しちゃ駄目だろ!!つーか女が貫通とか言うなっ!!!!ってそれどころじゃねーよ!!おふくろが世界一周旅行に行っちまった!!」
「ふーん。そうなんだ。で、いつ帰ってくんの?」
「…一年後」
「マ、マジで!?」
「マジだ。置手紙にそう書いてあった…」
「マジかよ…」
「で、一年間帰ってこないからその間は親父のとこに行けってさ……帰ってきたら…シバいてやる…」
ということがあり、私達双子は母さんと離婚した父さんにところに転がり込むことになった。
まあ、ここまでは問題ではあるが問題ではない。母さんに突飛な行動はある意味想定内のことだからだ。伊達に十五年間一緒に住んでいない。
そんなこんなで荷造りして父さんの仕事場へ二人で乗り込んだわけだ…そしたら、あれよあれよという間に兄貴は八年ぶりに歌舞伎界に帰り咲くことになりましたとさ、めでたしめでたし。
と思うだろう?そうは問屋が卸さなかったのだ!!
私は娘だから歌舞伎の舞台に立てるわけがなく、思いっきり気を抜いて兄貴を静観していた…いや、実際はちゃちゃ入れたり、指差して笑ったりしたりしたかな…あは。
あ、言い忘れてた。私達の生家は歌舞伎の名家、國崎屋だったりする。父が十六代目で兄貴が十七代目に当たるらしい。まあ、私は女だからこれと言って何もない………はずだったんだコンチキショー!!!!
はっきり言って兄貴は身内の目から見ても『美少年?アッハッハッ!美少女の間違いだろ』と十人聞いたら十五人はこう返してくるほどの女顔。というか顔だけじゃなくって、全てがこう…お前、女だろって感じな人で…つまりだ、兄貴は女形なんだよ。え?説明はっしょっただろって?うん、まあ、あれだ。そこはフィーリングで感じ取って。でだ、そんな兄貴は見た目に反して、男の中の男に憧れていてそれを目標にしている。なのにだ、自分の気持ちとは反比例に周りが、女形しろ!常に女性らしさを忘れるな!と言うわけです。ということは…兄貴のストレスマッハ5なわけです。そしてついに兄貴はプッチンきちゃったわけで…兄貴と加賀斗君の稽古を幼馴染の柚葉と観ていた私にあたりだしたのです!!
「くっそー!おい英子!!他人事だからって気楽に応援しやがって!!」
「いやーそんなこと言われても事実、他人事だしー」
「くぅ〜〜!!お前もオレみたいになんか苦労しろ!!」
「なんという理不尽!!まあ、確かにそう言いたくなる気持ちは分からんでもないけど私女だから歌舞伎できないしーここは潔く頑張ってよ兄貴!」
「うぅぅ……」
「えーと…つまりいっくんは自分は男なのに女形して苦労してるから妹の英子ちゃんにも同じような境遇になれって言いたいわけよね?」
「そーだよ!!」
「英子ちゃんがいっくんと同じ境遇になったらお稽古今以上に頑張れる?」
「ちょ!?ゆ、柚葉ちゃん?なんかイヤな予感がひしひしと「あー…頑張れる。…気がする」ちょっ!!遮らないで!!」
「分かったわ!任せといていっくん!!そうと決まれば行くわよ英子ちゃん!!」
「ど、どちらへ?」
「服とかアクセとかその他諸々を揃えによ!」
「えっ!?ちょ、まっ、」
「さあ、行くわよ!!」
「え?…え?ちょ、なんか分かんないけど、い、いやだぁぁぁぁーーー!!!!」
ドナドナです。リアルドナドナ…。私という名の子牛は兄貴にストレス軽減の為に売られたのです……。
くっそ!!兄貴の女顔!!可愛いんだよコノヤロー!!!!(←悪口のつもりらしいです)
っという経緯の元、私は男装してメンズモデルデビューすることになったのです…。
おかしいだろ!!こんなマンガのような展開って有りなのかよ!!こんなの絶対おかしいよ!!
おおまかすぎる設定
・英子さんは出雲君の双子(二卵性)の妹。
・出雲君が母親似なら英子さんは父親似。
・普通に女性の格好している時はちゃんと女性に見えるけど男装するとあら不思議!イケメンに大変身!(超ご都合主義)