えー…男性体で女口調だと知らない人から見たら誤解されそうなので男口調でいきます、はい。
俺が悪いと思う。
思うじゃなくて、俺が悪いです。
だけどね…
蓑虫よろしく荒縄でぐるぐる巻き
っていうのはどうかと思うんだ…
キャバクラで飲んでいたらここにはいないはずの旦那様(今は女性体だから嫁さんか?)の姿が…
もう、あの時は心臓が止まったね!(比喩だからね!)
ついでに思考も止まってちゃって言葉も出ない。
そんな俺に綱吉は笑顔を崩さないんだよ!!
それが逆に恐くて恐くて…
そしてあれよあれよと、獄寺と山本の手によって蓑虫にされ、矯正帰宅。
只今、自宅の床と仲良くしています。
ちなみに獄寺と山本は俺を床に転がしたと思ったらそそくさと帰っていきました。
夫婦間のことに口を挟むのは野暮ってもんだろ
と口では言っていましたが実際はとばっちりを受けたくないだけだろテメーら!!
「あ、あの…」
「なに?」
「すいませんでした!!許してください!ごめんさない!!だから…」
「だから、何?縄はほどかないよ」
「ですよねー」
ものすごくやべーであります!隊長!!
身体の自由すら与えられないみたいです!!
「こんばんはー綱吉くんと無様な虫風情」
こんな時に限ってやってくるんだよね、骸さんって…
いい意味でも悪い意味でも期待をうらぎらないのが骸さんだもんね…
「何の用だ、骸。今はお前の相手してやれる状況じゃないんだけど」
「クフフフ…知ってますよ。でもね、こんな状況だからこそ必要かなと思いまして。はい、どうぞ。僕からのプレゼントです」
プレゼントというわりにはラッピングも何も、ただの紙袋のそれを綱吉に手渡す骸さん。
いや〜な予感がするんですけど…
それを受け取り中身を確認し、ニヤリを笑う綱吉。
たった今、予感が確信に変わりました!!
さすが俺!!
超直感もめじゃないゼ☆
ぜんぜん嬉しくなんかないけどなっ!!
「褒めてやるよ、骸。今ものすごく欲しいと思ってたところなんだよ。首輪とリード」
「いやぁぁぁーーーー!!!なんつーもん持ってきてくれちゃったわけ、骸さんっ!!」
「よかったな、英子。これで脱☆蓑虫だ」
「よかったけど、総合的に見ると、やぱっりぜんぜんよろしくなーい!!」
「そんなに興奮すなよ、英子。今つけてやるからな」
「興奮してねーよ!!俺はつけられるよりつけてやる方が好きだぁぁ!!!!」
自分の性癖を暴露したところで現状は改善されるわけもなく、首輪とリード(ご丁寧に鎖使用でどーもありがとうございます、コノヤロー)を装着されちゃう俺。
泣きそうだけど泣かないぞ。
だって(今)男の子だもん!
「よく似合ってるよ、英子」
「あー…うん…どーも」
「さて、英子弄りはこの辺にしといて、骸」
「はい、なんですか?」
「俺達に言わなきゃいけないことがあるだろ」
「そうだ!そうだよ!!「ちょっと黙ってろ、英子」はい。すいません」
「なんだ、もうバレてましたか。つまりませんねー」
「バレるも何も、こんなことをするのはお前ぐらいしかいないだろうが」
「そうですか?君の元家庭教師もしそうじゃありませんか?」
「リボーンはこんな手の込んだやり方はしない。リボーンだったらもっと直球だ」
「クフフフ…そう言われればそうですかね。」
「骸」
「でもね、綱吉くん。僕は一言も食べてくださいなんて言ってないんですよ。ただ一言『一個100万円する飴玉が手に入ったんですよ』と英子さんに言っただけで、食べたいと言い出したのは英子さんなんです」
「……英子…」
「いや、だって、ほら、一個100万円もする超高級飴玉だよ?食べてみたいって思うのが人間ってものじゃない?で聞いてみたらちょうど二つあるっていうしさ、くれるっていうし、これは是非とも綱吉を一緒に食べよう!って思ちゃって実行にうつした結果…。ていうかさ、これって完璧詐欺だよ!!俺は悪くないって!!」
「人聞きの悪いこと言わないでくださいよ。僕は事実しか言ってませんよ。一個作るのに費用が100万円かかるのは紛れもなく事実ですからね。ただ、食品価値ではなく薬品価値が、ということは言っていませんがね」
「やっぱ詐欺じゃん!!」
「はぁー…そんなことどうでもいいからさ、さっさと解毒剤をよこせ」
「いいですよ。ただし、三ヶ月後に、です」
「「はあ!?」」
「解毒剤を一つ作るのに三ヶ月掛かるそうです。ですから完成しだいお渡しします」
「ま、マジですか骸さん?」
「大真面目ですよ」
「…………ふ、ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!!!」
その後、骸さんは三ヶ月間の減給処分を。
俺は、今まで綱吉が断り続けてきた会食やらなにやらを綱吉の代理として出席する羽目になりました。
とてつもなく面倒くさいです。
皆さん、詐欺には気をつけましょうね……。