「クフフ…今日から僕は君の家庭教師になります。よろくしお願いしますね」
「はい、センセー!こちらこそよろしくお願いしまーす」
何がなんだかわからないままですがとにかく六道さんが俺の家庭教師となりました。
なのでとりあえず良い子のお返事をしておきます。
「先生、ですか…クフフ、いい響きですね」
六道さんは『先生』と呼ばれたのがお気に召したらしくご満悦といった表情を浮かべています。
ご満悦なところごめんなさい、六道さん。
その表情なんだか怖いです…
なのでさくっと話を進めようと思います。
「で、センセー。俺は何をしたらいいんですか?」
「そうですねー何をしましょうかねー」
やる気あんのかよ!?
あんたそれでも家庭教師か!?
と思っても言い出せないチキン野郎ですが何か?
「そういえば、君はあの鳥から一撃もくらわずに逃げきったらしいですね」
「鳥?」
「雲雀恭弥のことですよ」
「ああ、はい。なんとか逃げ切りました」
そりゃー捕まったら最期(←誤字にあらず)ですもん。
俺の全身全霊を掛けて逃げさせてもらいましたよ!!
「そうですか。ではとりあえず、実戦してもらいましょうか」
「は?」
*****
先生に連れられてやって来ました、トレーニングルーム―――というよりボクシングジムなんですけど!!
何で部屋の真ん中にどーんとリングがあるんですか!?
ここってマフィアの邸宅ですよね!?
マフィアの間ではボクシングが流行ってるんですか?
マジでか!?
「お!お前がエイジだな!今日は極限いい試合をしよう!!」
とテンパッテいるとボクシング選手だろう人に声をかけられた。
「はぁ??」
わけがわかりません。
「というわけでですね、この人と戦ってください」
「はぁぁあ!?」
ボクシングド素人の俺が見ただけでも分かるプロのボクシング選手(しかも絶対現役だ!!)と試合!?
馬鹿言っちゃいけないよ!!
確実、俺フルボッコじゃねーか!!
「大丈夫です。彼にはボクシングの技のみしか使用しませんから。君は好きなように戦って結構ですよ」
先生に促されるままリングに上ると
「ちょっ「はい、始め」
問答無用に試合が始まった。
*****
ほらみたことか!!
予想を違えず俺フルボッコじゃねーか…
だいたい俺、まだお子様(肉体年齢)よ!!
いくら毎日筋トレしたりジョギングしてようが成人男性のプロに勝てるわけねーよ!!
体力、スタミナ面ですでに負けは見えてるだろーが!!
何考えてんだよ六道骸ダイテンテー様よぉぉお!!
「クフフ…男前が上がりましたね」
そうですか…
男前になりましたか。
これで明日から俺はモッテモテ街道まっしぐらってやつですね!
ありがとう先生!!
なんて思うと思ったか!!
思えねーよ!!
「体術の方は合格ですね。」
え?
「その間抜けた表情は何ですか…君は技術面に問題はないんですよねー体力、スタミナ面は体の成長を待つばかりと言ったところでしょう。僕が今更教えることなんてないですよね」
あー…なんか不信がられてる?
いや、でも、ねえ…
実は俺、前世の記憶があって転生したなって分かるんですよなんて言ったら、電波じゃん!!
最悪、精神病院行きだろ!?
言えるわけね―よ!!
「はい、そいうわけで今後も体術面は自主練ということで」
実はあんた、ただ単に面倒臭がってるだけだろ…