フユニャンです。
ママンが買ってくれてうちにやってきました。
そろそろ僕らの寝てる間にぬいぐるみ戦争が起きそう。
さて今から相棒の最終回のネタバレを盛大にするのでみたくない人は気を付けるように。
あとだいぶねじれた感想なので純粋に正義を信じたい人も見ないように。
・・・・・・以下ねたばれだよ!
ぼく今シーズンの相棒はぶっちゃけまともに見たのこの話くらいなので何も言う資格はないんですけどそれでもかなりそれこそ劇中の言葉を借りるなら「渡ってはいけない橋」を渡るどころか壊してジャンプしてたなっていうのは分かりました。
まずはじめに端的な感想を言うと、
・気がふさいだ
(エンドロールのあと数秒沈黙した)
・でもよく考えると萌えた
・よくよく考えると自分の好みだと思う
・なんで石坂浩二はこんなクソみたいな役回りが多いのか(そしてうまい)
そう、確かに三年間も隣にいた相棒が最悪の裏切りをするっていう、ドラマを愛していた人からみればある種の禁忌といってもいいようなバッドエンドだったんです
けど、
こういうの好きです。
まず疑惑が点から線になって相棒として成り立たなくなる(ダークナイトの件に関しては君と行動を共にできません、って言ってたあたり)ところの、チリチリと今までの定石が崩されていく危機感が良かった。
主人公またはそこにごく近い環境がゆるやかに狂気に蝕まれて、綻びが出てくるっていう展開が好きなんです。
次にカイトくんが犯人だと自供してしまうところはあまりにあっさりしていてややもの足りなかったけど、そのあとに取り調べの場面を入れていたのが効果的だった。
何がかと言うと、カイトくん本人の口からは
「なぜ犯行を最初の一件でやめなかったのか/どうしてエスカレートしていったのか/自分でもよく分からない/世の中の喝采は心地よかった/警察官としての葛藤はあった」
と月並みな動機しか語らせていないでしょ、ここがミソなんだと思います。
ここで「なんやこの薄っぺらい犯人は……」と思った次の瞬間に、あの石坂さんのシーンを持ってくる構成。
さっきのカイトくんの月並みな言葉とは全く違う、
「完璧な上司への嫉妬/乗り越えられない壁への対抗/それこそがダークナイトを生んだ/杉下右京がダークナイトを作り上げた/杉下は人材の墓場であり劇薬/思っていたよりずっと危険な存在」
というとんでもない推理(言いがかり)が杉下右京(と視聴者)を追い詰めていく。
この場面がたいへん味わいは悪い……んだけど、スルメのように舌を這いまわってくるんです。くるんです!
いわばこれは言いがかりでもあるんだけど裏の視点から眺めた推測でもあるわけで、カイトくんが知らない彼の深層を暴き、さらにそれがあくまでも無意識下でのことだと強調しているシーンでもあって。
もし本当に、例えば一種の嫉妬、コンプレックスにより手を染めたとしたならば(なおかつそのことには無意識に)それは人間の姿として大変狂っているとぼくは思う。
そこが大変おいしい。
人間の心っていうのはねじれたほうが面白いんです。
(※あくまでフィクションの上での話をしています)
杉下さんへの否定はきしべーのころからあったよね
「杉下の正義はいつか暴走するよ」って亀山くんにきしべーが言う場面大好きでした。
亀山くんのときは、単純の純、純粋の純、な亀山くんがきしべーに杉下さんの危険性を指摘されたときに初めて相棒としてのスタンスが揺らがされるところにねじれの美しさがあった。
そしてカイトくんの場合はもうすでにねじ切れて壊れてしまった。これを壊さずに壊すのを防ぐ、というのもドラマの書き方としてはありだけどそれだとハッピーエンドになりますよね。結果としてはねじれなくなる。ぶっ壊しちゃったからこそねじれの味がぼくらに後味わるくわるく伝わってくる。
カイトくんの今回のケースはすべてが結果論として降りかかってくる。そこからどれだけ論理をかざそうが全ては終わってしまったことでもう取り返しがつかない。
そこもまた
よい。
取り返しがつかないっていうのはドラマの醍醐味なのです
(※あくまでフィクションの上での話をしています)
つまり石坂さんの言葉がもし本当だとすれば(100%そうだとは言えないけど)
カイトくんは相棒である杉下さんに少しずつ追い詰められていたっていうわけで、それも自分で止められない域に達していて、そこまでいってるのにあくまで無意識で、杉下さんもそんなことには思い至らなくて、二人で相棒の顔をしていて、しているのにどんどん暗いところに足がとられていって。
視聴者さえ、なにも知らずに悲劇の一部分だけを見ていてどんって絶望に突き飛ばされて。
そう思うともだえるほど苦しくて好きです
ぼく大概でしょう
自分で書いてて引くわ
さっきも書いたけど例えばこれがハッピーエンドもしくはカイトくんが善のままなら、それは普通の終わりになる。みんなが思い描いていた理想の終わり。
それを裏切ることでどうなったかと言うと、ものすごく乱暴に個人の思いよがりで書くと、カイトくんは犯罪者になることでこれまでにはいなかった、ある点で杉下さんにとって最も特別な相棒になってしまった。
あるいは、次のシーズンを迎えるための踏み台にされた。もしくは、叙述トリックに近い「相棒」の名を使った実験のモルモットにされた、とも言えるけど。やっぱり最初の特別な相棒になったというのを推したい。いや推したいというか、そんな風に感じた。
そもそも相棒って頻繁に後味悪い話はさんでくるしこういうのがあってもおかしくはないんだ。
とにもかくも、カイトくんのこの結末はある意味「相棒」という関係の頂点、到達点ではないのでしょーか。
だって「相棒」だった結果、こうなったのだと石坂さんも言っているのだから。
でもね、各シーズン通してずーっと見てきた人とか、成宮くんとか、カイトくんが好きだった人にとってはやっぱ残酷だったよね。
そこを責められてもかまわないという覚悟が製作陣にあってその上でのチャレンジならば大丈夫なのですが。
今回のダークナイトの話と同じような気持ちになった小説などを挙げて話をしたいんだけどそれはさすがにここですると闇討ちされそうなので追記でします。
もう何のどんなネタバレをされてもいいよという人だけ読んでください。
これから読むかもしれないのにそういう(裏切り系、叙述トリック系)話だなんてこと知りたくないわという人はぜっったいに見ない!よーに!
ぼく明日も普通に仕事なんですけどね
考えてたらわーってなってぐわーって書いてしまった
個人的には胸くそは悪いけど嫌いじゃない、そんな最終回でした。
キモい文章書いてしまった感すごい
追記は以下から〜
2015-3-18 23:59
嫉妬は最大の、
恋ですよね。あこがれであり、執着であり、憎悪するほどの強い引力ですよね。
ええねんな〜〜私を救ってくださいの絶望感たまらんねん〜〜
これはわりと稀有な例で、もっとも近しい人が裏切るのに、のに、絶望だけではなくて光があんねんな……かなわんねんな……
ひそやかな狂気の真骨頂ねんなァ……いやほんとうにすき……どんどんどんどん崩れていく後半の怒濤の展開はすばらしいと思う。アリス先生のノッてる狂気だいすき。
原作ではなくてアニメの最終回にアニメだけの台詞(だと思う)があって、いわく臨也は静夫に対してコンプレックスを抱いているというとんでもないオリジナル台詞で、当時衝撃を受けました。コンプレックス、というこの解釈でそういう関係性もありえるのかと考えるようになったからけっこうターニングポイントになってるかも。ナルトとかもそんなこと言ってましたよね。サスケに対抗するためにサクラちゃんのこと好きって言う、みたいな。コンプレックス。
ええねんな〜〜私を救ってくださいの絶望感たまらんねん〜〜
これはわりと稀有な例で、もっとも近しい人が裏切るのに、のに、絶望だけではなくて光があんねんな……かなわんねんな……
ひそやかな狂気の真骨頂ねんなァ……いやほんとうにすき……どんどんどんどん崩れていく後半の怒濤の展開はすばらしいと思う。アリス先生のノッてる狂気だいすき。
原作ではなくてアニメの最終回にアニメだけの台詞(だと思う)があって、いわく臨也は静夫に対してコンプレックスを抱いているというとんでもないオリジナル台詞で、当時衝撃を受けました。コンプレックス、というこの解釈でそういう関係性もありえるのかと考えるようになったからけっこうターニングポイントになってるかも。ナルトとかもそんなこと言ってましたよね。サスケに対抗するためにサクラちゃんのこと好きって言う、みたいな。コンプレックス。
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