ことの発端は職場の先輩のこんな一言。
「○○ちゃん(私のこと)。今年もね、ハロウィンをしようと思うよ」

ハロウィン【Halloween】
毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのこと。(Wikipediaより)

別に田畑を持っているわけでもないけれど。
去年の今ごろ、われわれはこぞってささやかなハロウィンパーティーをしたのである。
「しますか」
「うん」
「するなら今年は……私もコスプレします」

……ん?
至極さらりと口にしてしまったけれど、私はいま何かとんでもないことを言ってしまったよね。
「うん、じゃあまた連絡を流すよ」←リアクションZERO
「はい」
あーあ言っちゃったね。言っちゃったよこれ。

そもそもすべての始まりは昨年のパーティーの夜にある。

ハロウィン【Halloween】
子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする風習などがある。(以上Wikipediaより)

転じて日本では、ハロウィンには仮装をしなくてはならない、および仮装をするお祭りがハロウィンであるという世間の風が強くなっていたころであった。(日本語がおかしい)

われわれも普段の職場では私服ではなく決められたコスチュームに身を包み、それこそある種の仮装をしながら勤務している。
でもそれとこれとは関係なく、ハロウィンであることを尊重した結果、仲間のごく一部は魔女および童話の主人公に仮装してパーティーへとやって来たのである。
昨年の秋の話だ。

私はそのとき悪魔の角を付けていた。カチューシャである。余談だが私の家には兎の耳と猫の耳と鼠の耳と兎の頭とハートのアンテナが常備されている。使用されることはほぼない。
あとは私服だった。だってワンポイント仮装でいいって聞いてたもん。気持ち、スカートはやや悪魔めなものを選んだ。
※色が赤いだけ

それでも充分だった(何がだよ)し普段の私ならコスプレしますよ〜〜なんて言うことは無いはずなのだけど、なぜか口走ってしまっ……言っちゃったよね〜〜。
でもせっかくマジコスしてくれてる人もいたんだし年に一度だし生涯でもそうない機会だし、しても楽しいんじゃん? と私が思っていたのかどうかはもはや思い出せないのだが、まぁいっか今年はと決断してしまったことは確かなのである。

しかし、今回のパーティーには開催に至るまでの厳しい条件があった。
「ハロウィンね、四人以上集まったら開催しようと思うよ」
そう。参加者が集まらなければ開かれないのである。ハードル低いけどわれわれにとっては結構高い壁なんだこれ。
とりあえず二人は揃っているね。(私と先輩)あと半分だね。ほんとに揃わないからねこれ。

そして私がのんのんと日々を側溝に捨てているあいだに、先輩の血の滲むような努力が実ってなんとか二人のメンバーが召集されたのであった。私にはのんのんとしたり勧誘のメッセージに明るいスタンプを返したりする他には、やはりマジコスするくらいしか手伝えることはないのだ(おい)。

機は熟した。
数日後の開催に備えて、何よりもまず私は己の衣装を手に入れねばならなかった。
ある仕事の帰り道、車に乗り込んだ私はステアリングをいつもとは反対の方向へと切った。
向かう先には毒々しいイルミネーション。困ったときの頼れる味方、ド■キである。

正直なところ私は■ンキが苦手だった。空気もBGMの流れ方も客層も陳列も、もうなんかその世界の何もかもに不慣れだし好きでもなかった。でもさすがドン■である。衣装はそこそこ揃っていた。悩んだ挙げ句私はシスターのそれを手に取った。ほんとうは赤ずきんが良かった(色々と兼ね合いがあって買えなかった)。全国の本物のスジの皆さますみません。もう一度言うがほんとうは赤ずきんが良かった。それか天使が良かった。むしろ何なら良かったのか選んでるときに誰か教えてくれよって感じではあった。
そういえばドンキ■ーテに来たのはそれこそ去年の今ごろぶりのような気もする。
私にとっては非日常と近いところに位置する場所なのだけれど、逆にここが日常から最も近い人たちも数限りなくいるのだろうとレジに並びながら不思議な気持ちになった。
私にとっては、年に数回くらいの間隔で来るのが楽しい場所なのかもしれない。

さて時間は流れて私が職場で「んああーー!」ともんどりうっ(色々とままならないことがあった)ている間に収穫祭は当日を迎えた。パーティーは夜からだったが、私はなぜかその日の昼から先輩と遊んでいた。

ちなみに午前は歯科に行った。つまりこの日は仕事が休みだった。
歯科の先生に
「○○君(私のこと)の顔を見ると、いつも買い忘れた雑誌のことを思い出すよ」という謎の告白をされた。
実は不思議と嬉しかった。顔を見て本のことを思い出してくれるのってなんかよくないですか。知らんわってかんじですか。
私がいまお世話になっている歯医者さんはもろもろのネタが散らかりまくっているのだけど書けないことのほうが多い。書いたらヤバいんだと個人的には思っている。
※ホワイトです

さて話を戻そう。
長い昼(遊び)を終えたわれわれはそのままパーティーをする場所へと向かった。
パーティーそれ自体はミニゲームをして景品を貰ったりお菓子交換をしたりご飯食べたりそれ以外にあれこれしたり普通の内容なのでここでは詳細を省く。
長く疲れた一日だったが楽しかった。般若のお面を無理やり貰った。くれた人はたぶん「なんだこいつ……」って思っていたはず。


ハロウィン【Halloween】
ケルト人の1年の終りは10月31日で、この夜は夏の終わりを意味し、冬の始まりでもあり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていた(Wikipediaより)


「私のハロウィンは終わりました」
と参加していた一人がぽつりと言った。

もうすぐ冬がくるのだ。




トミーちゃんハロウィンの申し子みたいな感じあるよね


この時期になると聴きたくなるアルバム
おとぎの世界が一貫したテーマとしてあるのが強み


表紙ものすごいけどハロウィン特集は可愛らしかったです


子どもいないけれどコドモエ買いますよ
ハロウィン特集があって、パーティーの作り方が載っている。こういうの読むの好きなんです。